ニコ動は今でも好き
──オリジナル曲中心のアルバムを作る中で、Vocaloid曲のカバーを入れることは最初から決めていたんですか?
最初から入れるつもりでした。全部オリジナル曲にしてしまったら、私の原点であるニコニコ動画での活動で好きになってくれた人たちが「私たちのことを捨ててしまうのか」って思うかもしれないから。さっきも言ったように、私がニコ動のことを好きな気持ちは今も昔も変わらないから、「今でも好きだよ」って気持ちを込めて3曲カバーを入れています。
──この3曲はどのように選曲したんですか?
クプラとのコラボ曲「脳漿炸裂ガール」は、ただのネタとして作った曲なので、みんなが笑えばそれでいいっていう曲。ホントに説明することは何もないんです。「天ノ弱」は、ひろし(164の愛称)さんがどう思って書いたかはわからないけど、私はストーカーの歌だと思っているんです。愛が強すぎるストーカーの男の子の歌。自分のこれまでにあった経験と、詞からイメージする想像を練り合わせて歌ったら、妙に曲に入り込んじゃいました。だから歌いやすかったですね。
──もう1曲のカバー曲は「桜ノ雨」ですね。
「桜ノ雨」の詞を読んで、最初は「こんな思い出、私にはないな」って思っちゃったんです。私の学生時代って、青春っぽいこともちょっとはあったし、ドキドキするようなこともあったけど、基本的には冷めていて「あー、面倒くさいな」って思ってる感じだったので。だから青春を謳歌した人が入り込めるような「桜ノ雨」を歌うのが最初は難しかった。ただ何度も楽曲に触れていく中で、詞に書かれているような学生生活がうらやましいと思う自分を発見して、「だったら自分の憧れの学生生活をこれでもかってくらい描いてやろう」と思い始めたんです。そうしたらどんどん「桜ノ雨」を好きになって、楽しくなってきたんです。
1アルバムに1クプラ
──先ほど「脳漿炸裂ガール」について「説明することがない」とおっしゃっていましたが、カバーでありつつも歌詞はオリジナルのものですし、+α/あるふぁきゅん。さんとクプラさんのかけ合いはかなり緻密なんじゃないかなって思っていて。
歌詞はクプラがバーって書いてくれるんですけど、そこから私が姑のように「いや、ここはこうじゃない」ってチクチク言いながら仕上げていったんです。ちなみにデモの段階では、まず彼が1人2役で歌ってくれるんですよ。ただ彼は1人暮らしで部屋の壁が薄いから、大きい声で歌が入れられなくて、妙に小声で吐息っぽい、言ってみればちょっとキモい感じの歌になってるんです。もうね、ヘッドフォンで聴くとゾワゾワってする感じ。
──ははは(笑)。
それと曲の途中でビンタの音が入ってるんですけど、アレはクプラが実際に自分の顔を自分で叩いて録った音なんです。けっこう腫れたらしい。
──クプラさんとのコラボ音源はこれまでのアルバムにも1曲ずつ入っています。このコラボは今後も続けていくということですよね?
1年くらい経つと「みんなそろそろ心待ちにしてるんじゃないかな?」っていう妙な思いが湧いてくるんですよね。なので“1アルバムに1クプラ”はこれからも欠かさずに入れようと思っています。
私、どうなっちゃうんだろう
──今作「ALMATIC.」を完成させて、ようやくやりたいことが見えてきたとのことですが、次にやろうと思っていることはありますか?
3枚目でようやく+α/あるふぁきゅん。の雰囲気、色、スタイルが少し形になってきたっていうのは確かなんですけど、これから先に私がどう変わるかは私自身もちょっと謎なんです。ただ、心に直接響くようなライブをやりたいし、「感動を呼ぶ」というよりは観ていて興奮するようなシンガーでいたいですね。
──+α/あるふぁきゅん。さんの活動の中でライブってどういう場ですか?
本当の自分をみんなに見てもらう場所ですね。レコーディングは作る場であって、生の私がただ出てるわけではないから。ライブはごまかしがきかないから、しっかり練習もするし。私、ライブに出たときの記憶ってあんまりないんですよ。あとで映像を観て「あ、こんなに動いてたんだ」って思うことが多くて。きっと無我夢中で歌ってるからなので、そういう姿を観に来てほしいですね。
──今日お話を伺っていて、ご自身では「冷めている」とおっしゃっていながらも何度か「楽しめた」という言葉が出てきました。+α/あるふぁきゅん。として活動を続けている中で、楽しいことが増えてきている実感はありますか?
増えてますね。ただ自分のこれからが楽しみかというと、ちょっと違って。興味と疑問がちょっと混じった感じの「私、どうなっちゃうんだろう」って感じなんです。私自身、そんなに前向きな人間ではないので、これから起こることを漠然と「楽しみ」と言うことはできないんですけど、今後も歌を続けたあとに振り返って「そう言えば楽しかったな」と思えたらいいですね。
- +α/あるふぁきゅん。「ALMATIC.」
- 2017年5月24日発売 / 徳間ジャパンコミュニケーションズ
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初回限定盤 [CD+DVD]
3240円 / TKCA-74501 -
通常盤 [CD]
2484円 / TKCA-74502
- +α/あるふぁきゅん。「ワンマンライブALMATIC.tour」
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2017年7月29日(土)東京都 原宿アストロホール
1部 OPEN 14:00 / START 14:30
2部 OPEN 17:30 / START 18:002017年8月11日(金・祝)大阪府 FANJ twice
OPEN 16:00 / START 16:302017年8月12日(土)愛知県 SPADE BOX
OPEN 16:00 / START 16:30
- +α/あるふぁきゅん。「ALMATIC.」リリース記念イベント
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2017年5月27日(土)大阪府 ソフマップなんばザウルス1
OPEN 11:30 / START 12:00
内容:ミニライブ&特典お渡し会
対象店舖:ソフマップなんばザウルス12017年5月27日(土)愛知県 第3太閤ビル
OPEN 17:00 / START 17:30
内容:ミニライブ&特典お渡し会
対象店舗:アニメイト名古屋店、栄店2017年5月28日(日)東京都 HMVエソラ池袋 店内イベントスペース
START 19:00
内容:ミニライブ&特典お渡し会2017年6月10日(土)東京都 新宿グラムシュタイン
OPEN 13:00 / START 13:30
内容:ミニライブ&特典お渡し会
対象店舗:アニメイト池袋本店、渋谷店、秋葉原店、横浜店、新宿店
- +α/あるふぁきゅん。(アルファキュン)
- 2013年に“歌ってみた”動画を初投稿し、歌手としての活動をスタートさせる。同年6月に投稿した「紅蓮の弓矢」のカバー動画は現在までに350万回以上再生されており、人気の歌い手として注目を集めている。2014年4月には千葉・幕張メッセで行われた「ニコニコ超パーティー2014」に、同年8月には埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催された「EXIT TUNES ACADEMY 2014」に出演。同年12月に1stアルバム「+a/」をリリースした。2017年5月にオリジナル曲を中心としたニューアルバム「ALMATIC.」を発表。同年7月からは東名阪の3都市を回る「ワンマンライブALMATIC.tour」を実施する。