これからどんなことを歌えばいいのか再確認

──歌詞に関して聞きたいんですが、冒頭部分は主人公の揺れ動く心情をリアルにつづりつつ、それ以降は何があろうとも信じたものを貫け！という熱いメッセージが込められてますね。

Ko-ichi　「銀魂°」が決まったときに、原作のマンガを改めて読み直したんですよ。アニメのタイアップは今回で2度目になるけど……僕の中では難しくて、自己満足になっちゃいけないなと。今までのサンエルの歌詞だとすぐに共感しづらい内容もあったけど、今回は振り切って「銀魂°」のストーリーを自分の言葉に置き換えようと。歌詞はわかりやすい言葉を使おうと心がけているけど、もっともっとわかりやすくしました。四字熟語もちょっと使って、小難しくしてるところもあるんですけどね。

──そこはわかりやすくないんですね？（笑）

Ko-ichi　いや、その四字熟語も誰が読んでもわかるようなものを選んでいるんですよ。だから歌詞は何度も何度も書き直しました。「銀魂」は歴史があるアニメなので、アニメファンにも共感してもらえつつ、サンエルファンにも納得してもらえるものを書けたと思います。わかりやすく書きすぎたかな？という不安もあったけど、いざアニメが始まるとちゃんと伝わってる印象を受けたから、ひとまずよかったですね。

──今のバンドが置かれている状況とも重なりますか？

Ko-ichi　そうですね。「銀魂°」のテーマソングでありつつ、自分たちにも置き換えられる言葉を選んでます。僕も私もこういうことがあるな、くじけそうなときがあるな、と感じてもらえたらいいですね。歌詞は今まで僕が1人で考えていたけど、今回はメンバーにも見てもらったんですよ。

──ほかのメンバーはどんな助言を？

u-ya　レコーディングしながら「この言葉はわかりづらいから変えたほうがいいんじゃない？」とか。今までは遠回しの表現が多かったけど、もっとストレートに言ったほうがいいよって。

Ko-ichi　うん、自分がわかっても他人がわからなければ意味がないから。それこそ昔の自分だと、「君なら変えれるこの世界」というワードは絶対使ってないですね。遠回しの言葉を使うという、自分の中での美学があったんですけど。それも「NEVER SAY NEVER」以降徐々に外して、自分の言葉を精査できました。そこでも成長できたし、これからどんなことを歌えばいいのか、再確認できた楽曲ですね。いいきっかけになりました。

アルバムでは幅が広がった新しいサンエルを聴いてほしい

──このシングルのあと、来年1月27日にはニューアルバムも控えてますね。

u-ya　ジャンルは特に気にせずに曲を作っているから、本当にいろんな音楽やジャンルの要素が混ざってます。

NORI　本当にバラエティに富んでますね。いろんなタイプの曲があるから、大変でした（笑）。

JUNE M　2ndアルバム「ENERGIZER」でも新しいことに挑戦したけど、次のアルバムは本当にやったことがないようなゆっくりしたテンポの曲もありますからね。けっこう苦戦しました。

Ko-ichi　アルバムタイトルは「ROCK TO THE FUTURE」です。「ROCK」にはジャンルの意味もあるかもしれないけど、僕らの中では信念とか、そういう意味合いでロックという言葉を使っているんですよ。ロックの未来というより、俺たちの未来みたいな意味ですね。今までのサンエルの歩みを踏まえ、自分たちが信念を持って切り開いていく未来みたいなイメージです。

──アルバムを一足先に聴かせてもらいましたが、「グロリアスデイズ」の制作を踏まえたかなりの意欲作ですよね。ちょっと驚く人もいるかもしれません。

u-ya　そうですね。今までのサンエルを知ってる人はビックリするかもしれない。

Ko-ichi　従来通りの遠回しの言葉を使った歌詞もあるし、Auto Tuneをかけた曲も入ってるし、ほんとに集大成的なアルバムになりました。幅が広がった新しいサンエルを聴いてほしいですね。