chelmicoかLinkin Parkか
──森本さん的には、chelmicoの楽曲にはどんな印象がありますか?
森本 最初に聴いたときから、好きなタイプの曲だなと。
Rachel うれしい!
森本 僕もRIP SLYME好きですし、先輩にラッパーの人とかもいたのでラップにはなじみがあって、スッと入ってきました。
Mamiko chelmicoのライブと誰のライブだけ行ったことあるんだっけ?
森本 Linkin Park。
──極端(笑)。
森本 そこまで音楽にがっつりのめり込んではいなかったんで、音楽に詳しくなったのはここ数年です。それこそ音楽番組のナレーションをやらせてもらったりで、だいぶ興味は広がりました。
Mamiko 森本、高校生のとき、mixi日記に、RADWIMPSの歌詞、載せてた。
森本 言うなよ! しかもなんかカタコトだし(笑)。
Mamiko あと新垣結衣の……。
森本 「heavenly days」。
Mamiko 神曲?
森本 神曲!
──潔い! 新垣結衣の「そら」は名盤ですね。
Rachel あと何が好きだったの?
森本 ELLEGARDENとかBUMP OF CHICKENとか。最近はSpotifyでいろいろ聴いてますね。
──ではchelmico側から見たトンツカタンというか、森本さんはどんな魅力がありますか?
Mamiko 本当にトンツカタンのコントは面白くて大好き。奇妙な設定とかも多いし。
Rachel 「そういうことなんだ!」って最後に伏線が回収されたり、ビックリするよね。
Mamiko でも、取っ付きにくくはないから、そのフレンドリーさはスゴいなって。森本は森本にしかできないツッコミをするし、菅原(好謙)さんと櫻田(佑)さんに合ったキャラクターをコントでちゃんと造形できるのがすごい。
森本 なんか……ありがとう。
Rachel あの辛口評論家がついに褒めた(笑)。
あれ、レコーディングしないの?
──今回のアルバム「Fishing」の話に移ると、森本さんは「BEER BEAR」にナレーションで参加されましたね。
Rachel 「BEER BEAR」っていう架空のアニメーションのオープニング曲を作るってテーマで作り始めて、そのときにモチーフになったのが「パワーパフガールズ」みたいなカートゥンアニメだったんですよ。
──ハンナ・バーベラみたいな、アメリカのアニメというか。
Rachel だけどそれをいきなり始めちゃうと、その設定がわかりづらいから「昔々あるところに『BEER BEAR』というクマがいました」みたいな英語のナレーションを頭に付けようと。それで、私たちの書いた台本を訳して、英語でナレーションできて、声もいいのは……森本だ!と。
森本 でもあのナレーション、「仮にこんな感じ?」ってカラオケ屋で録ったものを送ったら「よかった、ありがとう」ぐらいのレスポンスで、ちゃんとしたレコーディングはいつするのかなと思ってたら、いきなり「『Fishing』8月21日に発売です!」って連絡があって、あれ、レコーディングしないの?って(笑)。
Mamiko ごめんねー。
Rachel でもあの音質が、ちょうどテレビから聞こえてくる感じで、味があってよかったの。あと、今お腹鳴りそうだからおっきい声でしゃべっといて!
森本 後半関係なくない?
──文字インタビューだから聞こえないし。
森本 (大声で)だから次はちゃんとレコーディングしたいですね!
──優しいなー。
Mamiko でも、ホントにいいナレーションだった。声がいいし、抑揚のつけ方も素晴らしくて。さすが演技一筋だなって。
森本 芸人だわ(笑)。
「こういうこともできるんだ」
──森本さん的にアルバムを聴かれての印象は?
Rachel 好きな曲あった?
森本 もちろん。「Balloon」「EXIT」「仲直り村」「ひみつ」「switch」……もう全部好きであります。
Rachel 好きであります! ケロケロ!
森本 「ケロロ軍曹」として言ったわけじゃないんですけどね。前作の「POWER」とはまた別の一面がふんだんに魅力として発信されていて、とてもいい作品ですよね。「こういうこともできるんだ」「こういう曲調もこんな歌いこなすんだ」っていう驚きの連続だったし、やっぱりラップがうまいですね。
Mamiko ちゃんと聴いてくれるんだね。
Rachel ホント。資料も読まずにタイトルがパッと出てくるって、いっぱい聴いてくれてるんだね。
森本 めちゃくちゃ聴いてます。
──ではchelmicoとしての感触は?
Mamiko 素晴らしいアルバムになりましたね。
Rachel 自信満々。
森本 本人たちの感想、薄っ!(笑) 聴いてくれればわかるから、多くは語らないってこと?
Rachel そういうことです。
森本 インタビューの意味ないじゃん(笑)。
Rachel ちゃんとしゃべると、森本が言ってくれた通り、どの曲でも1つか2つかは今までやってなかったことを入れてて。そこに気付く人は気付くし、気付かない人も今までのchelmicoの感じがあるなって思ってくれたらいいなって。
Mamiko 実はインディーズの1stアルバム「chelmico」に近いアルバムだよね。昔から知ってる人は、その頃のchelmicoが戻ってきたなって思うかも。
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気持ちよさの正体がわかってきた