ナタリー PowerPush - BOOWY
大根仁×津田大介×℃-ute岡井千聖 世代を超えたファン座談会
BOOWYはスタイル的な影響もすごい
(ここで津田氏が到着)
津田 ごめんなさい! 環七が混んでまして。
大根 遅いですよ(笑)。じゃあ、ここから津田さんの話を。
──津田さんもリアルタイムで聴いてたんですよね?
津田 好きになった瞬間に解散だったから、ギリギリでリアルタイムみたいな感じですね。中2の12月に渋谷公会堂の解散宣言(1987年12月24日)があって、その次は東京ドームで。まだ中学生だったから、ドームにも行けなかったんですよね。
大根 ニュースになってましたからね。ダフ屋の値段が30何万とかで。
津田 電話もパンクして。
──チケットを取るための電話が集中して、都内の電話が不通になったんですよね。
岡井 すごいですね、電話がパンクするって。
津田 最初は友達が教えてくれたんですよ。それまでロックみたいなものは聴いてなかったんですけど、友達が「BEAT EMOTION」を貸してくれて、聴いてみたら「これはカッコいいぞ!」って。それまで聴いていた歌謡曲とはまったく違っていたというか。
大根 「BEAT EMOTION」って、1曲目が「B・BLUE」で2曲目が「ONLY YOU」だよね? すごいよね、いきなりキラーチューン2曲って。
津田 そうですよね。それ以来、そのアルバムばっかり聴いてましたから。それからしばらくしてLAUGHIN' NOSEなんかも聴くようになるんですけど、やっぱりBOOWYが入口だったと思いますね。あと、友達が「これ、BOOWYっぽいよ」ってXTCを教えてくれて、すごく好きになったり。まぁXTCがBOOWYっぽいんじゃなくて、あの時期のBOOWYがXTCっぽかったんだと思うんですけど(笑)。
大根 布袋さんはニューウェイブのテイストも持ってたからね。
津田 雑誌を読むと、ほかのメンバーもイギリスのニューウェイブを聴いてたみたいですよね。
大根 うん。岡井さんは子守唄代わりにBOOWYを聴いてたそうですよ。
津田 あ、そうなんですか?
岡井 はい、両親が大ファンなので。最近、こうやってBOOWYの話をさせてもらうことが増えたんですけど、その前から1年中BOOWYばっかり聴いてました。
津田 同世代の人はアイドルとかが好きなわけでしょ? BOOWYを広める布教活動もしてたんですか?
岡井 ウチに来た友達にはとりあえず映像を観せてました(笑)。でも、ロックを聴いてる子が少ないし、なかなかわかってもらえないんですよね……。「MORAL」とかも「歌詞が面白いから聴いてみて」って教えてるんですけど。
大根 「人の不幸が大好きさ」(笑)。
津田 好きなアルバムは?
岡井 アルバムってなるとわかんないんですよね。
津田 お、時代ですね。最初からシャッフルで聴いてるんだ?
岡井 そうですね。「ホンキー・トンキー・クレイジー」の歌い出しがカッコいいな、とか、「ここは東京だぜ」っていうMCが印象に残って「IMAGE DOWN」を好きになったり。
──「ライブハウス武道館へようこそ」に続く有名なMCですね。
津田 僕も中学生のとき、レンタルビデオで「“GIGS”CASE of BOOWY」を借りましたね。氷室さん、布袋さんはもちろんカッコいいんだけど、松井恒松さんの存在感もすごくて。直立不動のダウンピッキング。
大根 そうだよね。
津田 その後に「イカ天」が始まってバンドブームが来るんだけど、クラスの半分くらいの男子がバンドをやるっていう状況だったんですよ。コピーするのはBOOWYかブルーハーツ、ユニコーンはちょっと難しいかな……っていう感じだったんですけど(笑)、ベースをやってる人はほとんど“ストラップを下げてダウンピッキング”っていう。スタイル的な影響もすごかった。
大根 俺、「NO.NEW YORK」のベースなら今も弾けますよ。
津田 僕もベースやってました(笑)。
よく氷室さんのマネしてます
──岡井さんはBOOWYのライブのスタイルについて、どう思いますか?
