TVアニメ「信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!」(以下「無限ガチャ」)の放送が10月3日にスタートする。明鏡シスイの小説が原作の同作では、主人公の少年ライトがパーティーの仲間に、世界最大最悪のダンジョン・奈落で裏切られたことから物語が動き出す。奈落の底で生き延びたライトは、そこで己の恩恵(ギフト)「無限ガチャ」の真の力を知り……。絶望の果てから這い上がったライトの、世界を揺るがす復讐劇が描かれる。
コミックナタリーではメインキャストであるライト役の玉城仁菜、ライトの「無限ガチャ」によって仲間となるメイ役の長谷川育美、ナズナ役の菱川花菜、アオユキ役の井澤詩織、エリー役の真野あゆみにインタビューを実施。観たら「スッキリする」という復讐劇の魅力から、アフレコ現場の様子、さらにギフト「無限ガチャ」を手に入れたら?といった話題まで語り合ってもらった。
取材・文 / ナカニシキュウ撮影 / 小川遼
インタビュー
スカッとする復讐劇
井澤詩織 この作品の特徴は何かと言われたら、やっぱりまずは“復讐”だよね。
玉城仁菜 そうですね。スッキリ復讐劇が進んでいくので、ストレスなく観られるというか。
長谷川育美 とくに序盤は、あまり苦戦することもなく……。
玉城 そう、序盤は全然苦戦しない(笑)。
井澤 しかも悪役側が本当に悪い人たちだから、心おきなく主人公目線で観られるんだよね。
玉城 悪い人が“ちゃんと悪い”んですよね。
真野あゆみ 悪役キャラたちの言動がひどすぎて、逆に面白くなっちゃうときもあるくらいで(笑)。「いくらなんでもひどすぎるー!」って笑えてきちゃうみたいな。
菱川花菜 第1話でのライトに対する仕打ちが本当にひどすぎるから、復讐シーンを観ても「やりすぎ」とかまったく思わないんです。ライトはけっこう冷酷な仕返しのしかたをするんですけど……。
玉城 「もっとやったほうがいい!」ってなる。
一同 あはははは!(笑)
長谷川 ヘイトが向けられるキャラであればあるほど復讐劇がスカッとするから、その意味でこの作品は“振り”がすごく効いてると思う。
真野 やられ役の皆さんのお芝居もすごくパンチがあって、この復讐劇をより魅力的にしてくれてたなって。
長谷川 確かに! 役柄もそれぞれ個性が際立ってるし。
玉城 復讐シーンでやられるときの表現が、“ザ・雑魚のやられ方”みたいな感じで(笑)。それがもう、めちゃくちゃお上手で……!
井澤 “やられ芝居”は、本当に皆さん楽しそうだった(笑)。茅野愛衣ちゃん(サーシャ役)があんな汚い言葉を言ってるのも初めて見たし。「このクソがー!」みたいな。
一同 確かに確かに!
真野 「ナメクジ野郎!」みたいなセリフもありましたよね(笑)。最初に台本をいただいたときにそのセリフを見つけて、「早く茅野さんの声で聞きたい!」ってワクワクしちゃいました。
長谷川 この作品は、やられる側の“負け方”がすごく大事だと思うんです。皆さん、序盤の“振り”の段階ではもう気持ちいいぐらい威張り散らしてくれて、やられるときは気持ちいいぐらい負けてくれる(笑)。「最高ー!」と思いながら聴いていました。
真野 本来すごく胸糞悪い悪役たちなのに、皆さんのお芝居のおかげでちょっと笑っちゃう(笑)。憎めない感じになるというか。
井澤 視聴者の皆さんにはぜひ、やられ芝居に注目していただきたい。非常に楽しんでいただけると思いますね。
推しが見つかりやすい作品
菱川 悪役もそうですけど、登場するキャラクターがみんなパキッと個性が分かれているから、個人的な推しが見つかりやすい作品なんじゃないかなと思います。
玉城 絶対に誰か1人くらいは癖(へき)に刺さるキャラクターがいると思う。
一同 癖(笑)。
菱川 例えばメイなんかは、妖精メイドたちを叱るときめっちゃ怖いんです。ライトには絶対に見せない表情で、それがもうたまらない人には「ありがとうございます!」って感じで(笑)。
真野 癖に刺さるだろうと(笑)。
長谷川 メイはフォーナイン(レベル9999の4人)の中で言うと一歩引いた、支えるポジションという印象があって。行動理念の基本がすべて「ライト様のため」ではあるんだけど、あまり自分からグイグイ「ライト様ライト様!」って行かないところがメイらしさなのかな?というのは演じながら思っていました。
玉城 ライト目線で言うと、メイはライトが最初に引き当てたカードということもあって、ちょっと特別な信頼を置いているのかなって。お互いに程よい距離感を保ってる感じがめっちゃいいなと思ってますね。
長谷川 長年寄り添った夫婦的な感じがあるんだよね。
