このメンバーでデビューできてよかった
──プレデビューまでの準備期間はどれくらいあったんですか?
篠崎 レッスンが本格的に始まったのは夏明けくらいで、準備期間は2、3カ月くらいでした。でも短いと感じないくらい濃い時間でしたね。
冬月 私はアイドル経験がなかったので、基礎のレッスンや振り入れに食らいつく毎日で。とにかく必死でついていっていました。でも、メンバーがたくさん支えてくれて、「やるしかない!」という気持ちになれました。
野田 さなちゃん(冬月)のがんばりは本当にすごかった。わからないことがあったらすぐ聞いてくれるし、一緒に自主練をすることも多くて、すごく信頼しています。
永瀬 先生にも「アイドル活動が初めてとは思えない」って言われてたよね。振りの吸収も早くて、努力してるのがちゃんと伝わってきました。
冬月 うれしい……! でも最初は「バミリって何?」というレベルで(笑)。知らないことばかりだったけど、全部メンバーが教えてくれて、環境にすごく助けられました。
──プレデビューのステージは1月26日に代々木公園野外音楽堂で開催されたライブイベント「冬祭!地酒&地肴 in 代々木『HERO GATE』」でした。
冬月 野外のステージで、通りすがりの人もたくさんいましたし、すごく緊張する環境でした。でも、だからこそ「ちゃんとパフォーマンスを届けなきゃ」と思いました。
星奈 前に所属していたグループと比べると、iCON!のほうがファンの方との一体感を大事にしているというか。それがグループの特徴の1つになっていると感じています。でも、さっきも話した通り自分はレスがすごく苦手で……。ダンスの先生にも「もっとレスがうまくなろうね」と言われたんですけど、頭の中でイメージはできていても、いざステージに立つと思うようにできなくて。特にプレデビューの日はお客さんが多くて、レスを返すのが本当に難しく感じました。終わったあとにすごく落ち込みました。
冬月 自分たちとしては笑顔でレスを送っているつもりでも、お客さんから見たときの印象はまた違ったりするんですよね。指摘されて初めて気付きました。
篠崎 私は1年以上ブランクがある状態でステージに立ったんですけど、ファンの皆さんの顔を見たときに「帰ってこれた」という気持ちがこみ上げてきました。
永瀬 自分にとっては9カ月ぶりのステージで、「あきらめずにここまで来てよかったな」と心から思いました。ファン方の笑顔を見たとき、レッスンの苦しかった日々が全部報われた気がしました。
野田 私はメンバーやお客さんを引っ張る煽り担当を初めて任されたんですけど、ちゃんと反応が返ってきたのがうれしかったです。「届いた!」という感覚があって、すごく楽しかったです。
──そこから約1カ月後の正式デビューのステージはいかがでしたか?
野田 想像していた以上にたくさんの方が来てくださって。iCON!主催の対バンライブということもあり、ほかのグループさんのファンの方も観に来てくれたんです。デビューのタイミングで多くの方にパフォーマンスを観ていただけたのが本当にうれしかったですし、みんなでがんばってきたダンスや歌、パフォーマンスのすべてを出しきれたんじゃないかなと個人的には思っています。ライブ後、感情が一気にあふれてきて泣いちゃいました。この5人でデビューできて、本当によかったなって。ステージから見た光景が今でも忘れられないです。
星奈 さきもデビューライブ終わってから泣いてました(笑)。
永瀬 なんで言うの!
