「ディズニーファン読者が選んだ ディズニー ベスト・オブ・ベスト」発売記念特集 NAOTO×ホリエアツシ×majiko|“よくできすぎ”なディズニー音楽の魅力

「アナ雪2」劇中歌をストレイテナーで

──アルバム収録曲の中で、それぞれが歌ってみたい曲や演奏してみたい曲はありますか?

majiko 「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」ですね。「アナと雪の女王2」の劇中歌なんですけど、映画も面白かったし、松たか子さんが歌っているバージョンを自分でも歌ってみたくて。あと、この曲はホリエさんにストレイテナーとしてカバーしてほしいんです。Panic! At The Discoさんのバージョンもすごくカッコいいんですよ。

ホリエアツシ

ホリエ 「アナと雪の女王2」(英語版)のエンドロールで流れるバージョンだよね?

majiko そうです。劇中歌とは全然印象が違って。ホリエさんはバンドでディズニーの曲をカバーしようと思ったことはないんですか?

ホリエ あるよ。今回のアルバムにも入っている「アラジン」の「ホール・ニュー・ワールド」は、ギターでコードを拾ったことがあるんだけど、転調が難しくて(笑)。

NAOTO ディズニーの曲はだいたい大サビが2回ぐらいあるし、転調も激しいんだよね。

ホリエ だからバンドでカバーするのは難しいなと思ったんだけど、カバーするなら「ホール・ニュー・ワールド」をやりたいかな。

NAOTO 僕はけっこう演奏した経験があるものが多いから、また新しくこの3人でディズニーの曲を演奏してみたいですね。ホリエさんもmajikoさんも音域が広いから、デュエットものじゃなくてもいいと思うんですよ。例えば「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」とかでも。

majiko 「アナと雪の女王」の「雪だるまつくろう」はどうですか?

ホリエ いいね。もうそこまでくるとミュージカルのようだけどね(笑)。ライブなのに急に演劇調になるみたいな。

ディズニー作品にハッとさせられる瞬間

──皆さんいろんなディズニー作品に触れてきたと思うんですが、一番好きなディズニー作品を挙げるとしたらなんでしょうか?

左からmajiko、ホリエアツシ。

majiko ずっと考えていたんですけど、一番を決めるのは難しいですね。実写だったり、アニメーションだったり、CGアニメーションだったり、いろんなタイプの作品があるからそれぞれのフェイバリットなら……。

NAOTO ホリエさんもmajikoさんもかなりディズニー作品に触れてそうだね。

majiko もう子供の頃から何回も何回も観てますから。CGアニメーションならやっぱり「トイ・ストーリー」が不動のトップですね。「1」から「4」まで全部素晴らしい。

ホリエ 「トイ・ストーリー4」、よかったよね?

majiko 私は好きでしたね。泣いちゃったし。ホリエさんが一番好きなディズニー作品はなんですか?

ホリエ 一番というわけじゃないかもしれないけど、ここ数年観た中で特に感心したのが「シンデレラ」の実写版(2015年公開の映画)ですね。「シンデレラ」はおとぎ話というか、童話のようなイメージが強いと思うんですよ。僕も実写映画を観る前は「我慢して耐えたその先に幸せが待っている」みたいなものだとざっくり思っていたんですけど、実写版では「勇気と優しさ」というテーマにフォーカスしているんですよね。その2つがあれば、どんな境遇でも幸せになれるというか。そこにすごく感動して。映画を観て、自分が「シンデレラ」をすごく浅く捉えていたなということに気付いたんですよ。

majiko 私はディズニーで家族愛とか友愛、恋愛を学んできたと思うんです。ディズニー作品にずっと触れていて感じるのは、時代と共に扱うテーマが変わってきたこと。女性が主人公の物語だとしても、少し前の時代だったら王子様と一緒になることがハッピーエンドの典型だったと思うんですけど、最近の作品ではハッピーエンドの形が変わってきたと思うんですよ。

ホリエ 社会問題がちゃんと描かれているところがディズニーのすごいところだよね。例えばそれは人種問題だったり。作品で明確に名言されていなくても、例えば登場するキャラクターの人種の違いにそれが描かれているように捉えることができるし。物語の主題ではないところにメッセージが隠されていて、ハッとする瞬間ってあるんですよ。

NAOTO

NAOTO 僕は大人になってからディズニー作品に触れるようになったから「思い入れのある作品」みたいなものを挙げるのは難しいんだけど、いろんなディズニーの作品やショーを観てきて、エンタテインメントとして完成されているなと強く思ったのは、東京ディズニーランドや東京ディズニーシーでのパレードやショーですね。あれはもう1つの作品だと思います。

majiko すごくわかります。

NAOTO パレードには起承転結がちゃんとあるし、音楽も相まって観ている人たちをちゃんと感動させるショーとして確立されている。その瞬間が現場で毎回作り上げられていて、僕らは足を運べばその感動を体感できるというのが、すごくよくできてるなと思って。

ホリエ やっぱり東京ディズニーランドと東京ディズニーシーはすごいですよね。エリアごとに音楽が変わったり、どこを切り取っても妥協がないし。

majiko 今年に入ってからまだ遊びに行けていないので、早く行きたいなあ。

教科書のようなアルバム

──最後にアルバムの聴きどころについて、ひと言ずつお願いします。

majiko

majiko このアルバムを聴いたらそれぞれの思い出にあるディズニーの作品のことをすごく鮮明に思い出せると思うんです。「ディズニーのあのシーンだ」とか「あのときに流れてた曲だ」みたいな。1人ディズニーツアーができるアルバムだなって思います。

NAOTO それぞれが経験してきたディズニーの作品によって印象が違うかもね。

majiko それに、当時の自分の状況もそこにプラスされて思い出せるんですよ。あの頃の私はこんなだったな、みたいな。なので“タイムトラベルアルバム”でもあるのかなって。

ホリエ 音楽を入り口に当時の自分を思い出せるってすごくいいことだよね。このアルバムはいい曲しか入っていないから、どっぷり聴き込めると思います。

NAOTO このアルバムのすごいところは、映画もテーマパークもミュージカルもコンサートの音源も全部入っているところだと思うんですよ。要はアルバムを聴いてから、作品を観たり、現場に足を運んだりして、音楽が奏でられる現場を観に行くことができるんです。

ホリエ 確かにそうですね。

NAOTO CDだけで聴いてももちろん素晴らしいです。シンプルに感動できる音楽が入っているのはもちろん、どういう曲の展開を作れば聴き手を感動させられるか?という1つの回答をディズニー音楽は常に表現していると思うんですよ。言うなれば、素晴らしい教科書のような音楽ですね。人を感動させたいときにどういう音を鳴らせばいいのか、その答え合わせができるわけですから、音楽をやっている人たちにもぜひ聴いてもらいたいですね。すごく勉強になると思います。

左からホリエアツシ、majiko、NAOTO。