音楽ナタリー PowerPush - WHITE ASH

バンドの軌跡をたどる“悪夢”という名の映像ベスト

WHITE ASHが12月10日に初の映像作品となるベストビデオクリップ集「The Best Nightmare For Xmas」をリリースする。

多くのバンドがひしめき合うギターロックシーンの中において、常にオリジナリティあふれるサウンドでファンを魅了しているWHITE ASH。本作にはインディーズ時代を含め彼らがこれまで発表したシングル曲およびアルバムリード曲、さらに新曲「Xmas Party Rock Anthem」を加えた計11曲のMVが収録されている。CDではなく映像作品で初のベスト盤をリリースするという、彼ららしいアイデアの光る1作だ。

ナタリーでは本作の発売を記念して特集を企画。収録映像からWHITE ASHの軌跡をたどり、彼らが老若男女に愛される理由を探った。

文 / 森朋之

 
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「Stranger」

1stミニアルバム「On The Other Hand, The Russia is…」(2010年9月リリース)のリードトラック。ダークかつエッジーなギターリフを軸にしたアレンジは、のび太(Vo, G)がリスペクトするArctic Monkeysからの影響がはっきりと感じられる。キャッチーにしてエモーショナルなボーカル、意味よりも言葉の響きを重視した英語のリリックを含め、WHITE ASHの礎となったナンバーと言えるだろう。暗闇の中から性急なバンドサウンドが放たれる映像(のび太によるおなじみのコスプレも随所にカットインされる)もすごいインパクト!

「Stranger」のビデオクリップのワンシーン。「Stranger」のビデオクリップのワンシーン。

「Thunderous」

2ndミニアルバム「WALTZ WITH VALKYRIE」(2011年7月リリース)リード曲。ギターのフィードバックから始まり、疾走感に満ちたビートと開放感のあるメロディが押し寄せてくるこの曲は、WHITE ASHのライブアンセムとして高い支持を得ている。この年の夏にはオーディション「出れんの!? サマソニ!?」で審査員賞を受賞し、「SUMMER SONIC 2012」に出演した。MVは「洋楽テイストの強いロックチューンを“のび太の部屋”で撮る」というコンセプトのもとで制作。当時、最新鋭のプロジェクションマッピングを使った“雨”の演出も話題を集めた。

「Thunderous」のビデオクリップのワンシーン。「Thunderous」のビデオクリップのワンシーン。

「Paranoia」

高速のエイトビートと重厚なグルーヴを共存させ、独創的なロックチューンへと昇華させた1stシングル(2011年11月リリース)。MVは心霊スポットとしても知られる(?)病院跡地で撮影。異質な空間と緊張感にあふれる楽曲の世界観が見事に結びつき、曲の力強さが伝わってくる。また、ハンドマイクでアグレッシブに歌いまくるのび太のパフォーマンス(サビのシャウトがカッコいい!)も印象的。この頃からライブの動員も急激に伸び始め、2012年には初のワンマンライブ「Watch Over Me Demon」(Shibuya O-WEST)を成功させている。

「Paranoia」のビデオクリップのワンシーン。「Paranoia」のビデオクリップのワンシーン。

「Kiddie」

全国各地のFM局でパワープレイを獲得し、オリコンインディーズチャートで1位を奪取した2ndシングル(2012年2月リリース)。サビの歌詞は日本語。ドラマチックなメロディライン、深みを増したギターアンサンブルなど、バンドの独創性が強調されていることもリスナーの支持を広げた大きな要因だろう。MVの撮影場所である保育園は、山さん(G)の実家。撮影は真冬に行われ、メンバーはコートと手袋を着用しているが、黄色いカッパを着たのび太だけはなぜか素手のまま。

「Kiddie」のビデオクリップのワンシーン。「Kiddie」のビデオクリップのワンシーン。

「Jails」

東名阪でのワンマンツアーをすべてソールドアウトさせるなど、勢いを増す中でリリースされた1stフルアルバム「Quit or Quiet」(2012年7月リリース)のリードトラック。重厚なグルーヴを描く彩(B)のベース、タイトなビートで楽曲を支える剛(Dr)のドラム、エッジの効いたフレーズを放つ山さんのギターなど、バンドのアンサンブルもさらに進化している。MVの見どころはなんといっても、撮影前に1週間レッスンしたというのび太のダンス。楽曲のクオリティだけではなく、意外性に富んだエンタテインメント性もこのバンドの魅力なのだ。

「Jails」のビデオクリップのワンシーン。「Jails」のビデオクリップのワンシーン。

「Would You Be My Valentine?」

WHITE ASHの音楽性の広さを示した3rdシングル(2013年2月リリース)。タイトル通り、バレンタインをモチーフにしたこの曲は、切なさと愛らしさを共存させたメロディラインと歌を際立たせることに焦点を絞ったアレンジメントが印象的なミディアムアップチューン。質の高いソングライティングからは、のび太のポップスメーカーとしてのセンスが伝わってくる。ドラマ仕立てのMVの主役は女優の高田里穂。のび太に恋い焦がれる女の子をキュートに演じている。メンバーも全員チョイ役で出演(よく探さないと見つかりません)。

「Would You Be My Valentine?」のビデオクリップのワンシーン。「Would You Be My Valentine?」のビデオクリップのワンシーン。
ビデオクリップ集「The Best Nightmare For Xmas」2014年12月10日発売 [DVD+CD] 3888円 / VAP / VPBQ-19091 / Amazon.co.jp
「The Best Nightmare For Xmas」
DVD収録内容
<Music Video>
  1. Stranger
  2. Thunderous
  3. Paranoia
  4. Kiddie
  5. Jails
  6. Would You Be My Valentine?
  7. Velocity
  8. Crowds
  9. Casablanca
  10. Hopes Bright
  11. Xmas Party Rock Anthem
<Special Movie>
  • 2014.03.15 WHITE ASH One Man Tour “Lilium” Final at SHIBUYA-AXより「Xmas Present For My Sweetheart」
<特典映像>
  • ホワイトアッシュのやってみて!GOOD
CD収録曲
  1. Xmas Present For My Sweetheart(From Album「Ciao, Fake Kings」)
  2. Xmas Party Rock Anthem
WHITE ASH(ホワイトアッシュ)

のび太(Vo, G)、山さん(G)、彩(B)、剛(Dr)からなるロックバンド。2010年に音楽コンテスト「RO69JACK 2010」で優勝を果たし、同年夏に開催された「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2010」に出演した。同年9月には初のミニアルバム「On The Other Hand, The Russia Is…」をリリース。以降も数々の作品を発表しつつ、「SUMMER SONIC 2011」「COUNTDOWN JAPAN 11/12」などのロックフェスに出演し、着実に人気を高めていった。2013年5月にはシングル「Velocity」でメジャー移籍。同年8月にはテレビアニメ「ガッチャマン クラウズ」の主題歌「Crowds」をシングルリリースした。同年12月に全曲新曲からなる2ndフルアルバム「Ciao, Fake Kings」を発売。2014年4月には「Hopes Bright」が学校法人・専門学校 モード学園のCMソングに抜擢され、さらに知名度および人気を高める。同年12月にバンド初の映像作品となるビデオクリップ集「The Best Nightmare For Xmas」をリリース。