DearDream|サイコーを超えた大舞台へ!

「ドリフェス!」というプロジェクトはドキュメンタリーに近い

──「ドリフェス!」は2シーズンにわたりアニメも展開されました。アニメらしい突飛な要素も含まれる中で、登場人物たちがアイドルとしてどうあるべきか真摯に向き合う姿も印象的な作品でした。皆さんはアニメの中から学ぶところなどあったのでしょうか。

富田健太郎

富田 僕は、1stシーズンの10話(「夢の旅へ 純哉の決意」)で、純哉と奏がそれぞれ自分自身に対してダメ出ししながら本音を伝え合うシーンがあって。もともと僕たちのお芝居のレッスンでそれと似たようなことをやっていて、それを監督の村野(佑太)さんやシリーズ構成の(加藤)陽一さんにお話したらストーリーの中に採用していただいたんですけど、あのシーンは心に響きましたね。アフレコでも壮馬とはあんまり内容について話し合わず、壮馬がこう来たら俺はこう返そうと、本番で勝負する感じでした。「ドリフェス!」ってストーリー自体も僕らとずっとリンクし続けている感じなんですよ。道は違えど僕らも同じように下積みから始まっていって。だからずっと胸に響いてはいるんですけど、あのシーンは特にグッときましたね。

正木 「ドリフェス!」にはたくさん名言があるんですけど、心にグサッとくるセリフは三神(遙人)さんの言葉が多かった気がします。それは2次元のDearDreamにもたぶん刺さっていますし、3次元の僕らにも言えることで。例えば1stシーズンの最終話で言われた「エールを輝きで返せ」というセリフ。ファンの皆さんにエールをいただいて、その感謝を言葉で返すこともできるんですけど、パフォーマンスで返したいというのは僕自身も強く思っていて。そのパフォーマンスが三神さんの言う「輝き」という言葉なのかなと僕は受け取って、「その通りだな」と思いました。アイドルになったことがゴールではなく、そこからアイドルとしてどうやっていくか考えていかないといけない。三神さんの言葉で、2次元の彼らと一緒に僕も勉強していましたね。

石原 登場人物の関係性と僕らの関係性が似ていたよね。DearDreamがいて、先輩ユニットのACEがいて、レジェンドアイドルの三神さんが所属する三貴子がいて。アフレコ現場では僕らがいて、先輩の(鈴木)達央さんたちがいて、さらに先輩の森川(智之)さんたちがいて。アニメの中でも先輩たちは背中で語ってくれたり直接アドバイスをしてくれますけど、それはアフレコブースでも一緒で。奏に対して言われている言葉が、自分に言われているような感覚もあって、すごく不思議な空間だなと思っていました。

──ライブ会場やSNSなどを見ていても「ドリフェス!」のファンの方は愛がすごく深いなと思うんです。「ドリフェス!」という作品をきっかけに3次元のDearDreamのファンになった方もたくさんいると思いますが、皆さんはDearDreamというグループの魅力はどこにあると考えていますか? 例えばいくら「ドリフェス!」がいい作品だとしても、「3次元のDearDreamの実力が伴っていない」とか「これは私の好きなDearDreamじゃない」と思われたら、これだけ2次元も3次元も愛されるプロジェクトにはなっていなかったと思うんです。

富田 そうですね。よくも悪くも、僕らと純哉たちを一緒に歩ませてもらえたっていうのが一番大きいなと思います。例えば誰か別の声優さんが純哉に声を当てて、ステージだけ僕らがやるとなったら、絶対に大きな差が生まれてしまうと思うんです。僕らは最初から全力でアフレコに挑んでいたけど、やっぱり技術としては拙いし、声優としての演技も下手くそだった。でもアフレコもちょっとずつうまくなっていく中で、同時にストーリーの中での純哉も輝き始めるというリンクする部分があって。「ドリフェス!」というプロジェクト自体がドキュメンタリーに近いところがあったと思います。キャラクター像や脚本の内容を僕らに寄せてもらっていた部分があるので、よりリンクしやすいものにはなっていたんですが、そういうところでファンの人たちが3次元の僕たちにも魅力を感じてくれたのかなと思います。

溝口琢矢

溝口 トミーの言った通りで、キャラクターと僕らの差が極端になかったのが大きいかなと思います。僕らはよく「いつ僕らを知ったとかは関係なく、ライブに遊びにきてください」って言うんですけど、それは今知ってくださった方に対して、明日はさらに成長した僕らを見せられたらという意思表示を込めて言っていた言葉でもあるんです。アニメをやっていたときも2次元の彼らと一緒に僕たちも成長することができたから、どちらを見ても違和感なく好きになってもらえたのかなと思います。

正木 僕はDearDreamというグループを考えたときに、10人のメンバーがいるって思っているんです。例えば千弦を好きな人が僕のことを好きとは限らないですし、僕を好きな人が千弦を好きとは限らない。だからホントに入り口がいっぱいあるんですよね。もともとアニメを好きだった人が2次元のDearDreamから興味を持ってくれたり、俳優さんを好きな人は3次元のDearDreamから好きになってくれたり。そういう間口の広さがDearDreamの魅力なのかなと感じています。

