「みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2024」BL部門賞・TL部門賞を受賞した計4作品を担当編集者がプレゼン

コミックシーモア主催の「みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2024」は、「次に来るヒット作品はこれだ!」と出版社が推薦したタイトルの中から、一般投票で大賞を選ぶマンガ賞。男性部門、女性部門、異世界部門、ラノベ部門、BL部門、TL部門の6部門が設けられ、その結果発表が今年1月に行われた。

この特集では、BL部門賞とTL部門賞を受賞した計4作品を紹介。みっしぇる「誰か夢だと言ってくれ」、マミタ「40までにしたい10のこと」、ふどのふどう「橘くん 抱いてください! ハジメテの相手は同僚王子!?」、つきのおまめ「奈々子と薫 堕落していく、僕たちは。」を、それぞれの担当編集者にプレゼンしてもらった。

BL部門賞

「誰か夢だと言ってくれ」
みっしぇる
集英社

「誰か夢だと言ってくれ」みっしぇる(集英社)©みっしぇる/集英社

「誰か夢だと言ってくれ」みっしぇる(集英社)©みっしぇる/集英社

低身長が悩みの男子高校生・星川小夜は、片思いしていた女子が高身長イケメン・真柴に告白し、冷たく振られる現場を見てしまう。その日から真柴をライバル視し、勝負を挑むがことごとく惨敗する小夜。真柴から「かわいい」と言われても、小夜は「チビを馬鹿にしてる」とますます怒りを加速させる。そんな中、小夜は誰かに抱きしめられる不思議な夢を見るようになり……。

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担当編集者・Y氏(マンガMee編集部)コメント

Q. 受賞した感想をお聞かせください。

本作品を応援し、投票してくださった皆様、本当にありがとうございました!
うれしくてありがたくてずっと夢のようです。
連載が始まってからこれまで、読者の方に作品をお届けするにあたってさまざまな形でご協力いただいた方々にも、この場を借りて御礼申し上げたいです。
みっしぇる先生はノミネートの段階からドキドキされていたのですが、お電話で結果をお伝えしたところ「連載から3年経っても皆さんに応援していただきこのような機会をもらえるなんて、ありがたい……」と感動されていらっしゃいました。
担当編集もみっしぇる先生も初のBL連載なのですが、皆様から温かい応援の声をいただけたお陰でここまでこられました。これからも皆さんに一層楽しんでいただけるよう、担当として努めてまいります。

Q. 「誰か夢だと言ってくれ」の推しポイントはどんなところでしょうか。

不思議な「夢」を通して、昼間の様子とは全然違う相手の新たな一面がわかるシーンが魅力です。普段は寡黙で怖く見えるイケメンが実は甘々だったり、冷たそうな優等生にも我慢しているところがあったり……。
「誰も知らない相手の秘密を自分だけが知ってしまう」というのはすごくドキドキすることだと思うのですが、「本人が大事にしているぬいぐるみ視点でプライベートを見てしまう」というシチュエーションも相まってさらにドキドキが高まるのではないでしょうか……! また、恋愛においてもそれ以外の人間関係においても、苦手なタイプの人の考えていることがわからなくて悩んだり傷つけあってしまったりすることがありますが、この作品に出てくる人々のように「この人には自分が知らないだけで超意外なギャップがあるんじゃないか!?」と妄想するとちょっと優しくなれそうです。

「誰か夢だと言ってくれ」第1話より。©みっしぇる/集英社

「誰か夢だと言ってくれ」第1話より。©みっしぇる/集英社

「誰か夢だと言ってくれ」第2話より。©みっしぇる/集英社

「誰か夢だと言ってくれ」第2話より。©みっしぇる/集英社

Q. 制作時の裏話や先生との印象的な思い出を教えてください。

みっしぇる先生はもともと少女マンガ誌・別冊マーガレットでデビューし、ショートの4コママンガを描かれていたのですが、そこでの連載が終わる頃に「BLを描いてみませんか」とお声がけしてこの企画が始まりました。
立ち上げ当時みっしぇる先生がとある有名な人形シリーズのコレクションにハマっていて、打ち合わせの際私に人形をプレゼントしてくれたことがありました。その頃少し疲れ気味だったこともあって、うっかり「こういう人形の中に入ってイケメンの生活を覗けたらいいよね」という、かなりおかしなことを申し上げてしまったところ、みっしぇる先生は引かずに面白がってくださって……それが企画の土台となりました。
思わぬところから生まれた企画でしたが、ショートマンガを月刊で描いていた方が週刊連載のストーリーマンガに初挑戦されるので苦心されるかもしれないとは予想していました。しかしその後いただいたネームの第1稿には、みっしぇる先生の「こういうキャラクターの掛け合いが描きたい!」という萌えが詰まっていてストーリー初挑戦とは思えない素敵な出来だったので、衝撃を受けたのを覚えています。

