10代作詞家募集中!「青春恋愛MVプロジェクト」特集 ウダノゾミインタビュー|“好きだけど告白できない”……その思いの丈を、切なさをぶつけて! キャラクターデザインの制作秘話と「チーム田中」集結の喜び明かす

「田中くんはいつもけだるげ」のウダノゾミがキャラクターデザインを手がけ、数々の著名なアーティストに楽曲を提供してきた佐伯youthKが楽曲を担当するオリジナルMVシリーズの制作が発表された。そのテーマはズバリ“青春恋愛”。片思いをしながらも一歩踏み出すことができない少年少女たちの姿を、オリジナルのミュージックビデオを通して表現していく。そしてプロジェクトの始動にあたり、この企画に参加する10代の作詞家を募集することも明かされた(参照:「たなけだ」ウダノゾミ参加、「青春恋愛MVプロジェクト」始動!10代作詞家を募集)。

コミックナタリーでは企画始動に際し、ウダにインタビューを依頼。キャラクターデザインの仕事は初めての経験だと話すウダに、その感想から手がけたイラストへのこだわりまでを語ってもらった。また今回のプロジェクトには、アニメ「田中くんはいつもけだるげ」の川面真也監督、キャラクターデザインを務めた飯塚晴子、総作画監督を務めた小松原聖がコンセプト協力として参加。再び「チーム田中」が集結することとなった心境も明かしている。なお音楽ナタリーでは楽曲を担当する佐伯youthKのインタビューも公開しているので、気になる人はこちらも併せてチェックしてほしい。

取材・構成 / 熊瀬哲子

安心と信頼の「チーム田中」の皆さんと、ワクワクをお届けできるようがんばりたい

──今回の企画は、ウダノゾミ先生がキャラクターデザインを手がけ、佐伯youthKさんが作曲を担当し、ミュージックビデオシリーズを展開するという内容です。またコンセプト協力には、アニメ「田中くんはいつもけだるげ」の川面真也監督、キャラクターデザインを務めた飯塚晴子さん、総作画監督を務めた小松原聖さんが参加されています。こちらの企画にお声がけがあった際の印象を教えてください。

アニメ「田中くんはいつもけだるげ」より。©ウダノゾミ/スクウェアエニックス・製作委員会はいつもけだるげ

今まで挑戦したことのない形での企画なので、楽しみ8割不安2割という感じもありつつ、アニメ「田中くんはいつもけだるげ」で素敵すぎるアニメを作っていただいたスタッフの皆さんとまた一緒に作品を作っていけるのがとにかくうれしい!という気持ちです。楽しく面白く相談しやすい、安心と信頼の「チーム田中」の皆さんと、またワクワクするものがお届けできるようがんばっていきたいと思っています。

──「田中くんはいつもけだるげ」のアニメ化の際は、川面監督、飯塚さん、小松原さんとの交流はあったのでしょうか?

イベント後などにお話させていただく機会が何度かありまして、最終回の後はスタッフ何人かでなぜかバッティングセンターに行ったりもしました。

──そうだったんですね! とても楽しそうです。

楽しかったです……。お三方ともとても話しやすく、気さくに接してくださるのでありがたいです……。「田中くんはいつもけだるげ」のアニメは、キャラクターたちのかわいさ、アイキャッチの小ネタ、そして間の取り方などなど、すべて自分の想像以上に最高で、本当に宝物のようなアニメを作っていただいたので、お三方とも私にとっては神です!

──今回のMV企画では、“10代の作詞家を募集する”というのも大きなポイントになります。こちらについて聞いたときは、どのような印象を受けましたか?

すごくいいと思いました。リアルな10代の気持ちが楽曲から伝わると思うし、我々大人たちの忘れてしまったみずみずしい感性に触れられるのが楽しみで仕方ないです。

私も告白する度胸がなかったから、今回のキャラクターたちを応援したい気持ちでいっぱい

──そもそも、ウダ先生はこれまでにキャラクターデザインのお仕事というのはご経験があったのでしょうか?

