気持ちを切り替えたいときに2人がするルーチンは

──明には仕事モードに入るときの独特なルーチンがありますが、おふたりも気持ちを切り替えるためのルーチンなどありますか？

興津　人としゃべらないことかな。話した相手の考えていることが乗り移るような気がして。

安済　へえー！ 現場でも、プライベートでもですか？

興津　うん。切り替えるときは一旦しゃべらない。……暗そうに見えるかな？ やっぱり「コーヒーを飲む」って書いておいてください（笑）。

──そんなことないですよ（笑）。安済さんはいかがですか？

安済　家を出ることですかね。家の中が大好きで、仕事以外ではなるべく家から出たくないなと思っていて。休みの日にいかに引きこもるかを考えて、前もっていろいろ買い出ししておくくらいに（笑）。プライベートの予定も、仕事で稼働している日の空き時間に入れたいくらいです。

興津　なるほどね。休みの日は本当になんにも予定も入れないで家にいたいんだ。

安済　そうなんです！ 家から外に出たら全部“オン”っていう気持ちになっちゃうので。だから家を出るだけで気持ちは切り替わります。「1日が始まるな」って。

興津　プロやな──。

安済　家にいると“オフ”の状態なので、いろいろやらなきゃいけない“宿題”を「何時からやろうかなあ」って後回しにしちゃうこともありますね（笑）。

興津　あるある。でも宿題は朝に起きて昼までに終わらせるのが一番いいよ。「明日にしよう」って思って寝ちゃうと、僕は夢で仕事してたりしますもん。「終わった。よし！」って思ったら目が覚めて、もう1回やらなきゃいけなくなるみたいな（笑）。

安済　あはは（笑）。朝活ですね！ 見習います。

見返して考えてほしい“ザ・ファブル”の意味

──Blu-rayが9月から順次発売されるにあたり、これからTVアニメ「ザ・ファブル」を初めて観るという人もいるかと思います。

安済　私もまだ完成した映像を全部は観られていないので、早く全話観たいです！

──観るのが楽しみなシーンはありますか？

安済　佐藤とクロちゃん（黒塩遼）がキャンプするところです！

興津　キャンプじゃない（笑）。

安済　そうでした（笑）。

──山でサバイバル生活をする明に、黒塩がキャンプ気分でついて行って大変な目に遭うエピソードですね。

安済　クロちゃんにとっては修行みたいなものでしたね。私が初めて収録現場に入ったときに、興津さんからサバイバル生活のシーンを録ったという話を聞いて、原作を読んだときから好きなエピソードだったので「あのシーンもアニメでしっかり描かれるんだ！」とうれしい気持ちになりました。

──一見コミカルながらも、これまでの明の壮絶な生き方が垣間見えるエピソードですよね。ちなみにBlu-rayでは2025年3月26日発売のVol.3に収録される予定です。

安済　待ち遠しいです！ アニメを毎週1話ずつ観ても楽しいんですけど、まとめて観ることで見えてくることがあったり、考えがまとまったりすると思います。一度アニメを観たことがあっても、改めて新しい魅力が見つかると思うので、何度でも楽しんでもらえたらと思います。

興津　僕はマンガも一気読みするタイプなので、これからBlu-rayでアニメに触れる人はまとめて観ることができて本当にうらやましい。一気見して初めてわかることもたくさんあると思うので、ぜひともBlu-rayを揃えて、2クール分通して観てほしいです。ファブルの“人を殺さない普通の生活”が、アニメで体験できると思います。

──Blu-rayにはオーディオコメンタリーも収録されると伺いました。

興津　それぞれの役についてなど、いろんな話をしています。これまで「ザ・ファブル」の役の話って、キャスト同士であまり語り合わずに来たみたいなところがあったんですよ。でもオーディオコメンタリーではそのあたりの話にも触れているので、改めて僕たちが何を考えてキャラクターを演じているかがわかるかもしれません。

──どんな話をされているのか聞くのが楽しみです。

興津　それを聞いたうえでまたアニメを見返すと、さらに違った発見があると思います。観ていて心に生まれる感情もあるんじゃないかな。その生まれた感情がなんなのか、思いを巡らせてもらいたいですね。そして皆さんにもぜひ考えていただきたいと思います。“ザ・ファブル”の意味ってなんでしたっけ、ってね。