Ettoneインタビュー|7人にとっての“LOOSE POPS”と“クリエイティブ”とは? (2/2)

浮かんだ言葉は「ノスタルジー」

──新曲「トワイライト」についても聞かせてください。今回はanriさんとshionさんが作詞を担当していますが、YAMORIさんとALYSAさんが作ったトラックを最初に聴いたとき、どんな印象を持ちましたか?

anri まず浮かんだ言葉は「ノスタルジー」でした。でも、単に懐かしいだけでは終わらない感覚もあって。私たちは現役大学生で、社会人になる一歩手前の時期にいるからこそ、大人になることへの息苦しさをリアルに感じる部分もあると思うんです。もっと小さい頃は世界が今よりずっとカラフルに見えていたな、と。だからこそ、大人になっても、ふと子供の頃の視界や気持ちを取り戻せるような、小さなエールになったらいいなと思って、自分たちが本当に感じていたことをそのまま歌詞に落とし込んでいきました。

──YAMORIさんとのやりとりの中で、特に印象に残っていることはなんですか?

anri YAMORIさんは世界的なヒューマンビートシンガーですが、もともと塾講師をされていたそうで。その感じがディスカッション中にもすごく出ていたんです。本当に塾の授業みたいで。

shion 「これはなんで?」「どういうこと?」みたいにね(笑)。

anri そうそう(笑)。でも、そうしたディスカッションがあったおかげで新しい視点をたくさんもらえましたし、自分が塾に通っていた頃を思い出しました。YAMORIさんが普段どうやって曲や歌詞を作っているのかも知ることができましたね。

anri

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──それは、例えば?

anri 歌詞が1人称の視点なのか、それとも“誰かに呼びかける”視点なのか。その視点が曲の中でどう移り変わっていくのか、といった細かいところまで、図も使いながら一緒に整理してくださって。私たちにとってもすごく学びの多いディスカッションでした。

shion 私は、曲中の主人公の気持ちの変化やストーリーの軸を立てて、わかりやすくアドバイスしてくださったのがとても印象に残ってます。ストーリー性があることで物語の風景などが浮かびやすくなったので、そのアイデアをいただけてとてもありがたかったです。YAMORIさんとのディスカッションのあとから、自分で歌詞を書くときもまず物語の情景を思い浮かべて歌詞を書くようになりました。

聴くときも歌うときも自然体でいられる

──ほかのメンバーの皆さんは、上がってきたデモを聴いてどう思いましたか?

pia まず、日本っぽいサウンド感だなと思いました。メロディに「5時のチャイム」を忍ばせているのもそうですし、全体のメロディも海外ではあまり聴かないタイプだなと。オーストラリアで生まれ育った私にとっては、自分が実際には生きていなかった“日本の青春時代”のようなものを想像しながら聴ける曲でもあって。テレビやドラマ、親戚の話を通じて思い描いていた景色を追体験するような気持ちになりました。

koyuki 最初に「YAMORIさんとご一緒する」と聞いたときは、ガールグループとヒューマンビートシンガーが組み合わさったらどうなるんだろうと、正直あまり想像がつかなかったんです。でも実際に聴いてみたら、口笛から始まるのがまず新鮮で、すごく驚きました。歌詞にはシール交換や秘密基地、ダンボールみたいに、自分の子供時代を思い出させるものがたくさんちりばめられていて。キラキラしていた幼少期の感覚がよみがえったというか。大人になった今だからこそワクワクするし、でももう戻れないから少し切なくもある。そんな温かさと切なさが同居している、今までのEttoneとはまた違うタイプの曲だなと思いました。

mirano まず、前作「東京劇場」からガラッと変わったなと思いました。anriとshionが描いたムードボードは見ていたんですけど、完成したデモを初めて聴いたときは、YAMORIさんの声からすごく“エモさ”を感じたんです。「東京劇場」がジャジーで低めのトーンを重ねた曲だったのに対して、「トワイライト」は本当に優しくて透き通っている。夕暮れ時の景色が一番キラキラして見える時間の感じが、歌詞やハーモニーの構成からも伝わってきて、実際に自分たちで歌うのがすごく楽しみになりました。

yuzuki 歌詞に出てくることも、周りに社会人の友達が多い今だからこそ、「こんな時期あったな」とリアルに思い出せて。「ガクチカ」みたいな言葉が入っているのも、自分自身の就活の記憶と重なりました。だからこそこの曲は、忘れたくない記憶をふっと呼び起こしてくれるような、温かいけれど切ない曲だなと感じました。

chiharu YAMORIさんの声でデモが入っていたことも大きかったですし、その後ろで鳴っているビートボックスの音が本当に新鮮で。どこまでが人の声で、どこからが音なのかわからなくなるような感覚があって、新しいのにすごく自然になじんでいるのが印象的でした。実際に歌ってみると、考えすぎずにスッと入っていける曲でもあって。聴くときも歌うときも自然体でいられるところが、この曲の魅力だと思います。

