新アイドルグループideal pecoインタビュー|理想を求めて集まった“かわいいの金太郎飴”

「iCON DOLL LOUNGE」などアイドルイベントの企画運営制作を行う株式会社iDLが、タレントプロダクション事業として初めてマネジメントするグループideal peco。彼女たちは9カ月半もの準備期間を経て今年9月に東京・白金高輪SELENE b2でデビューライブ「first peco」を開催し、満員の会場でスタートダッシュを切ることに成功した(参照:7人組アイドルideal peco、チケット完売の“理想的”なデビューライブ)。

メンバー7人はどんな思いのもとこのグループに集まり、これからの活動にどんな展望を持っているのか。音楽ナタリーではメンバー7人にインタビューし、それぞれの胸の内を語ってもらった。

取材・文 / 土屋恵介撮影 / 佐々木康太

アイドルとしてやり残したことがある

──始動したばかりの新グループということで、まずideal pecoのコンセプトについて紹介をお願いします。

近石日奈 ideal pecoは、「理想的な結果」という意味のグループ名なんです。

綾瀬ねね 「All for ideal(すべては理想のために)」というコンセプトを掲げていて、メンバーそれぞれが“理想の自分”になることを目指してがんばっています。あと、アイペコは“かわいい”を追求しているグループで、曲、ダンス、衣装、どれを取ってもかわいいと思ってもらえる自信があります。

夏目綾 かわいいの金太郎飴みたいなグループです(笑)。

ideal peco。左から綾瀬ねね、夏目綾、吉橋亜理砂、近石日奈、白星あいり、早海美玖、菅谷夏子。

ideal peco。左から綾瀬ねね、夏目綾、吉橋亜理砂、近石日奈、白星あいり、早海美玖、菅谷夏子。

──(笑)。どういう経緯で結成されたんですか?

夏目 アイペコは「iCON DOLL LOUNGE」などのアイドルイベントを開催しているiDLが初めて作るアイドルグループとして結成されました。MCや構成作家をされてる石橋哲也さんとダンス講師の高森ありささんという2人のプロデューサーがいて、2人と縁があるメンバーが集まったんです。日奈以外の6人がアイドル経験者で、アイドルとしてやり残したことがある子たちが集まった感じですね。

──では、アイペコにたどり着いた理由を交えて、それぞれ自己紹介していただけますか? アイドルとしての自分の武器もアピールしてもらえたら。

白星あいり もともと私はアイドルに無知な状態から前のグループで活動を始めて、やっていくうちにアイドルにどんどん惹かれていったんです。前のグループを辞めたあと、やり残したことがあるなと感じていたタイミングでアイペコのお話をいただきました。私はステージから見るお客さんの笑顔が大好きなんですよ。あと、お客さん同士で「今日のライブよかったよね」って言い合って、その輪がどんどん大きくなっていく感じがすごく好きなので、「そういう景色をもっと見たい!」という思いでアイペコに加入しました。私の武器は……どんな表情でもかわいい顔です(笑)。私の顔を見ると幸せになるので、たくさん見てください!

吉橋亜理砂 私はアイドル12年目で、前の事務所には10年くらい在籍していました。そんな中、自分の年齢を考えて、すごく居心地のいい環境に甘えたままでアイドル人生を終えていいのかな?と思うようになったんです。アイドル人生最後の挑戦をしたくて、前のグループを卒業しました。私は、どんなに活動が大変でもキラキラしたまぶしい存在でありたいっていう、理想のアイドル像に対するこだわりが強くあるんです。アイペコはキラキラしたものや“かわいい”を追求するグループだと聞いて、これは理想の自分になれる場所だと思って加入しました。私のアイドルとしての武器は、安心感ですかね(笑)。12年の経験で得られたものを生かして、ファンの皆さんに安心感を与えられたらいいなと思ってます。

菅谷夏子 私はもともとアイドルが好きだったんですが、自分がアイドルになってからはステージに立つ側の楽しさを知っていきました。ただ自分の中で、もう無理かもしれないって心が折れた瞬間があり、しばらく活動から離れていたんです。そしたらファンの方に「いいパフォーマンスを見せてくれるのにもったいない」「またやらないの?」と言っていただけて。私を求めてくれてる人たちがいるんだって実感したんです。そこから、折れてた心がだんだんと復活してきて、もう1回がんばってみようかなと思うようになり、アイペコにたどり着きました。私はダンスが特技で、踊るのが大好きなんです。物心ついてない頃からダンスに触れていて、小学校のときに本格的に始めました。あと、ファンの方から表情を褒めていただけることが多いです。ただ、表情がコロコロ変わるので、動画だといいけど、静止画だと事故った顔になっちゃうのが悩みどころです(笑)。

