音楽ナタリー Power Push - 「ウタカツ!オーディション2」
第1回グランプリ受賞者 CHiCOが明かすオーディションの裏側
ソニー・ミュージックエンタテインメントの特設サイトでは現在、アニソン、ボカロ曲、声優アーティストの楽曲を審査対象としたオーディション「ウタカツ!オーディション2」の応募を受け付けている。
2013年に行われた第1回の「ウタカツ!オーディション」ではボーカリスト・CHiCOがグランプリを受賞。彼女はCHiCO with HoneyWorksとして2014年8月にデビューを果たし、2015年11月には初アルバム「世界はiに満ちている」を発表している。音楽ナタリーではCHiCOにインタビューを実施し、審査の思い出などを聞いた。
取材・文 / 倉嶌孝彦
ずっとアニソン歌手になりたかった
──「ウタカツ!オーディション」でグランプリを受賞する前は、どういう形で音楽に関わっていたんですか?
もともと中学生の頃からアニソンが好きで。高校ではボイストレーニングに通ってレッスンを受けつつ、軽音部に入ってバンドを組んでいたんです。バンドではアニソンのカバーなどを歌っていました。
──ボイトレに通っていたということは「将来はプロの歌手として活動していこう」と思っていたんでしょうか?
そこまでしっかりと決めていたわけではなかったんですけど、夢としては持ち続けていました。私は田舎に住んでいたので、中学生のときはそもそもどうすれば歌手になれるのか全然わかっていなかったんですよ。そんな中、高校生になってから知り合いにボイトレの先生を紹介していただいて。その頃から「歌手になりたい」と本気で思うようになりました。
──「ウタカツ!オーディション」のほかにもオーディションは受けていたんですか?
いろいろ受けてましたけど、最初は書類選考で落ちてばっかりだったんです。でも自己アピールの仕方や写真の見栄えなど、試行錯誤を繰り返してようやく手応えを感じられるようになってきて。「ウタカツ!オーディション」への応募は、大学生の頃にスタジオでフライヤーを見かけたのがきっかけだったんです。
──「ウタカツ!オーディション」は「ボカロ・アニソン・声優アーティスト限定 歌い手オーディション」と銘打たれています。CHiCOさんが最初にこのオーディションを知ったときの印象はどういうものでしたか?
「これは受けるしかない!」と思いました。ずっと「アニソン歌手になりたい」って思っていたし、中学生の頃からボカロ曲もずっと聴いていましたから。アニソンとボカロ曲、両方が対象のオーディションってあまりないんですよ。
──アニソンやボカロ曲に触れている方の中には、声優やクリエイターに憧れを持つ方も多いと思いますが、CHiCOさんはずっと歌手を志望し続けてきたんですか?
中学生の頃は興味本位で声優に憧れたこともありましたけど、歌手になりたいっていう気持ちのほうが強かったですね。May'nさんや川田まみさん、あと茅原実里さんが好きで、ずっと聴いてました。大学生になってライブを観るようになってからはLiSAさんのパフォーマンスにものすごい衝撃を受けて、いつかはこんなパフォーマンスができたらなあって思ってたんです。
──根っからのアニソンファンなんですね。
そうなんです(笑)。だからこそ「ウタカツ!オーディション」には、けっこう熱を入れて応募したんです。「落ちたら自分の方向性を見つめ直そう」と思って挑んだのがこのオーディションでした。
好きな曲ばかりで審査を受ける
──オーディションに応募する際は自身の歌唱曲を送ると思いますが、CHiCOさんは応募の際に何を歌いましたか?
自分が得意なアップテンポなものを1曲と、違う色が見えるものとしてミドルテンポなものを1曲送ろうと思って、岸田教団(岸田教団&THE明星ロケッツ)さんの「HIGHSCHOOL OF THE DEAD」と、EGOISTさんの「Departures~あなたにおくるアイの歌~」の2曲を歌いました。オーディションに落ちまくった経験から、2曲送るときはギャップがあったほうがいいと感じていたので、選曲にはけっこう気を使っていましたね。
──審査が進んでいくことで歌唱する曲は増えていくんですよね?
