田丸浩史（たまるひろし）
- 性別：男
- 血液型：O型
- 生年月日：1970年2月21日
- 出身地：大阪府
2020年で50歳、そしてデビュー30周年を迎える田丸浩史。「成長しないところがウリ」と担当編集者が語る、イノセンスな感性とギャグセンスはどのように育まれたのか。その源泉を探るべく、趣味の話題や青春時代の思い出など、創作と一見関係がなさそうなものも含め、いろいろなことを質問してみた。
もの集め- 革ジャンが家に70～80着はあると思う。ニール・バレット、ドルガバ、サンタクローチェ、日本のだとバックラッシュ。最近は60年代～70年代ぐらいのイースト・ウエストにも手を出してて、もう置く場所ないだろうって（笑）。昔はお金がなかったから買えなかったものを、マンガ家になってお金を使えるようになったから集めてるんです。バイク用のヘルメットもヴィンテージのを集めてるのだけど、eBayで買ったら中からカッターの刃がボロンって出てきたり、スポンジ部分に髪の毛がワーッて埋まったりしてて「うわ、怖っ！」って驚きますね。
もの作り- もの集めから派生した趣味なんですけど、イースト・ウエストの服なんかを買おうとしたら普通に40～50万するから「もうこれだったら、けっこう単純な作りだから自分で縫ったほうがいいんじゃないか」とか言って。それでトルソーを買ってきて、自分で型紙作って、ミシンで縫ったりしてます。ただ、3着作っただけでもう止まっちゃってて、何年も続けてる趣味っていう感じでもないですけど。
音楽- ずっと仕事場にいるんだから音楽はいい環境で聴こうと思って、でっかいスピーカーとかアンプを買ったんですよ。B&Wのいいやつ。両親が同居してるので、音が漏れないよう壁も注文建築で内側に防音材みっしり入れてもらって、オーディオ用に200ボルトの電源作って、スピーカーも100kgぐらいあるんで、それのために下も補強してもらった。ただ、今飼っている犬の前の犬が老衰でヤバいかなってときに、音楽聴いてるとなんかあってもすぐにわからないから、全然聴かなくなっちゃって。今は柴犬を飼ってるんですけど、柴犬は柴犬で音に敏感だから。習慣が変わっちゃいましたね。
笑っちゃうぐらいうれしいことないんですよね。本当に。なんかあってほしいんですけど。
そもそも怒ることもあんまりないんです、実は。でも、その分内側に溜め込んでいて突然にキレるみたいなパターンはあって。昔「レイモンド」のおまけページについて田山さんと電話で話してて、「セリフこことここ削って」とか言われて、それ電話で聞きながら原稿ビリーッビリーッて破いちゃって（笑）。結局そのおまけページにはレイモンドの顔の捨てカットがポンポンポンポンって並んだということが。
（あったあった…by田山）
- Q「これは楽しかった」という思い出は？
- A思い出すと、高校のときにツレと一晩中バカみたいにしゃべったりとか、そういうのが記憶に残ってるし、楽しかったなあ。
- Q好きな食べ物は？
- Aしゃぶしゃぶ。焼き肉とかステーキも好きだけど、歳を取って脂の強い肉がちょっと食べられなくなってきて。昔は飲みに行って最後らへんで「追加でミスジ！」とか言ってたけど、今はもう最初の一発目じゃないとミスジなんて食べられない。
- Q好きな色は？
- Aその時々で変わっちゃうんですけど、今は濃い目の黄色。レモンイエローとか、濃くない黄色はダメ。
- QFF派？ ドラクエ派？
- A圧倒的に「FF」。シリーズで一番思い入れあるのが「Ⅶ」なので、リメイクがどうなるのか気になってます。キャラのビジュアルがホストっぽくなりすぎると「ああ、俺これ無理。できない」ってなっちゃうから。でも映像見たらバレットがちゃんとカッコよかったから、すごく期待してます（笑）。
- Q好きなお菓子は？
- A最近はパンケーキ。この前、知らずに入ったお店が乗っ取り疑惑のあるとこで、おしぼりに書いてある名前を見て「あ、ここあの店か！」ってなりましたね。
- Q座右の銘は？
- A考えたけど、ないですね。「男の価値は修羅場の数が決める」とかなんかで見たけど、修羅場の経験とかないし（笑）。
- Q右利き？ 左利き？
- Aもともと左利きだったのを右利きに矯正しました。でも、ものを書くのは右なんですけど、バットを振るのは左。矯正してる期間にバット持つってことがなかったから「あれ？ バット持ったら左のままやん」って、あるとき気が付きました。
- Q大きな怪我、病気をしたことはありますか？
- A怪我は13針縫ったとか、骨折程度なら。病気は結石があるぐらい。結石って、成人男性だと11人に1人とかそのレベルのはずなんですけど、うちは家族全員なんですよ。水が悪いのかな？
- Q懸賞に当たったことは？
- A少年サンデーの1500号記念みたいなレコードが当たったことがあります。当時の連載作家がみんなでクリスマスソングを歌ってるやつで、安永航一郎さんとかが参加してました。もう手元にないけど。
