#ババババンビ特集|メジャーデビュー、武道館……“日本一不幸なアイドル”の順風満帆ではない道のり (2/3)

宇宙と交信?寿司レース?メジャーデビュー曲「ゲイシャフジヤマ」の注目ポイントは?

──「ゲイシャフジヤマ」で特に気に入っている、オススメのポイントは?

 間奏で宇宙人と交信するシーンがあるんですよ。みんなで円になって、本気で宇宙人と交信しようという気持ちを込めてやっているので、ファンの方もマネして宇宙人と交信してほしいんです。

小鳥遊 ……ごめん、私そんな気持ち込めてなかった(笑)。

 えー?

水湊 あれはお祭りとか盆踊りのイメージで、たとえとして「宇宙人と交信してるように見えるよね」って言ってただけだよ?

 そういうことかー!

宇咲 私も交信してた(笑)。

 交信派と盆踊り派がいるんです。

近藤 交信派はヤバい(笑)。

宇咲 みんな愉快な顔して盆踊りをしてる人と交信してる人がいるので注目してください。

水湊 いや、合わせるよ? そっちに寄せようか?

 え、優しいー!

──(笑)。ほかにも注目ポイントはあるでしょうか。

水湊 はい! 私は初めてこんなに難しい早口のラップに挑戦させていただいていて。ラップはレッスンも受けたことがなかったので、レコーディングの直前に2時間くらい自主練して行ったら、すごく褒められました(笑)。

──自分の中にラッパーを降ろして。

水湊 降ろして。それがよかったらしく「その生意気な声がいいよ」って(笑)。すごい早口なので、ライブでもし噛んじゃったら途中で巻き返せないというか、一度止まったらそこで終わっちゃうから、ライブではとにかく噛まないように気を付けます。

──ラップパートは水湊さんと岸さんですよね。前回のインタビューでは、声の低い近藤さんに対してほかの4人から「ラップをやるべき」という声がありましたけど……。

近藤 私じゃなかった(笑)。でも私もみおちゃんのラップに合いの手を入れてます。「Now!」という合いの手を普通に「ナウ」って歌ったら「もっと低く! 低く!」って言われて。「ナーウ」(超低音で)という声を出すので、ライブではそこをお楽しみに。

宇咲 私はMVで、カルフォルニアロールを食べてるんですけど……。

水湊 カリフォルニアね(笑)。っていうかあれカリフォルニアロールですらないよ。カリフォルニアロール風の変な食べ物。MVは「バカ楽しい日本の文化」というテーマを掲げているので、ちょっぴり不思議だったり変だったりする、間違った日本の文化がちりばめられているので細かく観てほしいんですけど、あれはカリフォルニアロールではない(笑)。

宇咲 そうなんだ。カルフォルニアロールみたいなのにガムとかグミとかくっ付いたものを食べて特殊なリアクションをしているので、ぜひ観てください。あとはみんなが真剣に寿司レースをしてるところが好き。

 MVにお寿司に乗ってレースするシーンがあるんですよ。海外でも寿司レースを流行らせたいなって今考えてます。

宇咲 さっき「あの寿司を使った遊園地を作ってはどうでしょうか」と提案しました。寿司ゴーカートみたいな。本当は道を走る自動車が寿司になってくれたら幸せなんですけど、それは現実的に難しいと思った結果、遊園地はどうでしょうか?って。富士山や東京タワーに並ぶ日本の新しい名所として。

──ちょっと何言ってるかわからないですけど。

小鳥遊 私たちもこれ聞くの2回目なんですけど、わからないです(笑)。

 流行ると思うのでぜひ。

小鳥遊 MVの印象とライブでの印象はまた違うものになると思います。私が歌っている「ワビサビわさび効いたで Show?」のところは、MVではかわいくウインクしてるんですけど、ライブの振付だとワサビがツーンと効いた変顔をするんですよ。でも私は本当に変顔をせずに25年生きてきたので……。

 キャハハハハ!!

小鳥遊 変顔だけはNGで生きてきたんですけど、「ここは振り切ったほうがいいから!」と言われて。何度も練習して、今は褒めてもらえるくらいまでワサビの効いた顔ができるようになりました。

 振付の先生が「るいちゃんの顔すごいからちょっと見て」って言ってくるくらいうまくなってる。

小鳥遊 そこの振付は全員でやるんですよ。なので「みんなもこのくらいやらないと、るいちゃんが浮いちゃうから全力で!」って(笑)。

宇咲 1日目の練習のあと復習で映像を観てたとき、3回はそこのパートを繰り返して観ましたもん。「えっ、るいちゃん!?」と思って(笑)。人が変わったような変顔です。

小鳥遊 ライブ限定の変顔です(笑)。

カップリングはド王道、直球アイドルソング

──メジャーデビュー曲はもっと明快でわかりやすい、直球・王道のアイドルソングで……という考え方もあったかと思うんですけど、このくらいカオスな楽曲のほうがデビューの“ブッかまし”としては派手でよいなと思います。

水湊 王道カワイイ曲でデビューするのもいいとは思うんですけど、私たちはやっぱり馬鹿騒ぎをモットーにしたグループなので、こういう挑戦の多い曲でメジャーデビューできるのはありがたいですね。

宇咲 逆にカップリングの「BPM180」と「あのねのね」は、#ババババンビとしては珍しいくらい王道な、かわいらしいアイドルソングになっていて。

 確かに、どっちも極端。

水湊 歌詞に「好き」とか「大好き」とか入っていて。今までは「好きって言えない」みたいな歌詞が多かったから、本当に今までの#ババババンビにはなかったタイプのかわいい曲。

──「こっちでメジャーデビューしたかった……」という気持ちはない?