審査ではまた別の曲を歌ってました。2曲歌うことが多くて、1曲はずっと好きで歌い慣れていたガルデモ(Girls Dead Monster)の「Alchemy」。もう1曲はボカロ曲がいいかなと思って、その頃自分がよく聴いていた「独りんぼエンヴィー」という曲にしてました。それと審査が進む中で課題曲がいくつか用意されるんですけど、その中に私が大好きなDECO*27さんの「愛言葉」があって、「これは歌うしかない!」と思って選びました。好きな曲ばかりで審査を受けてましたね。
──ちなみに「ウタカツ!オーディション」の最終審査はどういうものでしたか?
私のときは最後に10人ほど残って、育成期間みたいな形でレッスンを受けたんです。ボイトレとか、ダンスのレッスンをしばらく受けてました。それで、ある日レッスン後の面談で「最終審査に残りました」と言われ……。最初はなんのことが全然わからなかったんですよ(笑)。
──それはCHiCOさんがグランプリを獲ったという意味だったんですよね?
そうです。やんわり伝えられたので、本当にグランプリを獲ったという実感がなくて。その後ちゃんと説明を受けるまでは変な気持ちでした(笑)。
──最終審査でほかの応募者たちとレッスンを受ける中で、手応えのようなものは感じていましたか?
手応えというか、自分がグランプリを獲得するなんて想像もしてなかったんですよ。普通に「明日もレッスン楽しみだな」って思ってたくらいで、「ほかの応募者を蹴落としてやる」なんて思ったことも1度もなくて。もちろん、負けたくないとは思っていましたけど。
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「ウタカツ!オーディション2」
応募締切:2016年2月14日
- 郵送の場合:当日消印有効
- WEB応募およびDAM★とも応募の場合:2月14日23:59
応募資格
- 年齢:12~25歳くらいまでの男女
- 応募曲:ボカロ曲、アニソン、声優アーティスト曲のみ
- 応募形態:シンガー / ユニット
- 特定のレコード会社、プロダクション、音楽出版社に専属契約のない方
1次審査 書類選考
2次審査スケジュール
- 2016年2月27日(土)福岡県
- 2016年2月28日(日)大阪府
- 2016年3月12日(土)北海道(札幌)
- 2016年3月13日(日)愛知県(名古屋)
- 2016年3月19日(土)宮城県(仙台)
- 2016年3月20日(日)東京都
- 2016年3月21日(月・祝)東京都
最終審査スケジュール
2016年4月上旬に東京都内にて実施
- CHiCO with HoneyWorks デビューアルバム「世界はiに満ちている」 / 2015年11月18日発売 / ミュージックレイン
- 初回限定盤 [CD+DVD+グッズ] 3780円 / SMCL-409~11
- 通常盤 [CD] 3024円 / SMCL-412
CD収録曲
- 恋のコード
- アイのシナリオ
- ハートの主張
- 世界は恋に落ちている
- ユキドケ
- identity
- 君ガ空コソカナシケレ
- 11月の雨
- color
- ロクベル
- Love Letter
- 雪のワルツ
- プライド革命
- ホーリーフラッグ
初回限定盤DVD収録内容
- 世界は恋に落ちている ミュージック・ビデオ
- アイのシナリオ ミュージック・ビデオ
- プライド革命 ミュージック・ビデオ
- 恋のコード ミュージック・ビデオ
CHiCO with HoneyWorksワンマンライブ
「世界はiに満ちている」-2nd.-
2016年2月13日(土)東京都 WWW
「世界はiに満ちている」-3rd.-
2016年3月27日(日)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
CHiCO with HoneyWorks 初のホールワンマンライブ
2016年6月4日(土)東京都 中野サンプラザホール
CHiCO with HoneyWorks(チコウィズハニーワークス)
2013年に行われた「ウタカツ!オーディション」のグランプリ受賞者・CHiCOと、クリエイター集団・HoneyWorksによるユニット。2014年8月にアニメ「アオハライド」のオープニングテーマである「世界は恋に落ちている」をシングルリリースし、メジャーデビューを果たす。その後2ndシングル「アイのシナリオ」ではアニメ「まじっく快斗1412」、3rdシングル「プライド革命」ではアニメ「銀魂゜」と連続でテーマ曲を担当し、その知名度を一気に広めた。2015年11月には初アルバム「世界はiに満ちている」を発表。2016年1月には初のワンマンライブを東京・WWWで開催した。さらに2月に東京・WWW、3月に東京・渋谷CLUB QUATTRO、6月に中野サンプラザホールにてワンマンライブを実施する。