真野 その特別な絆みたいなものはずっと感じてて、エリーとしてはちょっと嫉妬してました(笑)。
菱川 エリーはメイと真逆ですもんね。もうずっと「ライトライトライトライト!」って感じで……。
玉城 一番グイグイ来てくれるのがエリーだと思う。
菱川 敵に回したら一番怖いキャラクターですよね。
井澤 知性担当でもあるからね。難しい説明担当(笑)。魔法の解説とかエグかった。
玉城 とんでもない行数のセリフありましたよね。後のほうの話数になると、ハンパなく難しいことばっかり言ってたイメージです。
真野 最初はメイがその役割を担ってたから、ちょっと他人事のように思ってたんですけど(笑)。まさかこうなるとは思ってなかった。
長谷川 いつの間にか役割がそっちに移ったという(笑)。
「あの子は……まあいいか」みたいな
玉城 エリーはすごく賢いキャラクターだけど、ナズナとしゃべるときは同じ目線に降りてあげられるんですよね。2人の会話がすごくかわいくて、そこのギャップがいいなと思ってました。
菱川 「低レベルな会話」って言われてましたもん(笑)。ナズナはきっと何も考えていないだろうから、こっちも考えずに勢いで演じようと思って、自分のIQを下げる気持ちで収録に臨みました。
長谷川 メイ的にも、ナズナに関してはちょっと諦めてるところがあるというか(笑)。みんなに何かを伝えるときも「あの子は……まあいいか」みたいな。
玉城 でも、力の面ではたぶん一番信頼されているキャラクターだと思います。ライトも「ナズナに任せておけば大丈夫だよ」って言うし。
菱川 普段は全然そんな感じじゃないんですけどね(笑)。めっちゃ歌うし、うるさいし……それに対して、アオユキはミステリアスですよね。普段ほとんどしゃべらないのに、急に難しいことを言い出したり。「否!」とか言いますし。
長谷川 たまにしゃべったと思ったら、急に難しい言葉を連発するっていう(笑)。
井澤 基本的に「にゃー」しか言わないからね。「今日の収録、『にゃー』を2回言っただけだったな」って日もあったぐらい(笑)。
一同 あはははは(笑)。
長谷川 アオユキ独自のポジションがあるというか……。
玉城 あんまりグイグイ来る感じじゃないのに、常にライトの近くにはいるんですよね。
井澤 フォーナインのみんなは「ライト様! 畏れ多くて近寄れません!」みたいなテンション感のところ、アオユキだけは猫のようにすり寄っていっちゃう。甘え上手だなとは思いますね。
菱川 マジ猫ですもんね。ゴロゴロされて喜んでる表情とか、めっちゃかわいい。でもスイッチが入ると目がギランってして、狩りモードにガラッと変わる感じがたまらないです。ゼロと100しかない(笑)。
優しい人間になります
真野 そんなフォーナインたちから熱烈に愛されてるのに、一切調子に乗らないライトくんはすごくカッコいいなって思います。
長谷川 まったく動揺しないもんね。そういうシーンがあってもおかしくないじゃん。女の子たちに迫られてドギマギするみたいな。
玉城 そういうのは全然ないですね(笑)。唯一、第1話でメイと出会った瞬間だけはちょっと照れてたけど、それ以降はまったく……。
長谷川 ホントに最初の最初だけだよね。モテに慣れるのが異常に早い(笑)。適応能力が高すぎる。
菱川 王者の風格がありますよね。
真野 私はそういうところに惹かれちゃうかも。
菱川 けっこう笑顔でえげつないことをサラッと言ったりもするじゃないですか。私はライトのそういうところが好きですね。本心があまり顔に出ないところ。
長谷川 すごまないからこその怖さがあるよね。逆に怖い、みたいな。
玉城 基本いつも笑顔だけど、笑顔の種類がいろいろあるんですよね。ディレクションでも「そこまで冷たくしないで、淡々と言ってください」という指示があったりもしましたし、「どういう声色でしゃべろうかな」といろいろ考えながら演じられたのがすごく楽しかったです。
長谷川 ライトって復讐心はえげつないけど、人間性としてはすごく優しい子じゃん? そこがたまちゃん(玉城)自身の人柄ともすごくリンクしてるなって思います。
真野 そうそう。アフレコ現場でも、相手が先輩だろうと分け隔てなく積極的に話しかけていて。そういうところがすごくライトくんみたいだなあって私も思ってました。
玉城 うれしい……! 優しい人間になります。
長谷川 もう十分優しいから(笑)。
井澤 やっぱりこの作品って、ライトくんのことを嫌いだと見ていられないと思うから(笑)。ちゃんとみんなが好きになれるライトくんだったなって思いますね。
玉城 ありがとうございます! うれしいです。
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どのキャラも役者と重なる