自分たちはカッコいいことをやれているんだな

──Ettoneがデビューしてから7カ月が経ちました。ファンの皆さんや聴いてくれた人たちの反応から、どんな手応えを感じていますか?

shion 私は学校に通っているので、ネットの声というより、周りの人たちのリアルな反応を感じることが多いんです。「曲聴いたよ」「めっちゃいいね」「カッコいいね」と言ってくれる友達がすごく増えて、それがとてもうれしい。もちろんネットでも、「こういう曲をやっているガールズグループは見たことがない」「新しい」と言っていただけることがあって、そういう言葉をもらうと、自分たちはすごくカッコいいことをやれているんだなと改めて実感します。

anri 音楽をやっている友達や、アーティスト活動をしている知り合いからいい反応をもらうことも多くて、ちゃんと“曲”として届いているんだなと感じます。見た目から入るというより、まず音楽やクリエイティブの部分で好きになってくださる方が多い印象があって、とてもうれしいです。

koyuki 私は、「誰なのか知らずに聴いていて、あとからEttoneだったと知った」と言ってもらえたことがすごく印象に残っています。先入観なしに「これ、すごくいいね」と思ってもらえたことが、ちゃんと音で届いた感じがして、とてもうれしかったです。曲がカラオケに入ったときは、親戚から「入ってるよ!」と連絡が来て(笑)。少しずつEttoneの音楽を知ってもらえているんだなと実感しました。

koyuki

koyuki

mirano 今までにリリースした曲それぞれに込めたこだわりを、ちゃんと受け取っていただけている実感があります。特に「東京劇場」を出したときには、「こんな表現もできるんだ」と驚いてもらえたのがうれしかったです。新しい曲を出すたびに、「Ettoneってこんな一面もあるんだ」と感じてもらえるように、これからも自分たちらしさを更新し続けていきたいです。

──これからさらに挑戦してみたいことや、今後の展望、抱負をそれぞれ聞かせてください。

shion 近い目標としては、私たちはクリエイティブグループなので、全員でサウンドから歌詞、映像まで、ゼロから作品を作り上げて形として残すことです。実際に少しずつ動き始めてもいるので、みんなで楽しみながら話し合って、早く皆さんに作品を届けられるようにがんばりたいです。あと、私はKIRINJIさんが大好きなので、いつかご一緒に楽曲制作ができたらうれしいです。

chiharu 私は、映像作品の主題歌をEttoneで担当してみたいです。ドラマやアニメって、一番いいところで音楽が流れるじゃないですか。そういうふうに、映像にEttoneの音楽が重なって、世界観が立ち上がる瞬間を見てみたいです。

koyuki 私は、それぞれが個々でもしっかり戦えるくらい、自分の得意なクリエイティブをもっと磨いていきたいです。それぞれが磨き上げたものを持って集まった集団って、すごく強いと思うので。今年は自分自身もそうですし、みんなと切磋琢磨しながら、もっと力を付けていきたいです。それから、いつかクリープハイプさんとコラボしたいです。

yuzuki 私は本当にライブが好きなので、曲を書くときも、どこかでライブの景色を想像しながら作っているところがあります。私は札幌出身なので札幌ドームに立ちたいですし、それぞれが生まれた場所で歌う景色もすごく思い描いています。いつの日か、みんながそれぞれ挑戦してきたクリエイティブをライブで披露したり、ライブそのものをもっとクリエイティブに作り上げたりしてみたいです。

yuzuki

yuzuki

pia 私は昔からファッションが大好きで、今でもファッションショーをよくチェックしているんですけど、日本のファッションやデザイナーには世界に誇れる魅力があると思っています。だからこそ、音楽とファッションを結び付けながら、日本の文化やアートを世界に発信していける存在になりたいです。

mirano 私は先月19歳になって、来年20歳になります。ラストティーンの今だからこそ作れるクリエイティブがあると思っていて。この10代という時間をちゃんと噛み締めながら、今しか残せないものを音楽や作品として形にしていきたいです。

anri Ettoneって、それぞれが感じたことをアウトプットする力に長けているグループだと思うんです。だからこそ、物語にどうアプローチするかというクリエイティブにもすごく向いていると思っています。私は映画音楽がすごく好きですし、お芝居の稽古もずっと続けているので、夢のまた夢ですけど、自分が出演している映画の主題歌をEttoneで担当できたらうれしいです。

Ettone

Ettone

プロフィール

Ettone(エトネ)

anri、chiharu、pia、koyuki、mirano、shion、yuzukiの7人からなるクリエイティブガールグループ。aespa、LE SSERAFIM、NiziU、MISAMOなど、国内外のトップアーティストのヒット曲を多数手がけてきたALYSAがLabel Head / Executive Producerを務めるクリエイティブレーベルO21から生まれ、「自分らしくありたい」という感情に寄り添う“LOOSE POPS”をジャンルとして掲げている。2025年9月に1stシングル「U+U」でデビュー。2026年2月に2nd配信シングル「東京劇場」を、4月に3rd配信シングル「トワイライト」をリリースした。