映画を観ているようなマンガ体験、「アルマギア-Project-」待望のマンガをネオン役・麻倉ももが語る

「アルマギア-Project-」は、歌と魔法、少女×少女が織り成す絆の物語を紡ぐ“歌姫音楽プロジェクト”。歌を魔力に変える特殊な能力を持つディーヴァと、その魔力を戦闘力に変えるマーギアーという、それぞれ役割を持った少女たちがタッグを組み戦うさまが描かれる。これまでキャラクターソングCDやラジオ番組が展開されていたが、プロジェクトの根幹となる物語をつむぐマンガが、2021年7月に月刊アクション(双葉社)などで連載開始。10月20日に、単行本の1巻が発売された。

コミックナタリーでは1巻の発売を記念し、ボイスコミックで主人公・ネオンの声を担当する麻倉ももにインタビュー。「映画を観ているよう」と感じたマンガの感想や、通常とは異なる状況だったというボイスコミックの収録現場の模様が語られている。また、多角的に展開する「アルマギア-Project-」の今後について、麻倉に自由な想像を膨らませてもらった。

取材・文 / 佐藤希撮影 / 清水純一

「アルマギア-Project-」とは?

「アルマギア-Project-」は、2014年に発足された“歌姫音楽プロジェクト”。マンガやキャラクターソングCDなどの展開を通して、歌と魔法、少女×少女が織り成す絆の物語が紡がれている。徳井青空、久保ユリカがパーソナリティを務めるラジオ番組「文化放送 超!A&G+『徳井青空 ・久保ユリカ アルマギア情報局』」が2018年から放送されているほか、キャラクターソングCDには小倉唯、楠木ともり、石原夏織も参加している。そして10月20日、プロジェクトの根幹となる物語をつづったマンガ「アルマギア」の1巻が発売された。


「アルマギア」あらすじ

「アルマギア」は歌を魔力に変える特殊な能力を持つ少女アカネと、その魔力を戦闘力に変える少女ネオンのバトルファンタジー。悪逆の限りを尽くすオリジアース帝国によって、幼い頃に両親を連れ去られたネオンは、配送業を営む男・アインに保護され、彼の仕事を手伝いながら暮らしていた。しかしある日、町で反乱軍“レジスタンス・アルマギア”と帝国の戦いが勃発。その日を境に、ネオンの生活は一変し……。月刊アクション(双葉社)やGANMA!、ピッコマ、LINEマンガで連載されている。

豪華な先輩キャストに「とにかくびっくり」

──「アルマギア-Project-」へ麻倉さんが参加されることは9月4日に発表されました(参照:「アルマギア」に夏川椎菜&麻倉ももが参加、単行本表紙はA-1 Picturesが手がける)。参加が決まったとき、どういうお気持ちでしたか?

プロジェクトの概要を伺って「ラジオをもう4年間やってる」「CDが制作されている」という断片的な情報は知っていたんですが、ラジオのパーソナリティを担当されている徳井青空さん、久保ユリカさんのほか、小倉唯さん、楠木ともりさん、石原夏織さんといった、豪華な方々ばかりが出演されているので、とにかくびっくりしました! ですが、物語に関する詳しい内容は知らないままだったので、どういう展開になるんだろうって楽しみながら、マンガを読ませていただきました。

麻倉もも

麻倉もも

──麻倉さんがおっしゃった通り、徳井さんと久保さんのラジオや、キャラクターソングのCDはすでに発表されていますが、「アルマギア-Project-」の世界観や詳細が分かるストーリーは、今回発売されたマンガで初めて明かされています。マンガを読まれて、いかがでしたか?

設定の新しさにも引き込まれましたし、描写が細かいので映画を観ているような作りでした。キャラクターも全員個性的で、それぞれが組んだコンビの特色も出ているので、「この子はこういう性格なんだな」って掴みやすくて、読んでいて楽しかったです! あと、アクションシーンは動きがかなり派手でカッコいいですよね。ボイスコミック収録のときに、「アルマギア」のアクションシーンは声をあてるとさらに厚みが増すなと感じたので、いつかアニメでも観てみたいなと思います。

──「アルマギア-Project-」は、“歌姫音楽プロジェクト”と謳い、歌を魔力に変える特殊な能力を持つディーヴァと、その魔力を戦闘力に変えるマーギアーの役割を担う少女たちが、それぞれタッグを組んで戦う点が特徴です。このプロジェクト自体には、どういう印象をお持ちでしょう?

