ナタリー PowerPush - HAPPY

20歳の5人が世界へ放つ「HELLO」

今のHAPPYが詰まったカラフルな1stアルバム

左からChew(G, Syn)、Ric(Vo, Syn)、Syu(B, Syn)、Bob(Dr, Vo)、Alec(Vo, G)。

──今作はバンドにとって初めてのアルバムですね。

Alec シングルだったら3曲とかだけやけど、アルバムやったら10曲で1枚の作品やから、ちょっとした映画みたいな感じで楽しかったです。

──幕開けを感じさせる「Magic」から始まって、盛り上がっていって「Color」「Win Key Gun」で静かに終わるっていう流れがとてもしっくりきます。

Alec 曲順とか細かいところは悩んだんですけど、イメージはあって。

Chew 1年前くらいからだいたいの考えはあったよな。

──どういうイメージだったんですか?

Alec 「1stアルバム」っていう感じですね。俺らのいろんな曲が入っとるっていう。

Chew めっちゃカラフルな。

Alec ベスト盤であり、始まりっていう感じのアルバム。

Ric 今の僕らが詰まったって感じ。これ聴いてもらったら今のHAPPYがわかると思います。

60年代の音楽をやっているつもりはない

──60年代、70年代の音楽から影響を受けた渋い音楽を、当時を知らない若い人たちがやってるっていうのもHAPPYの特徴ですよね。

Alec よくそう言われるんですけど、俺らは「60年代の音楽を今やってます」という感覚もあんまなくて。

Bob 自分らの好きなものとして60年代70年代の音楽があるだけで、別にそういう感じでやりたいっていうわけではないんです。

Alec 当時から60年代として聴いとるわけでもなかったんですよ。「これいいやん」って聴いてて、あとで60年代の音楽やったんやってわかる。

Syu(B, Syn)

Syu 自分らにとっては新鮮な感じでしたね。

──自分たちのルーツであるその時代のいい音楽を若い人たちに伝えたいとかそういうことではない?

Bob まったく考えてないっすね。

──アルバム収録曲「Lift This Weight」に「いったい何のために歌っているんだろう」という歌詞があると思うんですが、ではHAPPYは何のために歌ってるんでしょう?

Alec 音楽は生活の一部って感じなんで、「なんでごはん食べとん?」っていう質問と同じ感じですね。

Ric ただ好きやからやってる。高校生のときの遊びの延長っていうか。

Syu ただ僕らの音楽を聴いた人が“ハッピー”になってくれたらいいですね。

ワールドツアーを回りたい

Alec 「なんのために」とは違うかもしれないけど、世界のいろんなところでライブしたいし、世界でめっちゃデカくなりたいっていうのはあります。

──アメリカツアーもやってましたが、海外での反応はいかがでしたか?

Alec めっちゃノリがよかったです。めっちゃ踊ってくれる。

Ric 日本のお客さんは真剣に聴いてくれてるって感じなんですけど、海外の人は俺らの音楽を自分のものとして楽しんどる感じがした。

Alec 自分のものにするんが早いんかもな。

Chew 出番が最後じゃないのにアンコールもらったりもしましたね。

──アメリカツアーでもすでに手応えをつかんだようですが、さらに世界でビッグになるために、今後どういう活動をしていきたいですか?

Alec CD出したら日本でツアーするじゃないですか。それと同じように、世界ツアーができるようになったら面白いですね。日本にもそういうバンドいるとは思うんですけど、日本ではツアーで海外は回らんのが普通になっとるし。アメリカのバンドはCD出したらいろんな国行くじゃないですか。日本もそういうバンドが出てきたら面白くなると思うし、そういうバンドになりたいです。

Ric いろんな国行ってみたいですね。

Syu どんな音楽があるんかわからん国に行きたいですね。

──ライブハウスもないような?

