はい、チーズ 笑顔で
──要人さんはいかがですか?
吉澤 僕はやっぱり、2番のサビ前の「はい、チーズ 撮られた」。和人さんなんですけど。
一同 ああー。
吉澤 「本当に撮られた?」とリアルに思ってしまうような言い方で、聴いていてドキッとします。
杢代 ここはけっこうパターンを録りました。カッコいい楽曲だけど、そこでカッコつけるのは想像がつくから、逆にカッコつけすぎない感じでやってみようとスタッフさんと話し合って。
大倉 ありのままで、みたいなね。
杢代 そう。素に近い感じでやってみようかと。この「撮られた」のところは語りかけに近いから地声に戻るんですけど、暗くしすぎなかったテイクが使われたので、2サビにスムーズにつながるようになってます。いろんなテイクを録っておいてよかったなと思いました。
──和人さんの「はい、チーズ」が要所要所で入ってくるのが、楽曲のアクセントになっていますよね。
杢代 ここ、意外と早口で難しいんですよ。「撮られて」「撮られた」とか、ら行の連続もあったりで発音を意識しないといけなくて。ボイストレーナーの先生にもアドバイスいただきました。「話すように歌うことを意識しよう」って。
──「撮られて」「撮られた」「笑顔で」と、それぞれのパートで歌声のニュアンスが変化していくのも、解釈の余地があるなと感じました。
長野 確かに。
杢代 そうですね。最後の「はい、チーズ 笑顔で」に関しては、“無理に作った笑顔”みたいなニュアンスかなと思います。これは僕の解釈ですが、「はい、チーズ 笑顔で」って、普通は聴けば楽しく笑顔になれるフレーズだと思うんですけど、僕らみたいな職業の人からすると、笑えないような気持ちのときでも笑わないといけないという言葉でもあって。
大倉 いやいや、そうね。
杢代 そういう意味もちょっと込めつつ歌いました。
キメを確実にキメる男
小泉 次、僕の好きなところ言っていいですか? 要人の「はい、ポーズ」です。
小泉・長野 (吉澤のマネをしながら)はい、ポーズ!
吉澤 絶対嘘じゃん(笑)。
小泉 いや、やっぱりここが。要人の声のよさが生きたキメポイントかなと思います。キメを確実にキメる男。「キメの要人」と呼ばれていますから。
吉澤 ここ、実は20テイク以上録ったんですよ。
桜木 20テイクも録ったの?
大倉 盛った?
吉澤 いや、本当に(笑)。僕のいつも通りの低音で、どちらかというとカッコいい雰囲気のテイクを何回も重ねたあとに「ちょっとかわいげのあるテイクを録ってみよう」となったんですけど、そこから次は「その間を狙いたいな」ということになって。
杢代 難しいな。
吉澤 カッコいいとかわいいの中間を狙って録っていく中で、奇跡の1本があって。曲に使われているのはそのテイクなんです。本当に奇跡の1本だったので、そのあとに再現しようと思ってもできなかったんですよ。
大倉・杢代 じゃあライブどうするんだよ!(笑)
吉澤 ライブは……超えていきます。
一同 おお~。
小泉 なんだか先行き不安ですけどね。
吉澤 さっき「キメの要人」って言ってくれたのに!(笑)
一同 あはははは!
大倉 僕はそんな光咲さんのパートである「笑える日が来ますように」の歌い方が好きです。すごく耳に残るんですよ。
小泉 ここは、気持ち的にはもう少し語尾を伸ばしたかったんです。だけど、スッと消えたほうが凌大の「Ah」にきれいにつながると思ったから、次のパートにつなげるような歌い方を意識していました。
とにかくフォーメーション
──歌唱に関しては、川谷さんも「みんな声が良い。早くライブで聴きたいです」というコメントを発表されていましたね。
大倉 え、「声がいい」って言ってくださったの?
