buGG|ライブを愛する“自由奔放系アイドル” 苦難の日々を乗り越えて歌うメッセージソング

7人組アイドルグループ・buGGが2ndシングル「My Fight Song」をリリースした。

buGGはパンクサウンドを中心とした楽曲と熱いパフォーマンスを武器に活動している“予測不可能な自由奔放系アイドル”。2017年9月にPPP! PiXiONとTOKYO5の混合ユニットTOKYO PiXiONとして結成され、2018年10月に現在のグループ名での活動をスタートさせた。コンセプト通りの自由奔放なライブパフォーマンスを武器に精力的な活動を展開し、2ndシングルの表題曲「My Fight Song」では夢に向かって強く生きるアイドルの青春を歌っている彼女たちだが、ここに至るまでは苦労も多かったという。音楽ナタリーではメンバー7人にインタビューし、今日までの日々を振り返ってもらいつつ、現在のbuGGの魅力や新曲の聴きどころについて話を聞いた。

取材・文 / 真貝聡撮影 / 宇佐美亮

改名前は本当にギリギリだった

──音楽ナタリーの特集初登場ということで、初見の読者にもわかるようにbuGGの魅力を紹介していけたらと思います。まず、グループ名の由来はなんなんですか?

清水凜 スーパーバグ(超多剤耐性菌)という絶対に死なない菌がありまして、それが由来になっています。でも、最近は「頭がバグってる」という意味に捉えている人が多いんですよ!(笑)

鈴木媛子 えっと、スーパーバグって絶対に死なない菌という意味なんですけど……。

一同 今言ったよ!

鈴木 え!? ごめんごめん! 私、ちょっと変なので気にしないでください!

清水 こういうことがあるから「こいつら、バグってるな」という意味に思われてる(笑)。

buGG

──ハハハ。ちなみにグループ結成の経緯としては、PPP! PiXiONとTOKYO5という2グループが混合してTOKYO PiXiONになり、そこから改名してbuGGになったんですよね?

鈴木 そうです。前身グループの頃は何をやってもうまくいかなくて、チャンスにも恵まれなかったんです。地下アイドルの中でもかなり下のほうで……。でも、負けん気とやる気だけは人一倍あったから、起死回生を図るために改名をして、「イチからがんばっていこう!」という思いでbuGGとして新たな道を歩き始めました。

──ただ、改名してからも苦労も多かったみたいですね。

清水 今振り返ると、最初の頃はしんどかったですね。お客さんが全然来てくれなくて。改名した日のワンマンはそれなりにお客さんがいたけど、次のライブから2人とか3人とか、ステージにいるメンバーよりも少ない数のお客さんたちに向かってパフォーマンスをしてました。

──そんな苦しい状況の中、どうやってファンを増やしていったんですか?

清水凜

清水 改名から半年が経って「The Beginning」という楽曲が生まれたのが大きかったですね。どのアイドルさんも盛り上げるときの“勝負曲”を持ってると思うんですけど、buGGにとっての勝負曲は「The Beginning」なんです。対バンで披露すると私たち目当てじゃないお客さんも沸いてくれて、その様子を見た人たちが「え、なんでそんなに盛り上がってるの?」と食いついて、さらにお客さんの輪が広がっていく。この曲のおかげでbuGGを好きになってくれる人が増えたのかなと思います。

鈴木 もう1つ、大きなターニングポイントと言えば2人(青木あかねと神崎めい)の加入が大きいです。その前までは……いろいろありすぎてけっこうボロボロだったよね? 全然自分たちのことを見てもらえないし報われないし、本当にギリギリな感じだった。

清水 真冬の寒い中、みんなで半袖の衣装を着て「お願いします! ライブに来てください!」って一生懸命ビラ配りをしたこともあったし、とにかく必死でした。

鈴木 何度も悔し涙を流したよね。

清水 うん。うれしいよりも悔しいことのほうが多かった。CDを出そうにも協力してくれるレコード会社がいなくて、自主で細々売るしかなかったし、がんばってはいるけど結果が見えなくて「この先、大丈夫かな……」とめっちゃ不安でした。振り返れば大変な記憶ばかりですね。

新メンバーが加入してからうれしいことだらけ

──そんな中、青木さんと神崎さんが去年9月に加入したわけですが、どういう流れでbuGGに入ったんでしょうか?

