ナタリー PowerPush - 下山(GEZAN)

奇才マヒトゥ・ザ・ピーポーの頭の中

家に住むかどうかを決めるのは自分

──下山(GEZAN)の曲には、はかなさや死の匂いみたいなものがまとわりついているように感じます。作り手としてそういう意識はありますか?

マヒトゥ・ザ・ピーポー(Vo, G)

俺、普段からよく深呼吸をするんですけど、その呼吸の中に死の匂いみたいなものはどうしても混ざっちゃうんですよね。歩いてると見つけちゃうんです。

──何がマヒトさんをそういう性質にしたんでしょうね。

海の近くで育ったからじゃないですかね。今回のアルバムは歌詞に飛行機とか空とかたくさん出てくるし、逃避願望っていうか、引っ越し願望みたいなものはあるのかも。

──あの、引っ越し願望以前に、マヒトさんは現在家がないという話を聞きましたが。

あー、東京に来て家賃払えてたの2カ月だけだったんで。この前友達の家に行ったら、雨も風も入ってこなくてすごい安心感があった。

──そうでしょうね。

日本人を見てると圧倒的にみんな家があるんですよね。でも家に住むかどうかを決めるのは自分だと思うんで。今んとこそんなに不幸な感じはしてないです。やっぱずっと外にいると雨とか濡れるし冬は寒いですけど。

──食事はどうしてるんですか?

メシはいろんな人が食わせてくれますね。いずれ恩返ししたいと思ってます。

──衣食住全般大丈夫ですか? 今日も冬なのにだいぶ薄着ですけど。

服は誰かの家に行ったときに「これ俺にめっちゃ似合いそうだね」って言って、もらったりしてます。でも人間ってどんな環境にも対応できるんですよ。昔は四つ足だったのが二足歩行になったりとかしてるし、その速度も本気出せば早められるんじゃないかな。空飛んだりとかもできない話じゃないっていうか。ちょっと時間はかかるかもしれないけど。

“式”に出席したことがない

──普段、音楽をやってないときは何をして過ごしてるんですか?

だいたい散歩してます。知らない建物の屋上に上がったり。鍵かかってて入れないことも多いんですけど。誰か勝手に入れる屋上マップみたいの作ってくれないですかね。

マヒトゥ・ザ・ピーポー(Vo, G)

──そういえばマヒトさんはパスポートも持っていないそうですけど。

あ、そこはなんとかしたいです。USツアーまで1カ月切ってるんでまずいんです。

──今23歳ですよね。学校には行ってたんですか?

そんなにいつも行ってたわけじゃないけど、意外と勉強できるんで大丈夫でした。俺、入学式とか卒業式に1回も出たことないんですよ。節目があんまり好きじゃないから、学校に行っても式には出なかった。遠くのほうから校歌とか聞こえてくる。

──何がそんなに嫌だったんですか?

んー、区切りとか節目とかって自分の中で勝手に作ればいい話だと思ってて。結婚式や葬式も一度も行ったことない。例えば誰かが死んだとしても、その情報を聞かなければその人は自分の中では生き続けるわけだから。俺の大切な人が死んだとしても俺には言わないでほしい。始まりとか終わりはどうでもいいんです。生まれた瞬間のことも死ぬ瞬間のことも覚えてる人はいないし。ただ続いていけばいいんです。

2ndフルアルバム「凸-DECO-」2014年2月5日発売 / 2415円 / ツクモガミ / XQMH-1002
収録曲
  1. 瘡蓋と爆撃機
  2. 共振
  3. 八月のメフィストと
  4. MAN 麻疹
  5. ストリップチーズ
  6. ぴかりのヒビ
  7. あぶら無知の涙
  8. 癲癇する大脳たち
  9. となりのベジタリアン
  10. 蒼白のとおく
  11. 2013年12月・九十九里浜にて(bonus track)
ライブ情報
下山(GEZAN)2nd Full Album『凸-DECO-』レコ発ツアー 初日
  • 2014年2月11日(火・祝)
    OPEN 17:30 / START 18:00
    東京都 下北沢GARDEN
    <出演者>
    下山(GEZAN) / NATSUMEN / 漁港
    ゲスト:下津光史(踊ってばかりの国)
下山(GEZAN)2nd Full Album『凸-DECO-』レコ発ツアー 東名阪ワンマンライブ
  • 2014年3月30日(日)大阪府 CONPASS
  • 2014年4月3日(木)愛知県 APOLLO BASE
  • 2014年4月5日(土)東京都 新代田FEVER
下山(GEZAN)(げざん)

2009年大阪にて結成。マヒトゥ・ザ・ピーポー(Vo, G)、イーグル・タカ(G)、カルロス・尾崎・サンタナ(B)、シャーク・安江(Dr)からなる4人組バンド。轟音のバンドアンサンブルと叙情的な詞世界、マヒトゥ・ザ・ピーポーを中心としたカリスマ的なライブパフォーマンスで支持を集める。2012年3月に1stフルアルバム「かつて うた といわれたそれ」をリリースし、同年の「FUJI ROCK FESTIVAL」ROOKIE A GO-GOに出演する。その後東京に拠点を移し、都内にて16カ所16日連続ライブ「侵蝕の赤い十六日」を実施。2013年8月に「8月のメフィストと」を、踊ってばかりの国とのスプリットシングルとしてリリースした。2014年2月には2ndフルアルバム「凸-DECO-」を発表し、「SXSW」出演を含むアメリカツアーを敢行する。