Alec ライブハウスっていう概念、あんまり好きじゃないんですよね。サーカスみたいな感じで、みんなが来れるところにステージ作ってやりたい。もちろんライブハウスもめっちゃ好きなんですけど。どこでもライブできるようになったらいいなと思います。

Bob(Dr, Vo)

Bob そうですね。身構えて聴くのが当たり前になってますけど、それが違うんかもなっていうのは思いましたね。アメリカ行って。

Alec アメリカではライブハウスっていうよりバーの中でライブをやっとるみたいな感じで、音楽はどこにでもあるもんやぞっていうのをむっちゃ感じました。

Ric みんなバーに飲みに来る感覚で「お、なんかバンドやっとるやん」みたいな感じやって。

Bob 飲みながら踊ったり歌ったり。ビリヤードやってるやつおったりとか、自由な空間でしたね。

──自分たちの音楽は、そうやって身構えずに聴いてほしい?

Bob 自由に。別に身構えたらダメっていうわけでもないですし。

Alec 真剣に聴いてくれてもいいし、寝転びながら聴いてもいいし。何してくれてもいい。その人なりに“ハッピー”な楽しみ方で!……今、ちょっとキメたつもりなんですけど(笑)。

「HAPPY」というバンド名になってハッピーに

──ちなみに、よく聞かれるとは思うんですけど、なぜ「HAPPY」というバンド名にしたんですか?

Alec 友達に言われたんですよ。俺らバンド名を迷ってて、そしたら「HAPPYでいいやん、お前ら」「絶対HAPPYや」と。そのときはダサすぎやと思ってたんですけど、帰りにみんなで話してて、「『Justice』とかもおるわけやし『HAPPY』もアリかもな」って。

Chew バンドでおらんし、1周回ってカッコいいんちゃうん?って。

Syu 僕ら「HAPPY」っていうバンド名になってからめちゃハッピーになりました!

──そうなんですか?

Syu みんなから「HAPPY」「HAPPY」って言われたらそりゃね(笑)。

Ric 「HAPPYです」って言ったらめっちゃハッピーやもんな。

Bob 音楽性も変わりましたね。

Alec そこから自然とポップになったっていう感じもあるんです。

Chew 俺ら「BAD」とかやったらどうなってたんやろう?「BADです、ちっす」みたいな感じになってたんかなあ(笑)。

左からChew(G, Syn)、Syu(B, Syn)、Alec(Vo, G)、Ric(Vo, Syn)、Bob(Dr, Vo)。
1stアルバム「HELLO」/ 2014年8月6日発売 / 2160円 / HAPPY RECORDS / DDCZ-1969
収録曲
  1. Magic
  2. Run Run Run
  3. Time Will Go On
  4. Lucy
  5. Wake Up
  6. Pity Xmas
  7. Lift This Weight
  8. Cycle of Life
  9. Color
  10. Win Key Gun
ライブ情報
リリース記念ライブ「Free HAPPY "HELLO"」

2014年8月6日(水)東京都 ラフォーレミュージアム原宿
OPEN 18:00 / START 19:00
※入場無料

HELLO HAPPY Tour 2014
  • 2014年9月19日(金)愛知県 CLUB ROCK'N'ROLL
  • 2014年9月21日(日)大阪府 knave
  • 2014年9月23日(火・祝)香川県 高松MONSTER
  • 2014年9月24日(水)福岡県 Queblick
  • 2014年9月25日(木)広島県 HIROSHIMA 4.14
  • 2014年9月28日(日)北海道 BESSIE HALL
  • 2014年9月30日(火)宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
  • 2014年10月1日(水)新潟県 CLUB RIVERST
  • 2014年10月4日(土)東京都 タワーレコード渋谷店B1 CUTUP STUDIO
HAPPY(ハッピー)

HAPPY

京都府綾部市出身の5人組バンド。1992年~94年生まれの、Alec(Vo, G)、Ric(Vo, Syn)、Syu(B, Syn)、Bob(Dr, Vo)、Chew(G, Syn)という幼なじみで2012年に結成された。2014年3月にはタワーレコード限定で初の流通盤シングル「SUN」をリリースするとともに、アメリカ・テキサス州オースティンで開催される音楽イベント“SXSW”を含めたアメリカツアーを実施。各地で大盛況を収めた。両A面シングル「Wake Up / Lucy」の発売を経て、同年8月に待望の1stアルバム「HELLO」をリリース。60年代、70年代のサイケデリックポップやロックを彷彿とさせるサウンドと、みずみずしい感性を融合させた豊かな楽曲群で、世代やジャンル問わず多くの聴衆を魅了している。