赤松健さんみたく細かい設定まで決めた方がいいのかな

──アニメの映像はもうご覧になりましたか？

はい！ あ、いや、まだ観てないです。いま、なんかもう観た気がして、「観ました」って言いそうになっちゃった。夢かな。ときどき脳にトラブルが……ノイズが入るんで。

──久米田さんがアニメにタッチされている部分はありますか？

いえ、もう皆さんにお任せしているので、何もしてないですね。あ、アフレコ現場に行ってスタッフやキャストの方々と挨拶はしました。締め切りがあったので5分ぐらいで帰ったんですけど。

──水島努監督とは何を話されたんですか。

「とにかくお任せします」と。原作者が口を出すとロクなことにならない、というスタンスですので。

──水島監督からは何か言われました？

質問の内容はもう忘れてしまったけど、聞かれたのに答えられなかったことがあったのは覚えています。「その設定決めてなかったなあ」みたいな。申し訳ないですよね。赤松健さんを見習わないとなーって。

──キャラ設定をどこまで決め込むか、作家さんによってずいぶん違いますもんね。

僕だって大雑把なものくらいは用意しますよ。けど設定とか、作品にはあんまり関係ないと思うんですよね。聞かれたらそのとき考えればいいだけで……。教室にいる生徒のひとりひとりまで、血液型とか誕生日なんかを最初から決めてる人もいるみたいですが。誰とは言わないけど。

連載は逆に、アニメとは離して描いてやろうかな

──これからご覧になるとのことですが、アニメのどんなところを楽しみにされていますか。

今回いちばん楽しみなのは、「かってに改蔵」や「さよなら絶望先生」のときと違って関わってる部分がいつもより少ないので、いち視聴者として観れそうなところですね。もともと水島監督のファンでもありますし。

──アニメから原作へのフィードバックもありそうですか？

影響される部分も出てくるでしょうけど、逆にアニメとは離して描いてやろうかなって思ってる部分もありますね。「あの設定は違う、本当はこうだ」みたいな、ちょっとした意地悪をしたくなったり（笑）。ところでこれ、アニメを放送してる期間はそっちを観てもらうことにして、マンガの連載は休んでいい、ってことになりませんかね。ほら、「アニメもマンガ家が描いている」って思ってる人もいるじゃないですか。だから休んでもバレないかなーって（笑）。

──両方楽しみにしていますので、ぜひ易きに流されず描き続けていただけると嬉しいところです。

だって週刊少年マガジンでの本業が終わっちゃって、いま、無職みたいなものなんですよ。早くハローワークに行って新しい仕事を探さないと。

──ぜひ、次回作の準備をお願いしたいです。

もしくはもう老後と考えて、どこかで余生を暮らすのもいいのかな。

久米田康治・ヤス専用メッセージボード

「ほとんど連絡を取る機会がない」という両氏のために、コミックナタリーではそれぞれからメッセージを預かり、この誌面を用いてコミュニケーションを図ってもらうことにした。