太田 そうだね。あと、この5人があまり素を隠してないというのもあるかも。例えば「全国行脚の旅」で素の僕らを映し出すことによって、賑やかなクラスメイトの男子を見るように、親近感を感じてくださる部分もあったと思います。でもステージに立ったら、僕らもカッコいい部分も見せようという意識もあるので、「普段はバカな感じに見えるけど、あいつのこと気になるんだよね」という感覚で追いかけてくれる方もいるんじゃないかなと思います。

石原 うん。いい意味で作りすぎてないと言うか、2次元にも寄せすぎてないっていうところですよね。キャラクターのいいところも吸収しつつ、逆に僕らの普段の出来事がアニメに反映されることもあって、相乗効果みたいなものが生まれていたんじゃないかなって。あえてキャラクターとして立たないことで、演じてる俺らの素が見えるっていうところもよかったんじゃないかなと思います。

10月20日と21日の武道館は「ドリフェス!」の世界になる

──これまでの活動について振り返っていただきましたが、改めて10月に控えた武道館公演についても聞かせてください。前回のツアーではセットリストや演出も皆さんで考えられていたんですよね。

石原 はい。今回のライブのセットリストもみんなで話し合って決めました。

──アルバムが発売されたばかりですが、きっとこのステージでしか聴けない曲も出てきますよね。

石原 そうですね、なので今までのセトリの話し合いとはまた違いましたね。新曲が増えた分、披露できない曲も出てくる。新曲をやるにしても、どの曲をどこに持ってくるのかっていうのも悩みました。

富田 だから時間はかかりました。やっぱりそれぞれ思いのこもった楽曲があるけど、ライブの時間は限られているので。でも今回決まったセットリストはみんな自信を持っていいと言えるものになったんじゃないかなと思います。

──セトリはKUROFUNEのおふたりとも一緒に考えられて?

溝口 はい。今回は「ドリフェス!」としてのライブなので、セットリストの打ち合わせは絶対7人そろった場所で行いました。そういう意味ではあまりDearDreamとKUROFUNEで区別せず、7人みんなでステージを作り上げていけるように考えていますね。

──ライブのテーマは何になるのでしょうか。

富田 やっぱり「感謝」。感謝が一番ですね。

溝口 あとは「ドリフェス!」だよね。ホントに10月20日と21日の武道館は、「ドリフェス!」の世界になると思います。

DearDream

──どんなステージになるか楽しみです。では最後に「FINAL STAGE」をどんなライブにしていきたいか、お一人ずつメッセージをいただけますか。

正木 武道館でのライブは、個人的に今までで一番クオリティの高いものにしたいなと思っています。新しいアルバムはもちろん、今までの楽曲を聴いていただきながら復習や予習をしてもらえるとうれしいなという気持ちもありつつ、初めて「ドリフェス!」のライブに参加するよという方や、あんまり楽曲を知らないっていう方にもいいライブを届けられるよう、もっともっと腕を磨いて臨んでいきたいと思っています。全力の期待をしていただいてもそれを超えていくぐらいの気持ちでいるので、楽しみにしていただければうれしいです。

太田 ライブって、例えば友達と一緒に行ったら「この曲いいよね」と話したりすることで、余計にそのアーティストが好きになったり、いい思い出になったりしますよね。そういう意味でも武道館ではいろんな影響や感情を与えられるライブにできたらいいなと考えています。「FINAL STAGE」はそれぞれの夢に向かって「よし、明日もがんばろう」と思ってもらえるような、「本当にいいライブだったね」って笑顔で次に向かえるようなステージにしたいです。

富田 ライブは生ものだから、1日目も2日目も全く違うステージになると思います。僕らの根底には絶対に「感謝」っていう思いがあるし、この3年間応援してくれた皆さまを楽しませるために全力を注ぎます。それでもいろいろな思いはあると思いますが、とにかく楽しんで、その瞬間その瞬間で最高を塗り替えていって、終わるころにみんなにとって最高の宝物になるような日にできたらいいなと思います。

溝口 「FINAL STAGE」というタイトルではありますけど、自分の未来のためにもこのステージに全力で臨みたいと思っていますし、それが「ドリフェス!」らしいなとも思います。今はまだリハーサルが始まっていないんですが(取材は9月上旬に行われた)、これまでも短期間で成長してきたメンバーたちなので、さらにひと皮もふた皮もむけたDearDreamとKUROFUNEをここでお見せしたいなと思っています。なので、皆さんは心から楽しむための準備だけをして遊びに来てください。

石原 テーマは「感謝」なので、この3年分の感謝を、最後に武道館という夢に見ていたステージで返していきたいと思います。僕も楽しむつもりでしかいないので、皆さんもただ楽しんでいただけたらなと。あとは最新アルバムをしっかり聴いて、曲を覚えてきていただけたらなお楽しめると思います。10月20日と21日は、サイコーを超えたドリームフェスティバルにします!

ドリフェス! Presents FINAL STAGE at NIPPON BUDOKAN「ALL FOR TOMORROW!!!!!!!」
ドリフェス! Presents FINAL STAGE
at NIPPON BUDOKAN
「ALL FOR TOMORROW!!!!!!!」
  • 2018年10月20日(土) 東京都 日本武道館
  • 2018年10月21日(日) 東京都 日本武道館