高松美咲×清水美依紗×吉高志音 「スキップとローファー」は大人になって失ってしまった大切なものに気づかせてくれる (2/2)

ふみちゃんのように周りの人の思いに気づける人になりたい(吉高志音)

──「スキロー」の登場人物の中で好きなキャラクターになれるとしたら、誰になりたいですか?

吉高 わー、難しいですね……。

高松 うーん……男の子ですかね。迎井くんやクリスとか、誰からもいいやつと思われる人になって、ひっそりモテてみたいです(笑)。

清水 いいですね(笑)。私は……ふみちゃんかな。みつみちゃんを包み込んでくれる、大きな存在。時間の流れが、みつみとふみちゃんのシーンになった瞬間、グッとゆっくりになるんですよね。あの感じがたまらなく好きです。みつみちゃんはふみちゃんと電話で話すだけで、東京にいても地元に帰った気持ちになれるんじゃないかと思います。

吉高 僕も、なりたいのはふみちゃんかもしれない。みつみの声を聞いただけで、その奥にある本心に気づける優しさはすごいよね。あんなふうに周りの人の思いに気づける人になりたいです。

吉高志音

吉高志音

高松 地元に帰ったときに、あえてあまり構わないでいてくれる友達っているじゃないですか。安心できる、船みたいな存在というか。「そういう子こそ、みつみのようなチャレンジャーにとっては心の支えになるんじゃないか」というイメージで、ふみのことを描いています。

吉高 素敵です。受験前にみつみとふみちゃんが中華料理屋で餃子を食べるシーンは泣けました。「受験終わったらまた来て餃子食べよう」と励ます、ふみちゃんの太陽のような温かさ。あのシーンを読むと、温かい餃子とチャーハンが食べたくなるんですよね……。

高松 実家に帰ったときって、地域の特産品よりも、別に絶品ではないカレーうどんとか、近所の馴染みの店の味が食べたくなりませんか? 私自身も地元の富山に帰っても、名物の海鮮丼は食べないんです。海鮮丼はなんとなく旅行先で食べるイメージがあって。そんなに高いわけでもない地元のごはん屋さんに行くのが、みんなが思い描く“実家感”かなと思いました。

──確かに「スキロー」では、石川の特産物などはあまり登場しないですね。そういう部分にもリアリティを宿らせていると。清水さんと吉高さんは、ほかに原作でお好きなシーンはありますか?

清水 絞れないくらいいっぱいありますが……映画館での、キャラメルと塩のポップコーンにまつわるやりとりを介して、ゆづちゃんと誠の距離が縮まるところが好きです。個人的にはキャラメルとチーズ派なんですけど。

吉高 僕は甘いものが大好きなので絶対的にキャラメル派だったんですけど、「スキロー」をきっかけにキャラメルと塩のハーフ&ハーフを試したら、甘いとしょっぱいの相性の虜になって……それ以来キャラメル&塩派になりました! まさに昨日も映画館に行ったので、食べてきたばかりです(笑)。

高松 作品をきっかけに挑戦してくださったんですね。キャラメル&チーズも今度試してみます! 個人的にもキャラメル&塩が好きなんですが、1人用のサイズがなくて、食べきれないのが悩ましいところです(笑)。

清水 あと、すごく感銘を受けたのは、バレーボールの練習中に、ミカちゃんが理不尽な行いをしてきた先輩2人の名前を覚えてやると息巻いていた横で、みつみは注意してくれた先輩のほうの名前を覚えていたというエピソード。私はミカちゃんに共感する部分が多いんですが、あそこは深く考えさせられました。

左から高松美咲、清水美依紗、吉高志音。

左から高松美咲、清水美依紗、吉高志音。

高松 あれは私の実体験から来ているんです。自動車教習所に通っていた頃、ひどい教官がいて、私は「その人の名前を絶対に覚えておいて、アンケートに書いてやる!」と憤っていて。でも優しい女の子に「アンケート、なんて書いた?」と聞いたら、「すごく上手に教えてくれたおじいちゃん先生のことを書いたよ」と言われて。「確かにあのおじいちゃん先生はすごく優しかったのに、私は名前も覚えてなかったな……」と、なんとも言えない恥ずかしい気持ちになったんです。

清水 そうだったんですね。あのシーンのミカちゃんの感情の流れは、すごく共感しました。

吉高 めちゃくちゃわかります。僕、昔はすごく太っていたんです。心ない言葉を浴びせられてきたからか、自分を守るため、強く見せるために言葉が強くなってしまって……。ミカちゃんの心の声が、僕も痛いほどわかりました。

後編はステージナタリーにて1月20日公開!

プロフィール

高松美咲(タカマツミサキ)

富山県出身。2012年、アフタヌーン四季賞秋のコンテストにて「箱庭のこども」で佳作を受賞する。2015年に月刊アフタヌーン(講談社)にて「カナリアたちの舟」で連載デビュー。同誌2018年10月号にて「スキップとローファー」を連載開始。単行本は12巻まで刊行されている。「スキップとローファー」は2023年にTVアニメ化され、第2期が2026年に放送予定。

清水美依紗(シミズミイシャ)

2000年、三重県生まれ。18歳でニューヨークへ単身留学し、ミュージカルや演技、ダンスを学ぶ。2021年ディズニーのグローバルな祭典アルティメット・プリンセス・セレブレーションの日本版テーマソング「Starting Now~新しい私へ」を担当。ミュージカルでは「ビートルジュース」(リディア役)、「レ・ミゼラブル」(エポニーヌ役)などがある。映画「ウィキッド ふたりの魔女 / 永遠の約束」(グリンダ役)では日本語吹替を担当している。

吉高志音(ヨシタカシオン)

1999年、東京都生まれ。6歳まで中国・上海で育ち、日本語のほか中国語(北京・上海)・英語の歌唱が可能。2018年、俳優デビュー。代表作に「MANKAI STAGE『A3!』」シリーズ(泉田莇役)、舞台「吸血鬼すぐ死ぬ」(半田桃役)、ミュージカル「SPY×FAMILY」(ユーリ・ブライア役)、TVアニメ「どうせ、恋してしまうんだ。」(柏木深役)などがある。