ASP「BOLLOCKS」インタビュー|客席が埋まらない現実を受け止め、彼女たちは次なるステージへ (2/3)

ツインズ暴走

──では新作について聞きます。まず「BOLLOCKS」はなんと読むんですか?

ユメカ ボロックスです! 意味も調べちゃいました!

──どんな意味がありましたか?

ユメカ せーのっ!

一同 きんたまー!

ナ前ナ以 合ってるけど……そうじゃない(笑)。

ユメカ あ、「ばかげたこと」という意味もあります!

──この曲ではどんなことを歌ってるんですか?

モグ 自分を責めているというか、自分の尻を叩くような曲で、今の自分のことだと思いました。誰かの手を借りず、弱い自分を自身の手で叩いて、「もっとできるだろ! 自分の馬鹿野郎」って。私はよくそう思うので、弱っているときの自分に向けて歌っています。特定の誰かに向けた歌詞じゃないんですけど、弱ってる気持ちに向けて力強く訴えかけるこの曲は、私たちらしいと思います。

──リスナーからすると、この曲はASPが自分に向けて歌っているというより、自分の歌をASPが歌っていると感じるような。

ナ前ナ以 そうですね。当てはまる人はめちゃくちゃ多いんじゃないかな? ASPも自分に甘いところがあるし、少なくとも私がそうですから(笑)。この歌詞が来たときにモグちゃんも言ってたけど、「うわ……もっとやんなきゃ」って鼓舞されるような曲だから。今言ってくださったようにいろんな人が共感できるんじゃないかなと思います。

ナ前ナ以

ナ前ナ以

マチルダー 私は昔から妄想するクセがあって、学校にいるときに“実写スプラトゥーン”が始まって、私が1人勝ちする妄想とかしてて。本当にそれを信じ込むくらいのおめでたい人だったことを思い出しますね。歌詞に関しては共感しつつ、ムチを打たれてる感じがします。もっとやらないとなって。

──ちなみに最近は妄想しないんですか?

マチルダー 最近は北イタリアに住む妄想をしています。朝起きて街に行って、採れたてのトマトを買ってサンドイッチを作る妄想(笑)。

ウォンカー 日本でもサンドイッチ作れるやん!(笑)

モグ 日本でもトマト買いに行けばいいじゃん(笑)。

──ASPにまつわるポジティブな妄想はしないんですか?

マチルダー ないかも(笑)。

ナ前ナ以 海外行こうとしてるし!

ウォンカー 話を戻すと、「BOLLOCKS」の歌詞を受け取ったときに私のことだと感じました。見透かされた感じがしたから「あーあ怖い怖い」って。でもリリースイベントで歌っていると、自分に向けて歌ってる感覚になるので、すごくやる気がでます。

ASP

ASP

特典会は双子がすごい

──リリイベはミニライブと特典会だと思いますが、曲の感想を伝えてくれるファンの方はいますか?

ナ前ナ以 いるよね。SNSで書いてくださったりもしますし。

ユメカ サビの最後に「馬鹿野郎」って言葉があって、「あそこ、刺さるからめっちゃ好き」と言ってくれる方もいれば、振り付けで好きなところを教えてくれる方もいましたね。

──お客さんの中には特典会でド緊張されている方とかいますよね?

ユメカ いますいます!

ナ前ナ以 慣れる人っているんですかね? 緊張するよね。

モグ 何回行っても慣れないはずだよね。並んでたら足がガクガクになる。その緊張感がいいんですけど。

──ライブとは別のベクトルで非日常のひとときを過ごせる瞬間だとは思うんですが、皆さんはファンと特典会で接するときに気を付けていることはありますか?

モグ お客さんがうまくしゃべれない気持ちとかめっちゃわかるんで、できるだけ話しかけて、できるだけ楽しめるように。自分が並んでた側だったときを思い出しながら。

ナ前ナ以 私は何に気を付けてるんだろう……。

ユメカ ナイナイにはナイナイのままでいてほしいよ。素のナイナイとしゃべりたい人が多いだろうし、うるさくない会話を求めてるはず。

ナ前ナ以 そうなのかなあ。特典会は双子がすごいですよ。双子に会いに来る人はなんかぶっ飛んでる人が多い感じ。まるで会話が成り立ってないのに楽しそうで。

ウォンカー リピートアフタミー!