- Q好きなテレビ番組は？
- A海外ドラマの「ウォーキング・デッド」。井上行広が「田丸、これ好きやろうから見ろ！」って「24 -TWENTY FOUR-」をくれたんですけど、シーズン3からなんですよ。1と2どうすんねん。
- Q好きな映画は？
- Aミロス・フォアマンの「アマデウス」。ジブリだと「もののけ姫」が一番好きですね。
- Q好きなブランドは？
- A革ジャンだったらイースト・ウエスト、シルバーだったらガボール。
- Qお気に入りの場所は？
- Aおもちゃのさいとうがまだあったら、挙げてただろうなって思いますね。お店のあった場所は、今はおでん屋になっちゃいました。行ったことないけど。
- Q初めて自分で買ったマンガは？
- Aあんまり覚えてないんですけど、「がきデカ」か「できんボーイ」か「まことちゃん」。
- Q死ぬまでにやってみたいことは？
- Aスラックライン。やるぞ！って、でっかい箱に入った道具と木に巻くやつを買ったのだけど「よし！」「じゃあ、とりあえずしまっとこう」てなって。それ以来、出してません。
- Qベストヒロインは？
- A「プラレス3四郎」アニメオリジナルキャラのミスティ。強気な女の子が好きなんですけど、あれがけっこう原点だと思います。
- アメリカン
- 車の免許持ってないのに言うのもあれなんですけど、古いアメ車とか。バイクだったら、ハーレーのビカビカなやつとか、ああいう派手なの好きですね。
- 柴犬
- 犬だったらもう圧倒的に柴犬。つぶらな目。あの、素朴な感じ。僕がベッド入ったらついてきて、ベッドに上がってきて顔の横で丸くなって寝るんですよ。ただ臭いんですよね（笑）。
- 古いもの
- 時計の古いやつが好きで、投げ売りされてるような本当にぼろっぼろっの、文字盤がすごい錆びてるオメガを見て「うわー、買うー！」とか言って買っちゃう（笑）。でも腕時計をアンティークって呼ぶと、100年以上も経ってないようなものをアンティークとか呼んだらあかんって鼻で笑う人がいて。「腕時計って、そもそも作られてから120年ぐらいしか歴史ないよね？」みたいな気持ちになります。世の中のアンティーク、ヴィンテージ趣味みたいなのと俺が言う「古いものが好き」は、ちょっと違うのかも。
- シルバーアクセサリー
- ゴテゴテしたやつ好きで、集めてます。革ジャンと同じで自分で作るほうもやってて、今日履いてる靴の留め具のシルバーは自分で作りました。原型をワックスで作って、キャスト屋に持ってって「これを100個お願い」とか言って。作ってもらったやつを、靴とか持ち物に取り付けてます。
- 癖
- 重いやつで言うと、利き手を矯正しているときに発症したチック。軽いやつだと、鼻毛を抜いちゃう。自覚してるので、もういっそ匠の毛抜きみたいなのを買ってちゃんとやろうと思って、ぶちぶちぶちぶち抜いてたら鼻毛があんまり生えなくなっちゃった。
- コレクション
- スカルモチーフのもの。石で作られたドクロを中国からわざわざ輸入して買ったり、さっきから挙げてる革ジャン、ヘルメット、シルバーもスカルのやつが多いです。冷静に考えたら石のやつだけでも300～400万分くらいスカルに使ってて「俺バカじゃないの？」と思うことも……。
- 動物に例えると
- 柴犬？ 人からも「柴犬みたい」って言われたことがあるんで。
- コンプレックス
- 絵が苦手なので……もうちょっとうまくなりたい（笑）。マンガ家やって30年になるのに、いまだに原稿を裏返してデッサンの確認してるんですよ。やらずに済むようになりたいですね。
- 尊敬
- キッチリ働いてる人。高校のときのツレとかも、年齢的にキッチリ仕事して家庭を持ってる人多いと思うんですけど、たぶん今会ったら目をそらします。「あ、俺こんなに立派な大人じゃない」って。
- 好きな歌詞
- 「南の虹のルーシー」のエンディングで「葉っぱのごちそう たっぷりもらい」ってところとか？ アーティストを挙げるならZABADAKだけど、あれは歌詞っていうよりメロディが好きなので。
- 地元
- 近所にね、老人ホームがあるんですけど、その老人ホームの正面と横がラブホなんですよ（笑）。両方とも30年以上前からあって、どっちが先にできたかはわからないんだけど。その老人ホームの敷地内に今度は保育園を作り始めて「ええ、横と正面がラブホなのに保育園作るの？」って。そんな町です。
- 人生をやり直せるとしたら
- やり直すとしたら「ラブやん」の連載始まった直後ぐらい。もうちょっとアニメ化できるやつ描けよ！って。それ以前まで戻って人生やり直したいかって言われると、すごいめんどくさいから嫌。
- マンガ家になってなかったら
- もの作りが好きだから、うまくいってたら何かの職人。ダメだったら、フリーターをやってたかな。学校も、偏差値40あるかないかのFランだったし……。
- イタズラ
