「STUDIO HISASHI with Anime」特集|sumikaが紡ぐ音楽がアニメに愛される理由

アニメ専門チャンネル・AT-Xによる動画配信サービス「AT-DX」が2024年3月にスタートした。このサービスにて、GLAYのHISASHI(G)がナビゲーターを務めるアニメ紹介番組「STUDIO HISASHI with Anime」が毎月2回のペースで配信中だ。

「STUDIO HISASHI with Anime」はアニメに造詣が深いHISASHIが、新たな作品との出会いを視聴者に提供する番組。HISASHIがアニメに携わったことのあるアーティストやクリエイターを迎え、ゲストとアニメについて深く語り合う。7月4日より配信されている第4回と、7月18日に配信予定の第5回にはsumikaの片岡健太(Vo, G)が登場。HISASHIとセッションしたのちトークの収録に臨んだ。収録当日に初対面したというHISASHIと片岡だったが、“骨折”エピソードをきっかけにあっという間に意気投合。収録後のインタビューも大いに盛り上がった。

取材・文 / 中野明子撮影 / 森好弘

「STUDIO HISASHI with Anime」はAT-DXにて配信中。

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「STUDIO HISASHI with Anime」#4・#5 収録レポート

「STUDIO HISASHI with Anime」の第4回と第5回の収録が行われたのは、TERUが出演した第1回と同じ都内のスタジオ。いくつものエフェクターが乗ったボードが2つ並ぶ部屋に足を踏み入れたHISASHIと片岡は、挨拶もそこそこにセッションを始める。セッション曲としてセレクトされたのはアニメ「MIX MEISEI STORY ~二度目の夏、空の向こうへ~」のオープニングテーマとしてsumikaが作った「Starting Over」だ。2人はそれぞれが奏でる音を通して交歓し、HISASHIはオリジナルのアレンジを加えて「Starting Over」に新たな彩りを添えた。

HISASHI(GLAY)

HISASHI(GLAY)

片岡健太(sumika)

片岡健太(sumika)

わずか2テイクでOKが出たため、セッションはあっという間に終了。そのままトークの収録に移った。HISASHIに「フェスで活躍している華やかなイメージ」と紹介されて着席した片岡は、開口一番「僕はGLAYを聴いて育ったんです」と告白。そして、HISASHIが骨折をしながらもツアーを回っていた1998年、自身も右足を複雑骨折し全治1年半の診断が下ったことを語り出す。片岡が「母に『HISASHIさんはライブやってるよ!』って言われて」とケガをしながらもステージに立つHISASHIに勇気付けられたことを口にすると、HISASHIは「よかった、(骨を)粉砕してみるもんだな」と大笑い。共通の“骨折トーク”を機に2人の距離は一気に縮まり、スタジオ内はリラックスムードに。HISASHIは「どうやったらこんなにタイアップができるの?」と、sumikaがこれまで関わったアニメ作品の一覧を眺めながら疑問をぶつけたり、「ヲタクに恋は難しい」のオープニングテーマ「フィクション」制作時の裏話について深掘りしたり、アニソンにまつわるさまざまな質問をぶつける。

「メシがうまそうなアニメはいいアニメ」とHISASHIが持論を口にしたことから、「ダンジョン飯」第2期のオープニングテーマ「運命」の話題に。「この作画を観たときは鳥肌が立ちました!」と片岡はオープニング映像について力説し、リズムにこだわったというサウンドの特徴を解説。そのトーク力の高さにHISASHIが「まとめ方が上手」と感嘆すると、片岡は「HISASHIさんに言っていただけるなんて光栄です」といちファンの顔をのぞかせた。

「STUDIO HISASHI with Anime」収録の様子。

「STUDIO HISASHI with Anime」収録の様子。

片岡の抜群のトーク力は、HISASHIにオススメのアニメを紹介する「HISASHIに知ってHoshi★ ワタシの推しアニメ」でも存分に発揮される。「Re:ゼロから始める異世界生活」をピックアップした片岡は、ストーリーを紹介しつつ「(話が進む中で)『Re:ゼロ』というタイトルの意味がわかる瞬間があるんですよ! 共感できる要素がありありなんです」「いろんな経験を重ねてきたHISASHIさんだからこそ響くかも」とアピールした。その情熱的な話しぶりにHISASHIは「すごい観たくなってきた! 帰ってすぐ観よう」と感銘を受けた様子。なお、ゲストが大切にしている物を紹介する恒例コーナー「思い出ライナーノーツ」では、HISASHIが「怖っ!」と思わず漏らし、スタジオ内をざわつかせるある物が登場する。しかし、そこから片岡がsumikaというバンド名の誕生エピソードを語る展開に……。どんな会話が繰り広げられたのかは番組で確認を。

「思い出ライナーノーツ」コーナーの様子。

「思い出ライナーノーツ」コーナーの様子。

HISASHI&片岡健太インタビュー

「sumikaのメンバーになってみた」アプローチ

──初対面ですぐにセッションという流れでしたがいかがでしたか?

HISASHI いやー、音楽は人をつなぎますね。これは間違いないです。

片岡健太(sumika) 本当にぜいたくな時間でした。ずっと憧れていた先輩と一緒に音を鳴らせるようなことはなかなかないので。

HISASHI 俺、普段からけっこうニコニコ動画で“弾いてみた”、“足してみた”をやってて。今回も「sumikaのメンバーになってみた」という感じでアプローチを考えてみました。

左から片岡健太(sumika)、HISASHI(GLAY)。

左から片岡健太(sumika)、HISASHI(GLAY)。

片岡 HISASHIさんのQUAD CORTEXというアンプシミュレーターの設定が「sumika」になっていて、今日のためにセッティングをしてきてくれたのかなと思ったら感激しました。なんて誠実な方なんだろうと。

HISASHI 片岡くんは「宇宙刑事ギャバン」みたいなエフェクターを使ってるんだなと思って見てました。僕、エフェクターが好きなんで、人のを見ちゃうんですよね。一昨年、レッドシューズ(西麻布にあるロックバー)の40周年イベントに出たときに、出演者のみんなとセッションしたんですけど、そのときに奥田民生さんもいて。休憩中にほかの人のエフェクターボードを見ようと思ってチェックしてたら、民生さんが(広島)カープカラーの白と赤でそろえてるんですよ。俺はなんで“GLAY”でそろえてないんだ!と。

片岡 はははは。

HISASHI 「民生さん、さすがですね!」って言ったら、「ライブごとに全部組み替えてるから、たまたまだね」と返されちゃって。でも、俺は絶対違うと思ってる(笑)。

片岡 照れ隠しだったのかも?