小林祐介のプレイリスト（その2）

小林　次、これはPALE SAINTSですね。僕、COCTEAU TWINSやPALE SAINTSとかを同時期に知って、それでこの人たちが同じレーベルらしいっていうことを調べて、それで4ADっていう名前を知って。で、どんどんさかのぼっていったらかつて自分が好きだったバンドもほぼ4ADだったみたいな。

ハヤシ　へえ、つながったんだ。

小林　うん、だから4ADに関しては脅威でしかないですね。BAUHAUSもいるし。

ハヤシ　BAUHAUSは最初は自分には合わないかなって思ってたんだけど、1stとか2ndとかむちゃくちゃカッコいいよね。

小林　めっちゃカッコいいです。チェーンソーみたいな歌ありますよね。

ハヤシ　そうそう。めっちゃパンクじゃん！みたいな。ギターの音がカッコいいんだ。

小林　鉄の音がしてますよね。ほかに選んだのはPIXIESとかARIEL PINK'S HAUNTED GRAFFITIっていう、これも完全に80’sっぽさを現代で表現してるバンドで。あとはSTEREOLABとかですね。

ハヤシ　いいね。小林くんが監修の4ADコンピとかあったら欲しいもん。

小林　めっちゃ大味になりそうですけど（笑）。

──でも、このプレイリスト自体が小林さん監修のコンピみたいなものですよね。

ハヤシ　あ、そういえばそうだ！

小林　うん。

ハヤシ　そうか、俺も毎回ライブの会場で自分が選曲したBGMを流してるのね。それでブログとかで曲名のリスト書いたりしてるんだけど。そういうときにAttaccaを使って「今回のツアーのプレイリストはこれです」ってやれば、その場で聴けるし、iTunesで買えるっていうことだもんね。

小林　便利ですね。

ハヤシ　これはいいわ（笑）。

小林　確かにリストだけ載せても、みんな1つずつ検索しなきゃいけないから。このプレイリストを公開してすぐ飛べるのいいですよね。

ハヤシ　かなりマニアックなものもiTunesで聴けるから。

小林　ライブのあとにこれでその日のセットリストを公開したりするのもいいかも。

ハヤシ　なるほど。そこ連動させるの面白いな……。

小林　これはちょっと取り入れたいですね。

近況報告

──では最後に、お2人の近況も聞かせてもらえますか？

ハヤシ　最近はもうツアーリハしかしてないです。それとライブ用のシーケンス作りの日々で。（※取材はツアー「POLYSICS JAPAN TOUR OR DIE!!! 2013～15周年イヤーが終わっちゃう! イヤー!!!」直前に実施）

──今回はどんなツアーになりそうですか？

ハヤシ　今回は「Weeeeeeeeee!!!」っていうアルバムのリリースツアーでもあるし、15周年の締めくくりのツアーでもあるんですよ。なのでばっちり盛り上がる、ド派手なセットリストを考えてます。で、あと今ヤノ（Dr, Vo）がギターを猛練習してて。

小林　ヤノさん、ギター熱めっちゃ高いですよね。

ハヤシ　そうなの。ライブでどんなプレイを見せてくれるのか。乞うご期待って感じで、いろいろ見どころがありますね、今回のツアーは。

──THE NOVEMBERSは？

小林　今はレコーディング中ですね。それとは関係なく曲も作り続けてるし。まだ構想段階なんですけど、今年も何か面白いことができたらなっていうつもりで動いてます。

──次の作品はどんな感じになりそうですか？

小林　前回の「GIFT」っていう作品がキャッチーな内容だったんで、それに対するリアクションみたいな感じです。「GIFT」から入った人はたぶん困惑しかしないようなやつ。

ハヤシ　あはは（笑）。

小林　仮面ライダーシリーズで言ったら完全に「アマゾン」みたいな。

ハヤシ　いいね（笑）。聴きたいなあ。

小林　ライブをぜんぜん意識しないで作ってるんですよ。だから逆にライブが楽しみになったりして。あ、でも曲はできるんですけど歌詞が全然書けなくて。

ハヤシ　あー、俺もそういうときあるよ。ぜんぜん面白い言葉が浮かばないとき。基準はそこなんだけど（笑）。

小林　「Let's ダバダバ」が浮かんだときってどんな感じだったんですか？

ハヤシ　真夜中のプリプロ中に突然アイデアが降りてきて。「ダンス天国」ってあるじゃん（THE WALKER BROTHERS「Land Of A Thousand Dances」）。あの曲ってみんなあの「♪ラーララララー」っていうとこしか知らないよなと思って、これをポリでやればいいんじゃないかと思って作ったの。

小林　あはは（笑）。

ハヤシ　だからAメロBメロとかは……あ、あの曲Aメロしかないか（笑）。まあそれは別に覚えられなくていいって思ってた。

小林　僕がポリを観てて感動する点ってまさにそういうところなんですよね。

ハヤシ　あはは（笑）。まあ小林くんはちょっと泣きすぎるから……。

小林　ダメなんですよ。泣いちゃうんですよね（笑）。ポリってバイザー付けてますけど、人が表現をするときにやっぱり目の表情って大事だと思うんですよ。ポリの場合、そこを放棄してるっていうところがまずすごい。歌詞についても、例えば「ダバダバ」っていうフレーズには意味はないけど、そこにはすごい価値と説得力があって。だからたまにバイザーから覗くハヤシさんの目とかがすごいマジなときがあって、それを観ると僕は号泣してしまうんです。

ハヤシ　うれしいね。でもTHE NOVEMBERSもすごくって、こないだも大阪のイベントで観たんだけど、めっちゃくちゃライブよかったもん。なんだろう、このオルタナティブさは本当ほかにないよね。やっぱりそのバンドにしか出せないサウンドが好きなんだよね。

小林　いやあ、うれしいです。

ハヤシ　そのライブを観てJAPANを聴きたくなったんだよね。

小林　あはは（笑）。じゃあもう1回聴きましょうか（笑）。