キャラクターデザインのお仕事自体が初めてなので、いろいろ相談させていただきながら進めています。難しいところもありますが、楽しいです! 普段はマンガのキャラクターを作って、自分でその子たちの物語を描いていくわけですが、今回はキャラクターたちが今後どんな動きをしていくんだろう?と、まだまだ未知の部分がたくさんあるのでそこが楽しみです。

──これからの展開に期待しています。では実際にウダ先生が手がけられた、キャラクターデザインについてもお話を伺っていければと思います。今回10代の方に歌詞を募集するテーマは2つ用意されていますが、まずはテーマ1のキャラクターについて。「100%の確証がないと思いを伝えられない男子、または相手の女子」ということですが、どんなことを意識されてキャラクターをデザインしましたか?

テーマ1「100%の確証がないと思いを伝えられない男子、または相手の女子」のキャラクター。

男性キャラクターは、お調子者で要領よく見えるけど、笑顔が壁になっていて自分の本当の気持ちを外に出せない感じのキャラクターなので、陽に潜む陰の部分を反映できればと思い、デザインを進めました。対象的に女性キャラクターは、素直で明るく誰とでも話せる、まっすぐな子なので、自然な笑顔の素敵な子にしようと意識しました。

──男性キャラクターのメガネやヘッドフォン、女性キャラクターのスマートフォンといった小物も目を引いたのですが、これはどういった意図で加えられたものなのでしょうか。

男性キャラクターは、陽に潜む陰の部分を小物で表現できればと思いました。普段は友達とワイワイしてるけど、1人の時間はヘッドフォンで好きな音楽を聴いて自分を励ましている。ブレスレットも実は願掛けアイテムで、メガネもほぼ伊達メガネだけど、無意識に自分の気持ちを隠す仮面的な役割になっているイメージです。

──なるほど。

女性キャラクターは、個人的に思うことなのですが、たまに本体が埋まるくらい分厚くて大きいスマホカバーをつけてる女の子とかいるじゃないですか。キャラクターもののシリコンの。あれがなんか、常々かわいいなあと思っておりまして……。そういうのを持ってる子って、元気そうな子が多いイメージがあったので。カバーのデザインも何種類か出してみて、一番好評だったものに決まりました。

テーマ2のキャラクター。

──スマホカバー、すごくかわいくてじっくりと見てしまいました。では次にテーマ2についても教えてください。好きになった人に、ほかに好きな相手がいる男子・女子ということで、テーマ1と同じく“好きだけど告白できない”状況のように感じますが、こちらのキャラクターはどんなことを意識してデザインされたのでしょう。

男性キャラクターは、生真面目で表情をあまり表に出さず、部活に打ち込んでいてストイックさを感じるキャラクターなので、見た目は少し「怖いのかな?」と思われそう、けど怖すぎない、くらいの感じを目指しました。ぶっきらぼうだけど内面は優しいというのが、ちょっとした照れ顔などから伝わると胸キュンだなあと……。

──ああ、わかります。個人的にすごく好みの顔立ちの子だったので、今のお話を伺ってちょっとドキッとしました(笑)。

先輩とその彼女は、ほかのキャラと比べてかなり大人っぽさを意識しました。誰も入り込めない、2人だけの世界的なものを感じられればと……。

──確かにほかのキャラクターに比べて一際大人っぽい印象を受けます。テーマ1、テーマ2の内容をそれぞれ読んでいるだけでも、もどかしい、切ない気持ちになったのですが、ウダ先生はどのように感じられましたか?

どちらも切ないですよね! テーマ1については、もう無責任に「いっちゃえいっちゃえ! 大丈夫!」って背中を押しまくってあげたくなっちゃいます……。おせっかい……。テーマ2も、相手の気持ちがわかっているからこそ強く出られない、待ちのターンが続いて、しかもいつまで続くかもわからないので、切なさが過ぎますね……。どちらもどうしようもなく「わかる!」部分があるなあと思いました。

──ウダ先生も学生時代にこのような経験があったのですか?

私も学生時代は告白する度胸なんてなかったので、友達のままでいいやと思っていた好きだった男の子にいつのまにか彼女ができてしまって「お、おめでとー! よかったねー!」って祝うしかない、みたいな……。そんな思い出しかないです。だからこそ今回のキャラクターたちを応援したい気持ちでいっぱいです(笑)。