宇咲 うーん、ちょっとはありますけど(笑)、やっぱり#ババババンビがデビューするなら「ゲイシャフジヤマ」なのかなって。

小鳥遊 バンビらしさを考えると意表を突いた「ゲイシャフジヤマ」でデビューするのが合ってるのかなって。客観的に#ババババンビのオタクとして考えるとそう(笑)。

──カップリングの2曲で特に気に入っているポイントは?

宇咲 「あのねのね」はすっごいかわいい女の子のイメージで。歌詞を眺めているだけでもかわいいし、曲調も大好きです。

 「って言えない♡」のところ好き。

水湊 あ、そうだ! 私、かわいい系の曲でセリフパートが回ってくることがなくて、今まではほかのメンバーが言うのを傍観してたんですけど、「あのねのね」で初めてセリフをもらったんですよ。「ちょっとアニメ声で」という指示があって、ツンデレ女子みたいな感じで「って言えない♡」と言いました。この曲、レコーディングのときは「青春時代を思い出して歌って」と言われたので、自分にはなかった青春時代を無理やり掘り起こしながら歌いました(笑)。

 「BPM180」はこの夏の新曲としてひと足先にライブで歌っていて、「TIF」とかいろんな場所で披露させてもらいました。ライブではホントにホントに大盛り上がりの1曲で。#ババババンビはみんなで馬鹿騒ぎするのがコンセプトだから、基本的にどの曲もマネしやすい振付になっていて、「BPM180」は初披露のときからみんな一緒に踊ってくれたんですよ! それを見て「これはすごい1曲になっていくな」と思いました。

小鳥遊 私はもともとアイドルさんのオタクなので、アイドルらしいかわいい系の曲が好きだったんですよ。だからカップリングの2曲はどっちもめちゃめちゃどストライクです。「あのねのね」はまずタイトルからかわいい(笑)。#ババババンビはずっと「曲はかわいいけど歌詞は意味不明」とかそういうのが多かったけど、この2曲は歌詞にストーリー性もあって、ずっと少女マンガを読んでるみたい。こういう曲でデビューすると「あ、#ババババンビってこういうかわいい曲をかわいく歌うグループなんだ」と思われてしまいそうだけど、それを期待してライブに来ると幻滅されちゃうかもしれない(笑)。

近藤 急に「おっとっと!!」とか「うましか超」を歌い始めたらびっくりされちゃう(笑)。同じかわいい系でも「BPM180」と「あのねのね」はちょっと違うんですよね。「BPM180」はホントに王道のアイドルソングだけど、同じかわいいラブソングでも「あのねのね」は女の子のめんどくさい部分が出ていて、個人的にはそっちが好みです。3曲それぞれに違う味わいがあると思うので、何度も聴いて楽しんでもらえたらと思います。

老若男女に愛されるグループに

──日本武道館ワンマンという長年の目標に向かっている最中ではありますが、このメジャーデビューのタイミングで新たに抱いている目標はありますか?

水湊 武道館というのはすごく明確な目標でしたけど、もっと大きい目標として「たくさんの人に愛されるグループになりたい」という思いをずっと持っていて。コロナ禍とともにスタートした#ババババンビも、今ではシングルのリリースイベントやツアーを組んでもらって、たくさんの人に会いに行けるようになったし。ここからもっともっと愛されるグループになっていきたいです。そうだよね?

近藤 うん。

小鳥遊 老若男女、#ババババンビと言ったら「ああ、あの子たちね」と思い浮かぶような、そんなアイドルになりたいです。ものすごくおっきい夢なんですけど。

宇咲 メジャーデビューすることで今まで以上に多くの人に見てもらう機会が増えると思うから、全国の人に#ババババンビのことを好きになってもらいたい。

──前回のインタビューではまだ不安も大きそうでしたけど、本当に前向きに進んでいるようですね。

水湊 前回のナタリーさんのインタビューのときくらいがホントにドン底だったから、ちょっと強がっていたかもしれない(笑)。今は新しいことも決まったり、ありがたいことに忙しくさせてもらっているので、どんどん前向きになっています。

小鳥遊 もうやるしか!って感じだもんね。

宇咲 前を向いていかないと、応援してくださる方もどよーんとしちゃうから。一緒に前に進んでいきます!

 まずは「ゲイシャフジヤマ」をいっぱい聴いてほしいし、武道館にもみんな観に来てほしいです!

──武道館ではこんなことがやりたいとか、具体的なことはもう考えているんですか?

水湊 やりたいことはいっぱいあるんですけど、予算的にどこまで許されるのか……(笑)。それこそ寿司レースみたいにお寿司型のトロッコで武道館を1周してみたいし。

 かわいい!

水湊 2階から登場とかもやりたいけど、できるのかなあ。個人的にはバンドセットでのライブがまたやりたいです。そういうブロックがあってもいいかなって。

──2022年の結成2周年ライブや同年10月の中野サンプラザ公演にはバンドセットパートがありましたね。

小鳥遊 和太鼓もよかったよね。やりたいこと全部詰め込んじゃうと、全編大はしゃぎになっちゃう(笑)。……ただ、アイドルオタク的な気持ちで言うと、そのままのバンビで武道館に立ってるところが観たいかな。ありのままの私たちのライブを楽しみに来てくれる人もいると思うので、普段の感じも崩さずに武道館仕様のライブがしたいです。

 武道館前には「ゲイシャフジヤマ」のリリースイベントやツアーで全国に行く機会がたくさんあるので、いろんなところでアピールして、武道館に来てくれる人を少しでも増やせたらと思います!