ナタリー PowerPush - VOICE FES 2012 presented by NTT Communications「050 plus」

注目ポップカルチャーフェス開催記念! スパガインタビュー&イベントレポ

イベントレポート 11月28日(水) ARTIST DAY

「VOICE FES 2012」2日目は「ARTIST DAY」と銘打って、IA×じん、May'n、DE DE MOUSE、神聖かまってちゃんというバラエティに富んだ4組が出演。さらにライブの合間にはインターネットレーベルMaltine Records主宰のtomadがDJで会場を温め、「ポップカルチャーフェスティバル」というイベントのコンセプトにピッタリなポップな雰囲気を演出していた。

この日のトップバッターであるIA×じんのライブがスタートすると、ハードなギターサウンドが鳴り響く中、ステージ中央に立てられた透明なスクリーンにボーカロイド・IAの姿が映し出され観客から驚きの声が。じん(G)率いるバンドの激しくもテクニカルな演奏に乗せて、まるで実際にそこにいるかのような存在感を醸しながらIAが「チルドレンレコード」「ヘッドフォンアクター」を歌い踊った。その後IAは一旦退場し、新たにゲストボーカルとしてある系が登場。熱くパワフルな歌唱でオーディエンスをグイグイと引っ張っていく。

続いてのゲストボーカル、ナノウがアコースティックギターを抱えてステージに現れると、それまでとは一転してさわやかな雰囲気に。彼は9月にリリースしたナノウのギター弾き語りアルバム「UNSUNG」でもカバーしているじんの楽曲「コノハの世界事情」を、この日はじん本人含むバンドを率いて披露した。ラストにはこの日ボーカルを担当したIA、ある系、ナノウが全員集合。IAがリードボーカル、残り2人がコーラスを担当し、じんが「VOICE FES 2012」のテーマソングとして書き下ろした「ワールド・コーリング」を歌った。

IA×じんIA×じんIA×じん

2番手のMay'nが4人のダンサーを引き連れてステージに登場すると、フロアのあちこちでカラフルなサイリウムが点灯。彼女は張りのある歌声で「Brain Diver」「Giant Step」といったアッパーチューンを歌い上げ、会場中を自分の世界に染め上げていく。彼女はその後「VOICE FES」というイベント名にちなんで、声を使ってしっかりと思いを届けるべく「アオゾラ」を熱唱。それまでの雰囲気とは一転した優しく伸びやかなバラードに、観客もじっと聴き惚れていた。

バラードでオーディエンスに声を届けた彼女は、今度は「もっともっとみんなの声が聞きたい!」と観客に向けて声出しをリクエスト。「Chase the world」が始まるとファンも飛び跳ねながら盛り上がった。最後に、11月22日に配信リリースされたばかりの新曲「Mr.Super Future Star」をエネルギッシュに歌唱。30分の持ち時間をハイスピードで駆け抜け、セットリスト5曲の中に自らの魅力を濃縮したライブとなった。

May'nMay'n

DE DE MOUSEのライブは、ドラムとサックスをサポートメンバーに迎えた3人編成で実施。まずはハードでノイジーなサウンドで「journey to freedom」を演奏し、巨大な音の渦でオーディエンスを圧倒していく。DE DE MOUSEは何度も手を振り上げて観客を煽り、そのたびにフロアのボルテージは上昇。そのまま「east end girl」に突入すると、おとぎ話のようなファンタジックなイメージが会場を包み込んでいく。

会場中を飛び交う光線と電子音による圧巻のパフォーマンスで来場者を魅了するDE DE MOUSEだが、MCでは「どうせみんなあとでネットに『DE DE MOUSE超気持ち悪かった』とか『ヤク中みたいだった』とか書くと思うんですけど、そんなの知らねえよ!」などと自虐的なトークをして会場を笑いで包んだ。ラストナンバーは「555 is in your heart」のオリジナルバージョン。強烈なブレイクコアのビートと激しい生ドラムが猛スピードで絡み合い、ハイテンションなままライブはフィナーレを迎えた。

DE DE MOUSEDE DE MOUSE

DE DE MOUSEDE DE MOUSE

この日のトリを飾ったのは神聖かまってちゃん。マイペースなMCで知られている彼らだが、この日は少ない時間でより多くの曲を演奏することを重視し、ほとんど曲間のトークがないままどんどんライブが進行していく。DE DE MOUSEからの流れを引き継ぐように「美ちなる方へ」で美しくファンタジックな世界観を演出し、シューゲイザー風のナンバー「コンクリートの向こう側」では壁のような轟音ギターで観客を圧倒した。

その後、ステージの上が熱いというメンバーの言葉に反応した観客から「もっと熱くさせてよ!」という声が上がり、それを聞いたの子(Vo, G)が「おいお前、俺を誰だと思ってるんだ! 大丈夫、もっと熱くさせてやるよ!」と返答。その言葉どおり、「肉魔法」「笛吹き花ちゃん」といったロックナンバーを立て続けに披露し、会場の熱気を上げていく。「聖マリ」ではmonoがデジタルパーカッションに担当楽器を持ち替え、パーカッシブなビートと浮遊感のあるノイズギターでアンサンブルを構築。シューゲイザー成分が多めなセットリストが展開される中で、ラストに「芋虫さん」が一段とホーリーな演奏で披露されライブは終了した。の子は最後に客席に向かって「今日はいろんな人に会えて楽しかった! ありがとう!」と叫び、上機嫌でステージをあとにした。

神聖かまってちゃんの子(Vo, G)の子(Vo, G)

VOICE FES 2012 presented by NTT Communications「050 plus」

IDOL DAY
2012年11月27日(火)
東京都 Zepp DiverCity TOKYO
OPEN 17:00 / START 18:00
<出演者>
SUPER☆GiRLS / 東京女子流 / Cheeky Parade / ベイビーレイズ / 南波志帆
ARTIST DAY
2012年11月28日(水)
東京都 Zepp DiverCity TOKYO
OPEN 17:30 / START 18:30
<出演者>
May'n / 神聖かまってちゃん / DE DE MOUSE / IA×じん

SUPER☆GiRLS (すーぱーがーるず)

2010年に結成されたエイベックス所属の女性アイドルグループ。現在のメンバーは八坂沙織、志村理佳、稼農楓、渡邉ひかる、宮崎理奈、勝田梨乃、荒井玲良、田中美麗、溝手るか、後藤彩、前島亜美の11名。「みんなで育てるアイドル」をコンセプトに、ファンの意見や応援を反映させるシステムを導入しており、CDジャケットのセンターポジション選出、CDブックレットのプロデュース、歌のパート割りなどにファンの声が取り入れられている。2010年12月にアイドル専門レーベル「iDOL Street」の第1弾アーティストとして、アルバム「超絶少女」でメジャーデビュー。翌2011年末には第53回日本レコード大賞新人賞を受賞した。2012年10月に6thシングル「赤い情熱」をリリースし、オリコンウィークリーチャート初登場2位を記録。


2012年12月17日更新