DVD-BOXは軽い気持ちで観たい人に（大森）

──9月には「テラフォーマーズ リベンジ」のDVD-BOXが、破格の値段で発売されますね。しかもBlu-rayが全巻出る前に。

大森　そうなんですよ。Blu-rayは6月から12月まで、全7巻が出るんですけど、9月28日に全話入ったDVD-BOXが、なんと9612円で出ます（参考：「テラフォ リベンジ」DVD-BOX、BD最終巻の3カ月前に超安価でリリース）。

福田　安い！

──あれ、監督はご存知じゃなかったんですか？

福田　いや、もちろん知ってますけど、通販番組風に（笑）。

──すみません、ありがとうございます（笑）。普通BOXというと安くても2万円はしますし、安価でリリースされる場合もしばらく時期が経ってからですよね。どういった理由で、この形態でリリースされることになったんですか。

大森　海外ドラマのBOXって、だいたいこれぐらいの値段でやってるんですよ。いろんなオマケがついたBlu-rayをコレクションしたいなっていう人はもちろんそっちを買っていただければと思うんですけど、そうじゃない、海外ドラマの1シーズンを一晩で観るような層にも手が届くんじゃないかと。あとは、この対談が公開される頃には情報が出てると思いますけど、第1期のBOXも同じ値段、同じ発売日に出ます（参考：「テラフォーマーズ」第1期DVD-BOX、第2期と同じく全話収録で1万円以下）。

──じゃあ一気に揃えられるんですね。

大森　「これは面白そうな春アニメだな、チェックしとこう」っていう層以外にも、通りすがりに見て「名前知ってるな、面白そうだな」って思ってくれる層もいますよね。世間的に「テラフォーマーズ」っていう言葉が踊っているタイミングで、映画を観た人なんかが「じゃあアニメも観てみようかな」って軽い気持ちで1期、2期を安い値段で観てもらうことの意味は、広い視野で見ると大きいんじゃないかなと。

福田　僕も作品に関わるときには、プロデューサーの方に「安く売ってください」って常に言ってますね。

大森　でもさすがにここまで安いとは思わなかったでしょ（笑）。

福田　これはもうお見事ですよ。でも本来このくらいで売るべきだなあと。

大森　物を買う楽しみとしてね、いい洋服とかいい車を買うお金をポーンと出す、その楽しみもあると思うんですよ。あと毎月、毎週出るものを待つ楽しみもあるし。けどどの形で楽しむかはお客さんの自由なので、今回は「こういう提案するんですけどどうですかね？」ってことですね。旧作のBOXを安く出すことはいくらでもあるんですけど、新作でしかもBlu-rayとDVDでそれぞれ仕様を変えてそれをやるっていうのは新しいんじゃないかと思います。深夜アニメだと初めてじゃないかな？ 値段もそうなんですけど、実は「1回買えば済む」ってところがミソなんですよ。ソフトを何カ月も買い続けるのって、テンションを維持させるのが大変じゃないですか。だからそこもお客さんにとって優しいんじゃないかな。

福田　やっぱり毎月だと、どうしても大変ですよね。それにしてもこれは野心的な挑戦的ですね。これだけは最後に言わせてほしいんですけど……こういう野心的なことをやっている作品に参加できて良かったです。