歌そのもので戦う作品は過去にもあったかと思うんですけど、今回はディーヴァとマーギアーによるバディもの、という点が新しいなと思います。1人では力が発揮されない少女たちがチームで戦うという特徴が、ありそうでなかった世界観だな、と。

「アルマギア」より。
「アルマギア」より。

「アルマギア」より。

ヒロイン・ネオンは明るくて元気で活発、なだけじゃない

──麻倉さんはヒロインのネオン=ミューゼル役でご参加されていますが、彼女にどのようなイメージを抱いていらっしゃるかお聞きしたいです。

表面的には明るくて元気で、活発な子なんですが、ボイスコミックの収録を通じてそれだけじゃないことがわかったんです。冒頭で、悪夢にうなされて起きたネオンが、帝国に連れ去られてしまった両親に向けて「私は生きてるよ…」とつぶやく場面なんですが、最初私は弱々しく言ってみたんです。ですが、「もう少し前向きなつぶやきとして発してほしい」とディレクションをいただいて。たった1人でも弱さを感じさせない強さが欲しい、というオーダーでした。苦しい過去を抱えていても、強くてブレない芯がある子なんだ、カッコいいな、と思いました!

「アルマギア」より。ネオンの両親は彼女が幼い頃に帝国へと連れ去られてしまう。
「アルマギア」より。ネオンの両親は彼女が幼い頃に帝国へと連れ去られてしまう。

「アルマギア」より。ネオンの両親は彼女が幼い頃に帝国へと連れ去られてしまう。

──彼女の生い立ちは非常に過酷ですが、その弱さを周囲に感じさせない気丈さがありますね。ネオンに親しみや共感をおぼえる部分は?

うーん……似ている部分を探すと、もしかしたらないのかもしれません。でも情に熱いところや、感情が昂りやすいところは人間味を感じて親しみを持てるなと思いました。ネオンは頭で考えるよりも体が動いてすぐ行動に移せるタイプですが、私は頭で考え始めるとなかなか行動できないので、彼女のそういう瞬発力はうらやましいです。

──物語ではネオンの相棒である、謎めいたディーヴァ・アカネとの関係も描かれます。言葉数も少なくミステリアスなキャラクターですが、麻倉さんは彼女をどういうキャラクターと捉えているんでしょうか。

私自身もアカネがどういう子なのかはまだわかっていないんです。クールとか冷静という言葉以上の次元にいるなと思っていて。人間味がなさ過ぎて実は人間ではないんじゃないかと思うぐらい、謎に包まれている女の子ですよね。その点、素直なネオンとは対照的な存在でこの2人が組んでどう戦うのか、どうやって親交を深めていくのかは気になります。

──ほかのキャラクターですと、元気いっぱいのククルとおしとやかなマツリカがいい例ですが、ディーヴァとマーギアーは対照的な2人がバディを組んでいる印象があります。

そうですね! そんなキャラクターたちの掛け合いも楽しいので、より映像で観てみたいなと思いますね。歌唱シーンやアクションシーンはどちらも映像映えしそうだなと思っていたので、いつか動いている姿を見られたらいいなと思いながら収録していました。

「アルマギア」より、謎めいたディーヴァ・アカネ。

「アルマギア」より、謎めいたディーヴァ・アカネ。

「アルマギア」より、ククルとマツリカに出会うネオンとアカネ。

「アルマギア」より、ククルとマツリカに出会うネオンとアカネ。

──本日は「アルマギア-Project-」の原作者であるReomさんにもご同席いただいております。麻倉さんにネオン役をお願いすることになった決め手はなんだったんでしょうか?

(Reom) 麻倉さんのご出演作はいくつも拝見しているんですが、元気で前向きなキャラクターを演じているときの声がすごく好きで。麻倉さんの声と、ネオンの前向きさがすごく合うなと感じたので、お願いしたいなと思ったんです。

そうだったんですね、ありがとうございます! 

(Reom) 実は当初、ネオンはもう少し大人しいキャラクターだったんですよ。2~3年前からマンガの準備をしている間にいろいろと改変があって、今のネオンが生まれました。

なるほど。今のネオンを演じた後だと、そのお話を聞いて印象が変わりますね。