左からマチルダー・ツインズ、ウォンカー・ツインズ。

左からマチルダー・ツインズ、ウォンカー・ツインズ。

ユメカ ……怖いんですよ。謎世界すぎてパラレルワールドだよ。

マチルダー 何も気にせずお話してるからかな……。

ナ前ナ以 5人ともキャラクターはバラバラですけど、ぜひ双子に行ってほしいです(笑)。私もファンなら双子のところに並びたいと思うくらいなので。しかし双子の対処ができるお客さんはすごいです。うちらでも大変なのに(笑)。

ウォンカー 特典会は英会話ですね! 留学中の海外の人がASPの特典会に来たら日本語が学べる!

ナ前ナ以 さっきから支離滅裂だけど……。

ユメカ ホント、うちの双子がすみません!

オードリー・ヘプバーンが頭に浮かんで

──カップリング「SPiT OUT」はウォンカーさんが作詞しています。どんな内容になっていますか?

ウォンカー オードリー・ヘプバーンのイメージが湧いてきましたね。「シャレード」っていう映画を連想して作詞したんですけど、自分のことも書いていて、ASPに入る前と入ったあとの気持ちの変化を作詞いたしました。

──具体的にオードリー・ヘプバーンが出てくるのはどのへんですか?

ウォンカー ルンルン気分という概念的なところなので、具体的には出てこないんです(笑)。「晴れた日の雨みたいにきれいなオードリー・ヘプバーンに憧れています」という気持ちを書きました。

モグ 曲を初めて聴いたときに急にその人がピーン!って浮かんだの?

ウォンカー そう! ビビッとな! サビはASPに入ってからの気持ちなので、自分も共感できるASPの歌を届けてることがうれしいなって気持ちを伝書鳩のように歌詞でお伝えいたしました。

ウォンカー・ツインズ

ウォンカー・ツインズ

──ライブで一体感が生まれそうな曲調ですよね。

モグ まさに振り付けも一体感を大切にしてまして、サビを1人じゃなくて誰かと一緒に歌う歌割りになってます。一体感が生まれる曲だと思うので、早くライブでやりたいです。

──皆さん作詞をする機会がありますが、日頃から書き貯めてるんですか?

ナ前ナ以 私はメモをめちゃくちゃ残しています。そんなに頭もよくないし、語彙力がないので、いろんなアーティストの歌詞、本の一節、思ったこと、なんでも書いてます。

──そのメモから歌詞の世界を広げてるんですね。モグさんはどうですか?

モグ 私も好きな歌詞があったらメモってます。あと、映画も本も以前は観たり読んだりするだけだったんですけど、最近はそれに対してどう思ったか、どこがよかったのかをノートに書いてます。日記も付けていて、自分の感情を整理して記録しておくようにしてます。

──メモは頭の中が整理できていいですよね。

モグ 何も記録しないと私は情緒が大変なことになったりするので(笑)。客観的に自分を振り返れるからいいですね。そのときは普通と思ってるかもしれないけど、見返したときにこの日ヤバかったんだなと字の崩れ具合からわかることもあるから面白いです(笑)。

ウォンカー 私は日記を始めたんですけど2日で辞めました! でもまだ日記アプリは消してません。書いたときは1400文字くらい書きましたよ! 基本は続かない人ですけど、思っていることはメモしています。

マチルダー 私もメモします。私だけしかいないLINEのKeepで1人反省会しています(笑)。あとは“1人インタビュー”をして自分の気持ちを整理したり。

──最近はどんなことを1人インタビューしましたか?

マチルダー 電車の乗り方です。駅に早く着くための近道インタビューです。

──なるほど。ユメカさんは?

ユメカ 感情を5文字以内で片付けないようにしようと気を付けてます。私、何があっても「たのしかった! おいしかった!」ってなりがちで。

ナ前ナ以 どっちも6文字じゃん(笑)。

モグ 「楽しい」とかってことね?

ユメカ そういうこと! いつも楽しい、おいしい、つらいとかで終わっちゃうから、枝分かれ図(マインドマップ)みたいにもっと掘り下げた思いを言葉でうまく言えるように。あと、私は作詞が苦手で、BiSHのリンリンさんに相談したことがあるんです。そしたら「日記はとにかく書いたほうがいい」と言われたので書いてますし、オススメしていただいた本も読みました。本はいっぱい買ったんですけど、難しくて1冊しか読めてないです(笑)。