大吉、大和、アンガ田中、秋山がお笑い界の今後を議論

昨日6月6日、東京・下北沢OFF OFFシアターにて、博多大吉MC、スパローズ大和、アンガールズ田中、ロバート秋山出演のライブ「お笑い討論会」が開催された。

この「お笑い討論会」は、テレビやライブで活躍している芸人が普段は表舞台で語ることのない熱い話を舞台上で繰り広げるという企画。まずは「芸人とテレビ」という大きいテーマの中から、「テレビと局員」について、おのおの思っていることを話し合うことに。福岡で長い間レギュラー番組を持つ大吉が地方ならではの特殊な“ズブズブ”の関係を明かすと、若手のうちから全国区のレギュラーを持つ秋山は、メジャーな世界で見た局員のこだわりを明かした。「芸人とネタ」では、劇場を持つ吉本に所属する大吉と秋山のスタイルが明確に。月に10回以上舞台に立つ秋山は舞台慣れしているため「テレビでネタができる5分は自分たちにとっては冠番組」と喜びを感じている様子。大吉は中堅芸人のネタ作りについて、自分たち華丸・大吉の状況をほかの芸人たちの分析も交えて考察した。自身のライブで毎回新ネタや即興ネタをおろしている田中は「MCクラスの芸人さんでもネタをやっているのが美しい形だと思う」と理想を吐露したほか、スパローズに「昔から面白いのになんで売れないのか？」と心配する場面も。大和が「昔レッドカーペット賞とったことあるけど、番組終盤で……」と残念がると、大吉も「（カーペットが）半分たたまれとった」と苦笑した。田中はさらに「DVDが売れるとか、ネタにもっと価値が出れば」とお笑い界を変えるための方法を熱く議論。しかし熱さに比例して謎の動きをする田中の長い手が全員気になり、大吉は田中の演説ではなく「手が予想以上に気持ち悪い」という感想を述べた。

続く「芸人とポジション」という話では、田中が築きあげた「キモイ」の歴史について大和が絶賛。大和が「ライバルは？」と尋ね、田中が「あんまりいなくなった」と答えると会場からは笑いと拍手が沸き起こった。田中自身「“キモかわいい”って言われてるときは、周囲も『何だよ』っていう敵視があった。“キモイ”になってからは周りから『笑いにしよう』という愛情を感じる」と手応えを感じている様子。「80歳になってもキモイって言われていいようにしたい」と抱負を述べた。また、「トリオのポジション争いは厳しい」と真剣に悩む秋山は、周囲から「熟女キャラがある」と指摘されるも、「言い続けてないと忘れられる。常に隣に熟女を置いておきたい」と斬新なアピール方法を発表。最近は、宝くじ売り場やキヨスクなどの「箱に入った熟女が気になる」とお笑い論とは関係ない方向で熱く語っていた。

Twitterやブログなどを芸人としてどう活用するかを議論した「芸人とインターネット」では、福岡吉本時代からよく知る大和の喋りがどうしても気になる大吉が「お前こんなに会話下手くそやった？」とツッコミ。冒頭から小さくダメ出しを続けられていた大和は奮闘を続けていたものの、ここでハッキリ「もうちょっと上手なんですけど、スパローズは大吉さんがいると……。成長しているのかどうか見られてる」と、ほかの舞台では見られないうろたえぶりを見せた。

芸人にとって大きな問題である「芸人と老化」というテーマに差し掛かると、「実際早めに解決しないといけない」と真剣モード。大和は「9年目の芸人なのに、さらにその上の先輩がたくさんいすぎて楽屋に入れない」「30代で若手が当たり前になって、シベリア文太さんのギャグ『I WANT YOU I NEED YOU 俺、三十』がもう通用しない」などの高齢化事例を挙げた。「NHKにレギュラーを持つ」「大御所芸人だけのチャンネルを作る」など、それぞれ対策を考える3人。議論は白熱するものの、次第に終了時間も迫り、大吉は「どうする？ こんだけ入る居酒屋あるかな？」と会場に話しかけると、観客も大喜びだった。最後のテーマは「芸人と事務所」について。ワタナベエンターテインメントの田中は「すごくきっちりしている」、浅井企画の大和は「とにかく優しい」とそれぞれ自分の事務所の特徴を語り、最後は全員で「やっぱり吉本はすごい」という結論に。エンディングでは「良さを出せなかったので、ネットを見てください」（大和）、「これからトーク番組では手を気を付けたい」（田中）、「老後のことを考えようと思う」（秋山）と、それぞれ収穫や課題を得た様子だった。