音楽ナタリー Power Push - flumpool

見どころ解説で振り返る ルーツ回帰の凱旋ライブ

人生を物語ってる感じ

──DISC 2には2日間のドキュメント映像と、初日のライブのダイジェストが収録されています。初日で印象的なのが、先ほどお話に出たストリートステージでのシーン。突然大雨が降り出したんですよね。

山村 はい。それまでずっと晴れてましたからね。こんなこともあるんだなって。楽器もほとんどツブれましたから。

阪井 俺、あのあとギター修理出したもん。

尼川 俺は意外と乾いたら戻ったけどね。なんなら音よくなったし。濡らしてみるもんだなって思った(笑)。

小倉 俺も翌日乾いたら鳴ってた(笑)。あのパートは電子ドラムだったんで回線をやられたんですけど。

山村 必死で準備してきたものを雨でガシャンと一気に崩された気持ちもあったんで、悔しかったですよね。きっとお客さんも同じ気持ちだったと思うし。

──でもそのことが2日間のライブをよりドラマチックなものにした印象もあって。

山村 そのへんもね、楽しい思い出とともにツラい思い出も詰まっている故郷でやったライブっぽいなって思いましたね。ひいては人生を物語ってる感じもしたし。生きていればすべてがうまくいくわけじゃないけど、それでも後ろ向きにならないで歩いて行くことが大事なんだなって。結果的に次のパートでは晴れてくれたし、雨が降ったことでステージ上に花が咲く演出もより効果的になった気がしましたね。

──ドキュメンタリー映像では、ライブ前の緊張する姿が映し出されていました。

ライブ前に気合いを入れるflumpool。(撮影:渡邉一生)

小倉 いつもライブの度に緊張はしますけど、あの日は特に緊張しましたね。なんでなのかな?

山村 凱旋ライブっていう部分でのプレッシャーは確実にあったよね。もちろんホームと言える場所だから安心感もあるんだけど、だからこそ負けられないっていうか。アウェイで負ける悔しさとはまったく違うじゃないですか。

阪井 恥をかけないっていうね。

──“阪井軍団”なる地元の友達もたくさん駆け付けてくれていたようですし。

阪井 そうですね。まあでもあいつらに対してはビビらすだけだったんで。カッコいい俺を見せつけて。ライブ終わったあとに会いに行きましたけど、そうとうビビってたと思いますよ。

山村 でもライブには30人来てたのに、打ち上げは15人しか来なかったみたいですけどね(笑)。

阪井 半分帰っちゃいましたね。ビビらせすぎたかな。

「今回のドキュメント映像、今までで一番いいよ」

──ではDISC 2に関しても見どころを聞かせていただければ。

びしょ濡れになりながら演奏するflumpool。(撮影:ほりたよしか)

山村 やっぱり初日の雨のシーンが入ったことで、ものすごいドラマを感じてもらえると思うんですよ。がんばって作ってきたものをへし折られたから。でも、それも含めて勇気をもらえる内容になっている気がするんですよ。それを映像作品として残せたのはすごくよかったと思います。

小倉 あとなんだろうな。見どころかあ……。

──小倉さんは会場内のフードコートからうどんを出前してもらって食べてましたよね。ああいう素の表情も観ていて楽しかったです。

小倉 ああ、注文しましたね。フードコート見てたら食いたいなあと思ったんで。っていうかそんな映像入ってました?

──ボーナスムービーとして収録されてました(※取材の段階ではメンバーはボーナスムービーのみ観ていない状態だった)。

尼川 え、じゃあ俺の三重跳びは?

──縄跳びですよね。それも収録されてます。

三重跳びをする尼川元気(B)。(撮影:ほりたよしか)

尼川 よし! あの時期、すげえ縄跳びにハマってたんですよ。じゃ俺の見どころはもうそれで!

──山村さんはリハのときに公園内をジョギングされてましたよね。尼川さんの縄跳びも含め、皆さんアクティブだなあと思って見てましたけど。

阪井 山村のは映像用だな。カメラついてきてるの知ってて、いいカッコしようとしたんじゃない?

山村 違うわ! ちゃんと走りましたから。

──あははは(笑)。阪井さんの印象に残ってるシーンは?

