嘘つきでミステリアスでセクシー?花江夏樹と植田圭輔が向き合った「ヴァニタスの手記」主人公の正体 (2/2)

自分にとっては挑戦的なキャラクター(植田)

──お次は舞台版についてお話を伺っていこうと思います。植田さんは舞台「ヴァニタスの手記」に出演が決まったときどういうお気持ちでした?

植田 なかなか自分に回ってくることがないタイプの役だと思いました。だから自分にとっては挑戦的なキャラクターだと感じています。

──具体的にはどういう部分が挑戦的だと感じたんでしょうか?

植田 色っぽさですね。僕もいい年なので、色気のひとつも出せないとこれから戦っていけないんじゃないかと思っていて……。

花江 いやいやいや(笑)。

植田 (笑)。がんばろうと思いました。

植田圭輔

植田圭輔

──花江さんも先ほどアニメでヴァニタスのようなキャラクターを演じる機会が少なかったとおっしゃっていたので、植田さんにとっても花江さんにとっても挑戦的な役だったのかなと思ったんですが、いかがでしょう?

花江 挑戦というよりは、演じていて楽しくて新鮮でしたね。演じる方によっていろんな表現を見せられる役だと感じていたので、「自分ならどうやるかな」って考えるのが毎週楽しかったんです。

──なるほど。

花江 植田さんが僕のヴァニタスを参考にしていただいているのはもちろんありがたいなと思いますが、植田さんご自身の解釈で演じるヴァニタスも見てみたいので、今から楽しみです。

植田 ありがとうございます!

「ヴァニタスの手記」は舞台に向いている作品だと思っていた(植田)

──植田さんはヴァニタスを演じるうえで意識していることはなんでしょうか?

植田 ヴァニタスの複雑な生い立ちや、過去の出来事などは舞台版においては少し割愛されてしまう部分もあるんです。だから原作を踏まえて落とし込みどころなどを演出家と話し合って、自分の中できちんと納得したうえで、発声やノエとのやり取りを理解して演じるようにしています。そもそも「ヴァニタスの手記」は舞台に向いている作品だと思っていたんですよ。会話劇の面白さと世界観の華やかさに、音響と照明を加えてより豪華な舞台としてお届けできると思いました。

植田圭輔

植田圭輔

──先日植田さんをはじめとするキャストの皆さんが役衣装で集合したビジュアルが公開されましたね。細部までこだわった衣装に喜んだファンも多かったと思います。

植田 普段はなかなかないことなんですけど、この作品ではビジュアル撮影までに衣装合わせを2回しているんですよ。魅せ方に特化した衣装を作っていただきました。

花江 ヴァニタスの服ってヒラヒラしているので、舞台版ではどうなるのかなと思っていたんですが、ディテールが凝っていてすごく素敵でした。衣装に負けない植田さんのカッコよさももちろんですが、キャストの皆さんからいろんなオーラがだだ漏れでしたね……。小道具のヴァニタスの書も少し触らせていただいたんですが、細部までこだわって作られていて、このまま持って帰りたいって思ったぐらいです。

植田 (笑)。マントのシルエットも原作に沿ってすごくこだわって作っていただいているんですが、実際に舞台の衣装として動きやすさなどをどうするかという部分は、演出の山崎(彬)さんと相談しながら進めてます。とにかくビジュアル面も本当にこだわりにこだわっていただいているので、周囲の支えでヴァニタスにしていただいているなと思っています。

没入感をお届けできたらと思っています(花江)

──取材前に、植田さんがご出演されていた「鬼滅の刃」の舞台について花江さんが少しお話しされていましたが、花江さんはご自身が参加されていたアニメの舞台版をご覧になることはありますか?

花江 時間が合うときは伺うようにしています。でも僕は舞台を観に行くと、自分の演じていたキャラを目で追ってしまって、親のような目線で見てしまうんです。自分の子供が発表会をしているような気持ちで、「がんばれ、がんばれ……!」という目線で見てしまって……。

花江夏樹

花江夏樹

植田 (笑)。

花江 「ヴァニタスの手記」もぜひ観に行きたいですね。先ほども言いましたが、ヴァニタスは演じる方によって変わってくるキャラクターなので、舞台版の彼がどうなるのか気になっていますし、ほかのキャストさんたちもどういう解釈でそれぞれ演じているのか楽しみにしています。

植田 ありがとうございます! 毎日花江さんに見られている気持ちでがんばります!

──アニメも舞台も開幕がとても楽しみですね! それでは最後に、花江さんにはアニメ第2クールを、植田さんには舞台版を心待ちにしているファンに向けてメッセージをお願いいたします。

花江 パリのいろんな場所で物語が展開していく第1クールとは違って、第2クールは大部分が同じ場所でお話が進んでいくんですが、そのぶん視聴者を飽きさせない映像や演出を意識していると監督がおっしゃっていました。ですからキャストとしては、今まで以上にキャラクターに命を吹き込んで、没入感をお届けできたらと思っています。アフレコをひと通り終えた感想としては、今まで以上にヴァニタスやほかのキャラクターの過去が深堀りされていて、演じる我々も熱が入ったので、オンエアを楽しみにしていただければと思います!

植田 どの表現者もそうだと思うんですが、演出家やスタッフ、キャストたちと協力して、作品への愛を表現していればその思いは、観ている方にきっと伝わると思っています。 舞台版の「ヴァニタスの手記」を自分たちも楽しんで演じることを心がけつつ、先ほど「舞台に向いている」と僕がお話ししたことを証明できるようにがんばります! ぜひ楽しみにしていてください。

TVアニメ「ヴァニタスの手記」第2クールより。

TVアニメ「ヴァニタスの手記」第2クールより。

TVアニメ「ヴァニタスの手記」第2クールより。

TVアニメ「ヴァニタスの手記」第2クールより。

プロフィール

花江夏樹(ハナエナツキ)

1991年6月26日生まれ、神奈川県出身。主な出演作は「鬼滅の刃」の竈門炭治郎役、「東京喰種」シリーズの金木研役と佐々木琲世役、「四月は君の嘘」の有馬公生役など。2022年春放送の「群青のファンファーレ」に天音・グレイス役、4月放送の「ヒロインたるもの!~嫌われヒロインと内緒のお仕事~」に榎本虎太朗役、「サマータイムレンダ」に網代慎平役で出演するほか、4月1日公開の「映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ」に主人公・小戸川役で出演する。

植田圭輔(ウエダケイスケ)

1989年9月5日生まれ、大阪府出身。2006年、第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストのファイナリストに選ばれ、2007年のデビュー作「少年陰陽師 歌絵巻」で主演を務めた。主な出演作に「弱虫ペダル」シリーズの真波山岳役、ミュージカル「ヘタリア」シリーズの日本役、舞台「文豪ストレイドッグス」シリーズの中原中也役、舞台「鬼滅の刃」シリーズの我妻善逸役、「ワールドトリガー the Stage」の空閑遊真役など。今後の出演予定として、ライブイベント「MANKAI STAGE『A3!』Troupe LIVE~WINTER2022~」の御影密役、舞台「東京リベンジャーズ -血のハロウィン編-」の松野千冬役などがある。