2人で飲むと結婚の話は鉄板

──蒼井さんとのコラボ曲「THE WAY I AM Co. 蒼井そら」は、2人の女子トークを覗き見しているような歌詞がリアル過ぎました（笑）。でもこの歌詞は作家さんに振っているんですよね？

AZU　はい。藤林聖子さんという、私がずっとお世話になってる方で。自分で書いちゃうと、まんまじゃん、AZUそのものじゃんっていうふうになっちゃうかなと思ったんですよ。だからほかの方にお願いしたほうがリアリティが出るんじゃないかと思って。2人で歌う曲ですし。

──AZUさん限定の目線より、もっと広がりを持たせていろんな人が共感できるものにしたかった？

AZU　はい。テーマはそらと話して2人で決めたんですけどね。単純に2人で飲んでるときの話がまんま歌詞になった感じで、それをバーッと書き出して藤林さんに送ったら「もうストーリーができてる。すごく書きやすいです！」って言われて（笑）。

蒼井　あはははは（笑）。そうだったんだ。

──意訳すると「結婚のタイムリミットに焦ることもあるけど、今の自分の自由な生き方も嫌いじゃない」っていう、世の同世代女子が大いに共感しそうな歌詞なのかなと。普段から2人はこんな会話を？

AZU　もう8年くらい言ってるよね（笑）。飲むとその話は鉄板で、会ってまず「結婚できそう？」「結婚できないねー」みたいな。

蒼井　「もういい加減しようよー」みたいな。

──8年くらい前からずっと（笑）。

AZU　そうですね。もともと私は、そらと上京してすぐの頃に知り合って。ヘアメイクさんに「東京にまだ1人も友達がいない」って話をしたら、その方がそらとも知り合いで「AZUと気が合いそうな子がいて絶対仲よくなれるから紹介したい」って言ってくれて。それで最初は焼肉食べに行ったんだよね？

蒼井　そうだね。本当に、会ってすぐにめちゃめちゃ話が合って。「この子、ノリが一緒だ！」みたいな（笑）。お互いサバサバしてるところが似てるのかな？

AZU　そうかも。ドタキャンしてもうちらは「全然大丈夫！」みたいな。普通は怒ったりすると思うけど、「今日やめとくわ」「オッケー！」って感じで。むしろ「そら、なんかあった？ 大丈夫？」って私は心配になっちゃうもん。

蒼井　なかなかそんな感覚の人いないよね（笑）。

友達のSNSに「いいね！」押せないもん

──すぐに意気投合して、そこから現在まで濃厚な付き合いが続いてるってすごいですよね。

AZU　実は会った当初、私はそらの職業を知らなくて。でもヘアメイクさんは「AZUならそういうの関係なしで、1人の女性として付き合えると思ったから紹介した」って言ってて。本当に私、そういうの関係ないんで。

蒼井　私もそこを拒否されたら怖いなと思ってけど、AZUは最初からすごかった。「いいじゃん、いいじゃん！ すごいね。ロックだねー！」みたいな。

AZU　あはははは！（笑）

蒼井　すごいさっぱりした感じで「カッコいいね！」って言ってくれたのを覚えてる。そんな反応されることってまずないし、なんなら興味津々！みたいな（笑）。めちゃめちゃ面白い子だーって思った。

AZU　そらは女性で初めて尊敬できるって思った人だったの。自分には絶対できないことだし、本当にすごいなーと思って。

蒼井　私も「こんなに尊敬されるんだー」ってビックリだったけどね（笑）。

AZU　そこからお互いの恋愛観とか結婚願望とかいろいろ話すようになって。でも結果……いつも一緒に悩んでる。

蒼井　「結婚できないなー」って（笑）。

──それがまさにこの歌詞の状況とリンクするわけですね。

AZU　ですね。「友達のSNS コメント出来ずにフリック」って歌詞があるんですけど、そこは本当にリアル。「いいね！」押せないもん！（笑）

蒼井　あはははは（笑）。同い年の子が「子供が中学生になりました」とか書いてると、嘘でしょ!?って。

AZU　結婚してる子はみんなママ友のランチ会とかアップするんだよねー。

蒼井　ま、実際そういう状況になったらうちらもアップするんだけどね。

AZU　そうそう（笑）。だからうらやましさもあるんだよ。

蒼井　結果、憧れです！

AZU　間違いない（笑）。でもその反面、結婚してないからできることもいっぱいあって。歌詞にもあるけど、1人だから自由に海外に行けたり、お洋服を買ったり、美容にお金かけたり。うらやましい気持ちがあることも否定できないけど、「今の私たちの人生もこれはこれでいいよね。楽しまなきゃ損じゃない？」っていう感覚。

蒼井　将来を考えてもなるようにしかならないし、今はまだ「自分の時間を楽しみなさい」っていう時期なんだって。私はそう自分を正当化してる（笑）。

AZU　でも仕事を持ってる女性とか、こんなふうに思ってる人って実はめちゃめちゃ多いと思う。そういう同世代の方に共感してもらえたらうれしいな。