一同 あははは。
永瀬 ライブって、どんなに準備しても本番の景色は自分の想像を超えるんですよ。ペンライトの光を見たとき、「この瞬間のためにがんばってきたんだな」と心から思いました。
篠崎 ファンの方がメンバー全員のことを認めてくれているのがすごくうれしくて。グループの魅力が伝わったことが一番誇らしかったです。
冬月 初めてのアイドル活動で不安もいっぱいだったんですけど、あの景色を見たときに「このメンバーで本当によかった」と思えました。一生忘れられない日です。
星奈 私はライブ中ずっと楽しくて。最初は「失敗できない」とプレッシャーを感じていたけど、気付いたら心から楽しんでる自分がいました。「がんばってきてよかった」と心の底から思えるステージでした。
1stワンマンはグループの本気を見せる場
──オリジナル曲の「しゅっこう!あいこん!GO!」と「ガチ恋♡ルーレット」は、どちらもライブ映えする曲ですね。
野田 はい。どちらも会場をひとつにできるような曲を目指して作っていただいていて。特に振付については「ライブでみんなが真似しやすい」「一緒に踊りたくなる」を大事にしています。
冬月 「ガチ恋♡ルーレット」はアイドル側とファン側の視点が交錯するような歌詞になっていて、「わかるー!」って共感してもらえるんじゃないかな。「しゅっこう!あいこん!GO!」は明るくて中毒性があるメロディが特徴で、ライブですごく盛り上がります。
篠崎 どちらも“育てていける曲”だと思っていて。「しゅっこう!あいこん!GO!」はSNSとの親和性が高くて、メンバー以外がTikTokに投稿している動画を観ると「こんな表現もあるんだ」と驚かされます。
──最近のアイドルシーンでは、TikTokを中心としたSNSでの楽曲展開がより一層重要になってきている印象があります。ファンや一般ユーザーが“自ら発信したくなるかどうか”が曲の広がり方に直結しているというか。
篠崎 本当にそうだと思います。だから振付を考える段階から、TikTokでどう映るかを意識しています。誰でも真似できるキャッチーな動きにしつつ、ちゃんとかわいく見えるように計算されているんです。
星奈 女性のファンの方がいるのも、TikTokの影響がすごく大きい気がします。共感しやすい投稿だったり、推したくなるビジュアルや雰囲気が求められているなと日々感じます。
野田 「これなら絶対バズるでしょ!」と思ったものが全然伸びなかったり、逆に夜中にふと上げた動画が何万回も再生されたり……。やってみないとわからないからこそ、トライし続けるしかないなと思います。
冬月 それすごくわかる。私も深夜に撮った動画が一番伸びて、「なんで!?」って驚いたことあります(笑)。でも、SNSって正解がないからこそ、発見があるんですよね。
星奈 最近は“SNSもライブの一部”だと思っていて。実際、ライブで盛り上がったシーンをそのまま切り取ってSNSに投稿すると、「この現場、行ってみたい!」と思ってくれる人も多いみたいです。iCON!のライブは動画や写真の撮影がOKの現場もあるので、ファンの皆さんも気軽にSNSに投稿してほしいです。
野田 SNSの動画を撮るときは衣装やカメラのアングル、投稿時間までこだわっています。SNSって、アイドルにとって今や“もう1つのステージ”なんだと思います。
──6月7日にはSpotify O-nestで1stワンマンライブ「iCONIC PARADICE!」が開催されます。現在、ライブに向けてどんな思いで準備していますか?
野田 プレッシャーは感じています。でもその分、自分たちの今のすべてを詰め込んだライブにしたいと思ってます。メンバー全員が主役で、この5人でしか作れない空気で会場を満たしたいです。
篠崎 初ワンマンはただの通過点じゃなくて、このグループの本気を見せる場だと思っています。私たちの熱量を全部ステージにぶつけます。そのためにまずはチケットのソールドアウトを目指します。そこから先の目標は、「しゅっこう!あいこん!GO!」の歌詞にもあるように「武道館に立つ」こと。大きすぎる夢かもしれないけど、1歩ずつ階段を登っていきたいです。
公演情報
iCON! 1stワンマンライブ「iCONIC PARADISE!」
2025年6月7日(土)東京都 Spotify O-nest
プロフィール
iCON!(アイコン)
「みんなの青春アイドル群像劇!」をテーマに活動している5人組アイドルグループ。1月26日に東京・代々木公園野外音楽堂で行われたライブイベント「冬祭!地酒&地肴 in 代々木『HERO GATE』」にてプレデビューし、2月15日に東京・Spotify O-WESTで開催された主催イベント「iCON! Fes!」 にて正式なデビューを果たした。6月7日に東京・Spotify O-nestで1stワンマンライブ「iCONIC PARADISE!」を行う。