阪井 えー、俺全然覚えてないな。今度ちゃんと観ときます。リリースされたタイミングで(笑)。

小倉 今回のドキュメント映像、今までで一番いいよ。みんな絶対観たほうがいい。

──今年頭にサプライズで行われた成人式でのライブシーンから始まるのも、夏に向けたストーリーを感じられていいですしね。

尼川 確かに。でもその成人式に出てた隆太の教え子たちが、ライブ当日は3人しか来なかったけどね。

山村 もういいだろ!(笑) いやでもほんとに初の野外ライブはすごく大きな経験になったので、今後も楽しみにしていてほしいですね。年末には初の単独カウントダウンライブもありますし。今年が終わってしまう寂しさと、来年への期待感をみんなで一体となって感じられる内容にしたいと思っているので、ぜひ遊びに来てほしいですね。

flumpool COUNTDOWN LIVE 2015→2016
「ヒツジの皮を被ったサルたちの歌合戦」
未の忘年会2015年12月30日(水)神奈川県 横浜アリーナ
OPEN 16:00 / START 17:00 / END 20:00(予定)
申の新年会2015年12月31日(木)神奈川県 横浜アリーナ
OPEN 20:00 / START 21:30 / END 24:30(予定)
ライブDVD / Blu-ray「flumpool 真夏の野外★LIVE 2015『FOR ROOTS』~オオサカ・フィールズ・フォーエバー~ at OSAKA OIZUMI RYOKUCHI」 / 2015年11月18日発売 / A-Sketch
[Blu-ray Disc 2枚組] 6900円 / AZXS-1013
[DVD2枚組] 5900円 / AZBS-1033
[Blu-ray Disc 2枚組] 6900円 / AZXS-1013
DISC 1収録内容
  1. 夏Dive
  2. Quville
  3. 星に願いを
  4. 微熱リフレイン
  5. 歓喜のフィドル
  6. 夏よ止めないで ~You’re Romantic~
  7. Calling
  8. 花になれ
  9. 大切なものは君以外に見当たらなくて
  10. two of us
  11. キミがいたから
  12. とある始まりの情景 ~Bookstore on the hill ~
  13. reboot ~あきらめない詩~
  14. ビリーバーズ・ハイ
  15. prechchor
  16. 君に届け
  17. イイじゃない?
  18. 大好きだった(アンコール)
  19. Hydrangea(アンコール)
DISC 2収録内容
  • 「FOR ROOTS」Documentary + 2015.8.8〔Day of Green〕Live Digest
  • Bonus Movie
ニューシングル「夜は眠れるかい?」 / 2016年2月3日発売予定 / A-Sketch
初回限定盤[CD+DVD] 1836円 / AZZS-41
初回限定盤[CD+DVD] 1836円 / AZZS-41
通常盤[CD] 1296円 / A-Sketch / AZCS-2060
初回限定盤 CD収録曲
  1. 夜は眠れるかい?
  2. 君が笑えば ~Just like happiness~
  3. MOMENT
初回限定盤 DVD収録内容
  • 「flumpool LIMITED TOUR 2015『R→LOOF PLAN ~大人の屋根裏計画~』」Zepp DiverCity TOKYO公演の模様のスペシャルセレクション
通常盤 CD収録曲
  1. 夜は眠れるかい?
  2. 君が笑えば ~Just like happiness~
  3. MOMENT
  4. 夜は眠れるかい? (Instrumental)
  5. 君が笑えば ~Just like happiness~(Instrumental)
flumpool(フランプール)

flumpool

山村隆太(Vo)、阪井一生(G)、尼川元気(B)、小倉誠司(Dr)の4人。2008年10月にメジャーデビュー作となるダウンロードシングル「花になれ」を発表し、10日間で100万ダウンロードを記録した。2009年にはシングル「星に願いを」のヒットで注目を集め、10月には初の日本武道館公演、年末には「NHK紅白歌合戦」への初出場を果たした。2010年12月に4日間にわたるアリーナライブも大成功に収め、2011年9月に「第78回NHK全国学校音楽コンクール」中学校の部課題曲に起用された「証」をシングルとしてリリースし、3年連続で「NHK紅白歌合戦」に出演。デビュー5周年を迎えた2013年10月には日本武道館で2日間にわたりスペシャルライブを行った。2014年4月からはアリーナ公演を含む10万人を動員する全国ツアー「5th Anniversary tour 2014『MOMENT』」を開催。5月に初のベストアルバム「The Best 2008-2014『MONUMENT』」をリリースした。2015年8月にバンド初の単独野外公演を故郷大阪・大泉緑地で開催し、同ライブの模様を収めた映像作品を11月に発表。12月30、31日には神奈川・横浜アリーナでの初の単独カウントダウンライブを開催する。また映画およびテレビシリーズアニメ「亜人」主題歌「夜は眠れるかい?」を含むシングルのリリースが2016年2月に決定している。