Q. ぜひ読んでほしいというエピソードや話数、シーンはどこでしょうか?

この作品ではさまざまな人々の恋模様が描かれておりまして、どれもみっしぇる先生の萌えがぎゅっと詰まっていて、何度読んでもキャラクター達の魅力的な表情をずっと見ていられるな……と思わされます。

メインカップルの真柴樹×星川小夜の恋模様が盛り上がるシーンもおすすめですが、個人的には3巻16話の真柴樹の兄・晴人と訳アリな優等生の朝日奈雨竜がお風呂場で初めて本音をさらけ出すシーンがすごく好きです。それぞれちょっと不器用に生きている2人の心の距離が縮まる様子が微笑ましくて癒されるので、ぜひ同じような萌えどころのある方にはおすすめです……。そしてコミックスには各巻におまけマンガが収録されているのですが、みっしぇる先生のコメディセンスと萌えが本編以上に濃厚に詰まっているので、ぜひぜひこちらもよろしくお願いします。

「誰か夢だと言ってくれ」第16話より。©みっしぇる/集英社

「誰か夢だと言ってくれ」第16話より。©みっしぇる/集英社

Yさんが挙げてくれたエピソードが登場する巻はこちら!

「40までにしたい10のこと」
マミタ
リブレ

「40までにしたい10のこと」マミタ(リブレ)©マミタ/libre

「40までにしたい10のこと」マミタ(リブレ)©マミタ/libre

40歳の誕生日を3カ月後に控えるサラリーマンの十条雀。ある日、会社で「40までにしたいことリスト」を作っていたところ、10歳年下のイケメン部下・田中慶司に見られてしまう。恥ずかしさで大焦りの雀に慶司は「十条さんてゲイですよね」と言い当て、さらには「このリスト 俺とやりません?」と言ってきて……。ここ数年、恋人もおらず孤独に過ごしてきた雀の人生が一変する。

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担当編集者・稲石氏(ビーボーイ編集部)コメント

Q. 受賞した感想をお聞かせください。

たくさんのご投票と応援をいただきまして、感謝の気持ちでいっぱいです!
ファンレターやご感想やレビューを書いてくださったり、推し活の様子をシェアくださったり、いつもいろいろな形でたくさんの応援をいただいています。読者さんに楽しんでいただけていることが、マミタ先生と編集部の支えになっております。
受賞が決まってすぐ営業部の同僚が拡材やかけ替え帯を制作してくれたのですが、デザインラフを見てじわじわと受賞を実感しました。マミタ先生と相談しながら帯デザインを進めていく過程も楽しかったです。

Q. 「40までにしたい10のこと」の推しポイントはどんなところでしょうか。

タイトルにちなんで各10個挙げてみました。

稲石氏が制作した、十条雀の魅力を伝える画像。©マミタ/libre

稲石氏が制作した、十条雀の魅力を伝える画像。©マミタ/libre

稲石氏が制作した、田中慶司の魅力を伝える画像。©マミタ/libre

稲石氏が制作した、田中慶司の魅力を伝える画像。©マミタ/libre

Q. 制作時の裏話や先生との印象的な思い出を教えてください。

「好きなものをとことん詰め込み楽しんで描くこと」を第一にご執筆くださいました。
マミタ先生の「好き」がぎっしりぎゅぎゅっと詰まっている本作が読者さんに届いてうれしい限りです。連載版からコミックス化にあたって、セリフも絵もコマ割りも全編にわたって細かく加筆修正が入っています。連載版からの変化も楽しかった!と言ってくださる読者さんもいらっしゃいました。

Q. ぜひ読んでほしいというエピソードや話数、シーンはどこでしょうか?

慶司くんのメガネON・OFF両方楽しめるところを強く推していきたいです……!
読者さんから慶司くんのビジュアルがよすぎる!と熱いメッセージをたくさんいただいています。

「40までにしたい10のこと」第3話より。©マミタ/libre

「40までにしたい10のこと」第3話より。©マミタ/libre

雀さんとすず子(雀さんが大事にしている同居している雀の女の子のぬいぐるみ)のやりとりにほっこりするとの声もよくいただきます。すず子の視界をそっと覆う照れる雀さんが大変かわいらしいです。

「40までにしたい10のこと」第4話より。 ©マミタ/libre

「40までにしたい10のこと」第4話より。 ©マミタ/libre

雀さんの恋した感覚が表現された震えるほど感動するシーンが第3話に見開きであるのですが、こちらはぜひコミックスで読んでいただけますとうれしいです!

稲石さんが挙げてくれたエピソードが登場する巻はこちら!