青木あかね

青木あかね 私は、板橋さん……あ、マネージャーさんがですね……えーと、どういう流れで加入したんだろう?(笑)

マネージャー 私がお話しします(笑)。もともとうちの事務所に所属していて、「buGGに入りませんか?」と声をかけました。

青木 あ、そうそう! そうでした!

鈴木 大事なところなのに、全然覚えてないじゃん!(笑)

──そもそも、青木さんはアイドルになりたかったんですか?

青木 はい。小さい頃からアイドルになりたかったんですけど、周りに言ったらバカにされるかなと思って、恥ずかしくて言えなかったんです。なので、ずっとアイドルとは関係ないところで生きてきたんですけど、これからちゃんと仕事ができるのかなという不安もあったんですよ。

──それはどういう意味で?

青木 バイト先でずっと怒られてるタイプだったんです。この先も怒られ続けて生きる人生なら、好きなことをしたいなと思って。実は就職先も決まっていたんですけど、そこをお断りして事務所に入って、そしてbuGGのメンバーになりました。

鈴木 そうだったんだ!

青木 当初は裏方としてアイドルのヘアメイクをする仕事に就こうとしていたんですけど、もし自分自身がアイドルになれるなら、そんなにうれしいことはないなって。

──buGGに対して、どんな印象を持っていましたか?

青木 カッコいい系の曲が多くて素敵だなと思う反面、最初は怖そうなイメージがあって。誰かと言いますと……特に早見玲花さんが怖い人なのかなと思っていたんです(笑)。でも、加入してみたら全然違ってすごく優しかったんですよ。このグループに入れて本当によかったです。

──一方、神崎さんは大学生のときにスカウトされたんですよね?

神崎めい

神崎めい はい。大学には今も通っていて、4年生です。私も別の事務所に所属していて、主にライブ配信をするライバーとして活動していたんです。そしたら板橋さん……あ、マネージャーさんから「アイドルに興味ないですか?」と言われて、最初は「え!? アイドルさんですか!」とビックリしました。「練習生という形で、レッスンだけ受けてみませんか?」と誘われたんですけど、ダンスが好きだったのもあって1回だけ参加して。そこで改めて加入についてお声がけいただいた感じです。参考のためにYouTubeの動画を観てみたらオフショットがすごく面白かったんですよ。鈴木媛子さんがおかしな発言をいっぱいしていて、こんなに楽しい人たちがいるグループなら入りたいと思って、板橋さん……あ、マネージャーさんに(笑)。

──もうワザとですよね?(笑)

神崎 アハハハ、すみません! マネージャーさんに「入りたいです」と言ったら、「動画を送るので、それを参考に歌とダンスを覚えてきてください」と言われて必死に練習しました。

清水 1週間で8曲近く覚えたんだよね。2人が加入した頃、buGGは月に平均30本以上のライブをやっていたので本当に大変だったと思う。

神崎 お披露目の次の日から毎日ライブがありました。まだ加入して1年も経ってませんが、それ以上の時間をメンバーと一緒に過ごしている感覚です。

buGG

──青木さん、神崎さんが加入してグループの雰囲気はどう変わりました?

清水 明るくなったよね! 沈むことがなくなった気がする。

鈴木 いろんな活動の機会が増えたし、今年4月に出した1stシングル「Shake it!Shake it!!!!!!!」でオリコンデイリーランキング1位を取れたし、ミュージックビデオも初めて作っていただけて。とにかくうれしいことがいっぱい起きるようになりました。