- 美樹本晴彦先生の「機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル 天空の学校」っていうマンガがあるんですけど、あれの原作小説を書いてる中原健一。高校の同級生なんですけど、アイツの家に行って自転車を分解して、組み立て直したんだけどなぜかパーツが余ってしまって、それをザラザラっとドブの中に捨てた。最初「すげえ！ 余った！」ってはしゃいでたんだけど、余るはずがないから「これは何？」ってなって。あと印象に残ってるのは、ツレの家にベランダから侵入して兄貴の部屋に行って、エロ本を全部出して鴨居の上にガーって出して帰ったのとか（笑）。どっちもすごく怒られた。
- 部活
- 仲間と映研とパソコン部を作ってました。1回だけゾンビ映画を作って、あとはなんもやってないけど。もう映画好き、映画観る、みたいなそれぐらいのノリでした。映画の試写会が当たって、平日だけど学校をサボって行こうって話になって、駅で待ち合わせしたんですよ井上と。そしたら、待ってる間に体育教師が降りてきて「田丸お前ここで何してんねん」って怪しまれて、「僕、これからちょっと病院行くんですよ」って怪しい言い逃れをして。やっぱり高校はいろいろあって楽しかったです。
- アルバイト
- 印象に残ってるのは、ガソリンスタンドのバイト。新人いじめがすごくて、事務所の2階から生卵を背中に投げつけられたり、作動させた洗車機に突っ込まれたり。常連のヤバそうな客の車を清掃してるとき、運転席のマットを上げたらパッケージされた謎の白い粉が出てきて「わー！」ってなったり。そんなことばかりあって2週間で辞めました。無理無理（笑）。あとはドブさらいに駐車場の受け付け、花火大会のあとのゴミ拾い、いろいろやりました。
- 家族
- 親父がいっぺん倒れたことがあって、そのときは「あ、もうマンガ家とか言ってられへんわ」と思って伸ばしてた髪も切って、就職しようとしました。でも、致命的な病気と思ってたのが全然治る病気だったのでそれで「よし、もういっぺんマンガ家目指そう」ってなって今に至ります。ほかにも親父の話は「ヒロシ」でたくさん描いてるので、そっちを読んでもらえたらなあと。
- 田丸浩史「よりぬきヒロシさん 気まずいの以外全部出し」
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田丸マンガを確立した初連載「超兄貴」以前の「ヤクざもん」から最新の「コス地蔵」まで、1992～2014年の22年間にさまざまな誌面で発表した作品から本人が選んだベスト・オブ・ベスト！
- 田丸浩史「ここ10年分のヒロシ。」
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Kindle版 税込1320円
マンガ家・田丸浩史が自らをキャラクターとして切り売りし、あらゆる媒体に出現し続けた絵日記マンガ「最近のヒロシ。」大ボリューム完全版！ 不惑のヒロシ、ここ10年の集大成！
- 田丸浩史「レイモンド①」
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未来から来た海兵型ロボ・レイモンド。ごく普通の小学生・倉敷瑞希はコイツに居候されて大迷惑！ 夢と希望がいっぱい詰まったハズのアイテムが海兵の股間の四次元ファスナーから次々飛び出して……!?
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海兵型ロボ・レイモンドの股間の四次元ファスナーから夢と希望がいっぱい詰まったはずのアイテムが出まくって大変なことに！ ファンキーな殺人和尚・一休みさんや悲劇のコメツキムシファミリーなど新キャラも登場!!
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ジャイアニズム女子・瑞希のもとに未来から送り込まれた米海兵型ロボ・レイモンドと次々に現れる緊張感に欠ける刺客たちが、超時空的スケールと4畳半的せせこましさで繰り広げるグダグダ日常ギャグ最終巻！
- 田丸浩史（タマルヒロシ）
- 1990年に読み切り「野球戦士カツヒコ」でプロデビュー。少年キャプテンにてゲームのコミカライズ「超兄貴」を初連載後、オリジナル作品「アルプス伝説」を連載。1999年にAICコミック♡ラブでアニメのコミカライズ「課長王子 外伝」を、2000年からは月刊アフタヌーン（講談社）で「ラブやん」の連載を開始し特異な作風による人気を決定付ける。また自身の交友関係をギャグ化したドキュメント的な「最近のヒロシ。」や、ゆうきまさみとの共作「マリアナ伝説」などでは、純粋なオリジナル作品とは違う持ち味を発揮している。ほか連載作品に「レイモンド」など。短編集は本人の中で過去作品と向き合うことへのハードルが高いため、今回が初となる。
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