長野 「7人全員声がいい」って。急に自信が湧いてくるよね。
杢代 だって、これからは「川谷さんに声がいいって言っていただいた」って胸張れるもん。
武藤 (小さくガッツポーズをしながら)ヨシッ。
長野 (誇らしげに)「あなたは川谷さんに『声がいい』って言ってもらってないでしょう? 私は言われました」ってね。
大倉 あ、凌大は“マウント系”でいくのね。
杢代 俺は自分の中で自信にしようと思ってた。「川谷さんに褒めてもらえたから、これからもがんばろう」って。
小泉 僕もそっち側かなー。
大倉 俺もー。例えば声を褒められたときに「いやあ、川谷さんにも褒めてもらったんですよ、ありがとうございます」って返すとかね。
吉澤 自分の中の話だよな。
長野 ……意見変えないけどな! 俺は俺!
一同 あはははは!
大倉 お前カッコいいわ(笑)。
──この曲のコレオはもう完成しているのでしょうか?
大倉 してます! 「パラノイドランデブー」、フォーメーションがすごいよね。
小泉 すごく複雑です。
大倉 コレオを作ってくれた方が「遊戯的反逆ノススメ」でもお世話になったSoraさんで。Soraさんに「振付、カマしてますね」と言ったら「もちろんカマしますよ!」と言ってました(笑)。
小泉 注目ポイントは、やっぱりシャッターポーズじゃない?
大倉 シャッター音の「カシャ」をいろんな振りで表現しているので、そこは見ていただきたいです。
長野 全部で3種類かな。
大倉 あとはもう、とにかくフォーメーション。フォーメーションがヤバい。
吉澤 構成がすごく多いんで、すごく絵替わりするパフォーマンスになると思います。
杢代 本当に目まぐるしい。
吉澤 目まぐるしいので、見飽きずあっという間に1曲終わっちゃうくらいの見応えがあると思います。
醸し出す色気
──2曲目の「ビネットネット」は笹川真生さんが初めてゲンジブに提供した楽曲です。
桜木 あの「ビネットネット」、僕いっちばん好きなんです。ゲンジブの曲の中で。
大倉 キタ!
桜木 めちゃくちゃ刺さってます。なんというか……最近ちょっと色気を意識し始めてるんですよ、自分自身が。
杢代 なんで半笑いなんだよ(笑)。
桜木 いや、本当で。「色気を意識していこう」と思っていたところにこの曲をいただいて、「色気すごい!」とグッときてしまって。しかもこの曲の色気って、上品な色気というか。なんて言うんだろう、狙っているわけじゃない……。
──醸すような?
桜木 そう! 醸し出す色気。そういうものを感じたんです。なので、すごく好きです。
──「パラノイドランデブー」も「ビネットネット」も、セクシーさがありますよね。
杢代 確かに大人っぽいです。
大倉 それで言うと、この曲の終わり方が僕は好きです。凌大とオクターブ下の要人の「ア・イ・シ・テ・ル!」の歌い方!
吉澤 ここの凌大、めちゃくちゃカマしてるんだよ。
大倉 あえてリズムもメロディも崩した歌い方で語尾を処理して終わるっていう。その大胆さがめっちゃ好きで。
吉澤 僕も好きなところ言っていいですか? Dメロで和人が歌う「その声で。逝って」なんですけど……。
桜木 (食い気味に)そうなのよ、そこの色気が!
小泉 雅哉が喜んでる。
吉澤 和人のはかなげな、でもセクシーな声がこのパートの雰囲気にマッチしてるなと思って。耳に残るし、すごくインパクトがあるフレーズだと思います。
大倉 (情感たっぷりに)いってぇ……!
武藤 痛い? どこかぶつけた?(笑)
杢代 あと楽しみなところで言うと、この曲は間奏。
長野 間奏ね! 間奏エグいよね。
杢代 ライブでどんな感じになるのかがね。
吉澤 めっちゃ踊る予感。
杢代 楽しみポイントでもあり、推しポイントです。
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思い切り振り切って