白星あいり

白星あいり

吉橋亜理砂

吉橋亜理砂

菅谷夏子

菅谷夏子

根っからのアイドル好きも、舞台出身メンバーも

綾瀬 ねねはもともとアイドルが好きで、なりたいものがアイドル以外になかったんです。AKB48の渡辺麻友さんがきっかけでアイドルが好きになって、ももいろクローバーZの佐々木彩夏さんがきっかけで完全にオタクになりました。綾瀬と彩夏で名前が近いし、地元の友だちには「あーりん」って呼ばれてました(笑)。それくらい、周りに私のアイドル好きが伝わってました。自分自身も地元の沖縄でアイドル活動を始めて、その一環で上京したんですけど、急な解散でグループでの活動が終わってしまって。もう、悔しさしかなかったですね。自分にできるのはアイドルとしての夢をあきらめないことかなと思っていたタイミングで、アイペコのお話をいただきました。前のグループはカッコよくパフォーマンスするタイプだったんですけど、アイペコはかわいくキラキラしてる感じで、自分が挑戦してみたいコンセプトだったので今すごく幸せで楽しいです。そんなアイペコにおけるねねの特徴は、シュガーボイスと言っていただける甘い声かなと思っています。

近石 私はみんなと違って、アイペコが初めてのアイドル活動なんです。これまでは、舞台を中心にお芝居をしていました。昔から「みんなのパワースポットになりたい」「みんなの愛を循環させたい」をモットーに活動していて。その思いをもっとたくさんの方に届けたい、そのためには環境を変える勇気も必要かなと思っていたタイミングでご縁があり、アイペコのお話をいただきました。

──アイドル文化に対する知識はどれくらいあったんですか?

近石 アイドルの世界についてまったく知らなくて、本当にイチからの挑戦って感じでした。アイドル活動が舞台と一番違うところは、“自分”としてステージに立つということで。舞台では自分自身にいくつもフィルターをかけて役を演じるけど、アイドルは近石日奈としてお客さんの前でパフォーマンスをする。それがすごく新鮮で面白いです。アイドルとしてまだわからないことは多いですが、自分の武器は笑顔とポジティブさだと思っています。私のパフォーマンスを見てハッピーオーラを感じてほしいです!

綾瀬ねね

綾瀬ねね

近石日奈

近石日奈

夏目 私は子供の頃から非常に暗くて(笑)、「高校を卒業したあと、私はこのまま寂しくひっそりと生きていくのかな?」と思うほどの暗黒時代を過ごしてたんです。そんな中、偶然に街中で虹のコンキスタドールさんの「THE☆有頂天サマー!!」のミュージックビデオを観て、「なんて楽しそうなんだ!」と衝撃を受けたんです。「私もこんなふうに楽しいと思える瞬間を感じてみたい!」と思い、19歳のときに静岡から上京してオーディションを受けてアイドル活動を始めました。活動はすごく楽しくて、仲間も自分の居場所もできたことが幸せでした。でも長く同じグループに在籍していく中で、理想と現実の壁にぶつかってしまったんです。何千といるアイドルの中でも輝けるのはひと握りで、私はそういうアイドルではなかったんだと思い知って、「もうアイドルはやらない」と決めて卒業しました。だけどアイペコの存在を知って「もう一度やってみよう!」と決意しました。やるからには、アイドルとしてギラギラしていこうと思ってます(笑)。私はちょっと変わってるところが多いみたいなので、見ていて飽きないのが武器かなと。スルメのようにじわじわと楽しんでもらえる人間です! あと私は、陰キャの星になると決めているんですよ。「陰キャにしてはがんばってるな」と思いながら見守ってほしいです(笑)。

早海美玖 私もねねと同じように渡辺麻友さんと出会ってアイドルを好きになったんですけど、アイドルになりたいと思ったきっかけは乃木坂46さんでした。あまり人に興味がない人間だった中、乃木坂さんと出会って初めて自分の中で感情が強く動いたんです。曲の歌詞やそれとともに伝わってくるメンバーさんの感情が心に刺さりまくって、1人でライブや握手会に通うくらい夢中になりました。人に憧れることってこんなに素敵なことなんだなと気付きましたね。ファンもみんな熱い眼差しで乃木坂さんを見ていて、すごく尊い素敵な世界だなって。

──その世界に憧れて自分もアイドルを目指したと。

早海 はい。私も誰かの原動力になりたいと思ったんです。前のグループではいい経験をさせていただいて、本当に感謝しています。ただ、理想と現実とのギャップに悩んでしまい、結果として辞めることになってしまって。それと同時にファンの方に恩返ししきれてないな、自分の目指すところにたどり着いてないなという気持ちがあり、アイペコの存在を知ったときに「ここで最後のアイドル活動をする!」と覚悟を決めて加入させていただきました。これからはファンの皆さんにポジティブな感情をたくさん届けたいです。私の武器はマシンガントークと少林寺拳法で、ファンの方への愛が強いゆえにマシンガントークになってしまうんですよ(笑)。少林寺拳法は中学で3年間やってました。急に「強くなりたい!」と思ってやり始めて、全国大会に出たり関東大会で1位になったりしました。

夏目綾

夏目綾

早海美玖

早海美玖