岡井 カッコいいですよね! よく氷室さんのマネをして、テレビ台に足を乗せて歌ったりしてました(笑)。最初の頃の映像を見ると、お客さんがすごく少なかったりするんですよね。「え、なんでこんなに少ないの?」って思うくらい。でも、すごいですよね。私たちは最初からモーニング娘。さんのファンの方たちがライブに来てくれたし、すごい裕福な環境でやらせてもらってたので……。
大根 ハハハハハ!(笑)
岡井 告知なしでライブをやったときはお客さんが2人しかいなくて、「あの子たち、何やってるの?」みたいな感じだったんですけど(笑)。BOOWYさんは自分たちで曲を作ってゼロから上に上がっていったわけだから、ホントにすごいと思います!
津田 (笑)。当時、ライブを録音したテープがけっこう出回ってたんですよね。そういうものを聴いてみると、「CLOUDY HAERT」が「ロックンロール」というタイトルで歌われてたりして面白いんですよ。あと、「BABY ACTION」のサビが違うバージョンがあったり。音源になってるものはサビがメロディアスなんだけど、(新宿)LOFT時代のライブはもっとパンクっぽいんですよね。そうやってファン同士が共有して楽しんでたっていうか。
岡井 えー! 聴いてみたい!
津田 お父さんは持ってるんじゃない?(笑)
大根 俺が聴いたのは確か1982年の年末のLOFTのライブなんだけど、ライブハウス時代の氷室さんはけっこうお茶目で、ARB(石橋凌)とか矢沢永吉のモノマネをやったりしてるんだよね。
津田 途中まではテレビにも出てたしね。中京テレビの「5時SATマガジン」っていう音楽番組があったんだけど、そこでメンバーが楽しそうにボーリングをやってたり。
岡井 本当ですか? 意外です。
- ニューアルバム「BOOWY THE BEST "STORY"」/ 2013年3月21日発売 / 3000円 / EMI Music Japan / TOCT-98027
- ニューアルバム「BOOWY THE BEST "STORY"」
DISC1
- IMAGE DOWN
- NO.NEW YORK
- ON MY BEAT
- DAKARA
- FUNNY-BOY
- DREAMIN'
- BABY ACTION
- ホンキー・トンキー・クレイジー
- BAD FEELING
- CHU-RU-LU
- ハイウェイに乗る前に
- CLOUDY HEART
- "16"
- わがままジュリエット
- JUSTY
- ミス・ミステリー・レディ(VISUAL VISION)
- LIKE A CHILD
DISC2
- B・BLUE
- ONLY YOU
- WORKING MAN
- RAIN IN MY HEART
- DRAMATIC? DRASTIC!
- SENSITIVE LOVE
- LIAR GIRL
- LONGER THAN FOREVER
- MARIONETTE
- PLASTIC BOMB
- FANTASTIC STORY
- MEMORY
- 季節が君だけを変える
<BONUS TRACK>
- NO.NEW YORK<12インチversion>
- CLOUDY HEART<Single Version>
BOOWY(ぼうい)
1980年代に活躍した、氷室京介(Vo)、布袋寅泰(G, Cho)、松井恒松(B)、高橋まこと(Dr)の4人からなるロックバンド。1981年に結成され、1982年にアルバム「MORAL」でメジャーデビュー。ニューウェイブを取り入れた先鋭的なサウンドや、スタイリッシュなファッションなどで全国的な人気を博す。代表曲は「わがままジュリエット」「ONLY YOU」「ホンキー・トンキー・クレイジー」「B・BLUE」など。人気絶頂のさなかの1987年に突然解散を発表し、翌1988年4月5日の東京ドーム公演をもって解散。しかし彼らのフォロワーは多く存在し、解散から25年以上が経つ今も新たなファンを生み出し続けている。