ナタリー PowerPush - GOATBED

80'sエレクトロの本命が再始動!? “ほぼ”ニューアルバム「V/A」リリース

ニューウェーブサウンドを軸に、独自のエレクトロミュージックを奏でる石井秀仁のパーソナルユニット・GOATBED(ゴートベッド)。その周辺がこのところ騒がしい。GOATBEDの活動休止を2008年5月に発表し、同年12月にはガールズユニット9nineで活躍中のCha-pon(西脇彩華)とのユニット“Ordinary Venus”で音源をリリース。さらには活動していないはずのGOATBED名義での未発表音源集「V/A」を3月4日に発表するなど、相変わらずの活躍ぶりだ。そんなGOATBEDをとりまく現在の状況について、石井秀仁本人に話を聞いた。

取材・文/相川真由美

 
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Ordinary Venusは“バイト感覚”!?

——不思議な感じなんですよ。活動休止を発表した方の新作に関して取材することってあまりないので。

ですよね。実際は活動休止中というわけでもないんですよ。単純にメンバーが抜けただけ。

——じゃあ実際は活動を続けている?

そうですね、言ってみればライブ活動を休止しているっていうだけで。休止を発表したときは本当に休もうと思っていたんですけどね。でもそのあとでOrdinary Venusや音源発表の話をもらって、結局休めなくなりましたね。

——そのOrdinary VenusでのCha-ponとの共演はどうでした?

俺32歳なんで、16コ歳が違うんですよ。そんな若い子と一緒にやることなんかないし新鮮でしたよ。ほどよい感じっていうか、彼女歌い方に変なクセもないし。やりやすかったです。

——じゃあ今後はOrdinary Venusとしてさらに勢力的に活動していく可能性もありそうですか?

うーん、Ordinary Venusはカバー曲をやるプロジェクトですからね。カバーアルバムを出し続けるってことはないですね。結果的に歌い手が彼女だから盛り上がっているだけで、言い方は悪いですけどカバーは“バイト感覚”なんです。

——バイトですか。

うん、そこは強く言っておきたいところで。カバーって好きなことができないんですよ。変えちゃいけない部分が多すぎて、最終的には音色をいじるだけとかその程度になっちゃうんですね。だからカバー曲を聴いて「この人ってこんなアレンジしかできないの?」って思われると俺的にもイタイし。どうせならこのユニットでオリジナル曲がやれればいいんですけどね。

——本音が出ましたね(笑)。オリジナルはぜひ聴いてみたいところです。

それで面白がってもらえれば願ったり叶ったりですね。俺は専業ミュージシャンじゃないので変な責任を負わなくていいというか、責任がないから作りたいものを勝手に作れるんで。

——自由ですね(笑)。とはいえメジャーから出しているわけですし、それなりに楽曲への責任や思いもあるのではないでしょうか?

いや、音楽は趣味ですよ。中学生や高校生がバンドやっている感覚に近いのかもしれない。そこまでいたいけな気持ちではないけどね。まあ、酒も飲まないし、遊ばないし。単純に音楽しかできないんです。

“中途半端さ”を評価してほしい

——石井さんのサウンドを形容するときによく「80年代」というキーワードが使われますが、そこにこだわりはありますか?

あー(笑)、確かにそういうの、よく宣伝のキャッチフレーズで使われますよね。でも俺自身は別に何も言ってないし、制作のときには意識してないです。レコード会社が説明するときにわかりやすくていいっていうその程度です。むしろ寒いからやめてくれって言いたいくらい(笑)。80年代の音楽に好きなものが多いのは確かなんですけど、そればっかり考えているっていうわけではないです。

——なるほど。

でもね、なんかどっちつかずな感じですよ。自分の作っている音楽も立ち位置も、かなり中途半端だと思うんですね。それはわざとやってるところもあるし、自分でも気に入ってたりはするんですけど。それで、その中途半端さを評価してもらいたいとずっと思っていたんですけど。でもなかなかかっこよさが人に伝わらないまま今に至るという感じです(笑)。

ニューアルバム『V/A』 / 2009年2月11日発売 / 1980円 / BabeStar / VICB-60039

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CD収録曲
  1. JAKE
  2. YOUNG VANING
  3. DECORATIBO
  4. YOUR GRANDPA IS THE MOST ABNORMAL
  5. BUDDY BEAT
  6. BY PHERO MONDE
  7. VOGUE MAN
  8. GOODLUCK DELETE
GOATBED(ごーとべっど)

奇才・石井秀仁のパーソナルユニット。2003年6月に活動を開始。

2004年にアルバム「テクニコントラストロン01」「テクニコントラストロン02」を2カ月連続でリリース。ニューウェイブとエレクトロポップを独特の感性で再構築したサウンドで多くのリスナーを惹きつける。

その後は完全限定シングル「モニカ」(現在完売)、アルバム「ワーキングウォークマン」「GOATBED」など精力的なリリースを続けるも、2008年5月新宿LOFTのライブ「GOODLUCK DELETE」を最後に活動中止。2009年は休止中にもかかわらず、未発表音源を含む8曲を再レコーディングし、3月にアルバム「V/A」として発表。