音楽ナタリー Power Push - 「ウタカツ!オーディション2」
第1回グランプリ受賞者 CHiCOが明かすオーディションの裏側
迷っているなら受けたほうがいい
──今回の特集はオーディションを受ける人や、受けるかどうか迷っている人も読んでいると思うんですが、読者に向けてメッセージはありますか?
うーん、そうだなあ。もしオーディションを受けるかどうか迷っているなら、受かる受からないは置いといて、受けれてみればいいと思うんです。もし何を歌えばいいかわかんなかったら、好きな曲を歌えばいいですし。それと同じでエントリーシートには好きなことを書けばいいと思っています。
──CHiCOさんはエントリーシートにどんなことを書いていたんですか?
もうホントに好きなことばっかりです。ボイトレの先生が紹介してくれた小さなコンテストで何位でしたとか、空手やってましたとか(笑)。この中で1個でもいいから目に留まればいいなっていう思いで、好きなことを書きまくりました。面接のときは書類をもとに話をするわけですから、題材が豊富なほうが面接官の方も話しやすいかなって。こういうこともオーディションを繰り返し受けていく中で発見したことですから、迷っている人はとりあえずオーディションを受けて経験を積むことが大事だと思います。
──CHiCOさんは「CHiCO with HoneyWorks」としてユニットを組んで、デビューを果たしましたが、ユニットを組むことはオーディションのときから知らされていたんですか?
グランプリを獲るまで全然知らされていなかったんですよ。最終審査のときに「この中のメンバーでユニットを組むらしい」という噂があったくらいですから(笑)。詳しいことはまだ決まってないみたいですけど、今回の「ウタカツ!オーディション2」でもただボーカリストをデビューさせるだけじゃなくて、何かしらプロジェクトを考えているみたいです。どういう形になるかはまだわからないので、CHiCO with HoneyWorksの活動は「あくまで第1回の場合」と考えてもらって、まっさらな気持ちでオーディションを受けたほうがいいと思います。
動画投稿か、オーディションか
──世の中にはニコニコ動画への動画投稿がきっかけになって、歌手やクリエイターとして名を上げていった方も多くいますが、CHiCOさんはオーディション以外の取り組みはしていなかったんですか?
歌い手さんには憧れを持っていたんですけど、私はずっとオーディションを受けることに集中していました。
──それはなぜですか?
私がなりたかったのは、誰もが知っているようなアニメの主題歌を歌うアニソン歌手だったからだと思います。もちろん、入り口がどこでも夢が実現するかは自分次第なんですけど、私の夢を叶える一番の近道がオーディションだと思っていたんです。だから私はオーディションを受け続ける道を選びました。
──結果として、その目論見は当たっていたわけですよね。CHiCOさんのデビューシングル「世界は恋に落ちている」は、アニメ「アオハライド」のオープニングテーマであり、それこそニコニコ動画を知らない多くの人たちにも楽曲が届いたわけですから。
私の場合はCHiCO with HoneyWorksとしてユニットを組ませてもらったことも大きかったんだと思います。もともとHoneyWorksさんの楽曲は中高生にものすごく支持されていましたし。それにその後は「まじっく快斗1412」「銀魂゜」など人気アニメの主題歌を担当させてもらって、「ウタカツ!オーディション」はまさに私の夢を叶えてくれたオーディションだったんだって、今になって実感しているところです。
やりたいことを全部詰め込んだ
──11月にはCHiCO with HoneyWorksとして初のアルバムを発表しました。歌手デビューから1年以上経ち、初アルバムをリリースしたわけですから感慨もひとしおだったと思います。
シングルリリースとは違うドキドキ感がありました。やりたいことを全部詰め込めた作品だと思ってますし、レコーディングを終えたときの達成感もあったんですけど、みんながどういう反応をするかと思うとドキドキして。
──「やりたいこと」というのは?
それぞれの曲に合った雰囲気やニュアンスを表現したくて、曲ごとに歌い方とか声をちょっと変えているんです。「声が違うように聞こえる」とか「ギャップがすごい」とか言われると「よっしゃ」って思うんですよ。カバー曲も含めて、この曲はどういう声で歌ったらいいだろうというのをものすごく考えました。
──アルバムにはCHiCOさんのデビュー曲である「世界は恋に落ちている」も収録されています。今振り返ると、審査でアップチューンを好んで歌っていたCHiCOさんにとってデビュー曲がミドルテンポのナンバーだったというのは意外な気もしますね。
デビュー曲が最大の壁でもありました(笑)。ミドルテンポのナンバーをしっかり歌い込むのは「世界は恋に落ちている」が初めてだったんです。なので、「感情を込めて歌い上げる」ということが全然できなくて、すごく苦戦しました。そのときに「参考にしてみて」と言われたSupercellさんの「ヒーロー」という曲を2週間くらい聴きこんで。ささやくように歌う方法とかをそこから習得していったんです。少しずつですけれど、理想に近づきながらレコーディングしていった曲が「世界は恋に落ちている」でしたね。
──デビューから1年以上経って、シンガーとして実力が付いた実感はありますか?
レベルアップしたとは思いますけど、まだまだこれからだという思いも持っています。アルバムのレコーディングは無事終わりましたけど、これからワンマンライブが控えていますので。ステージの上で、アルバムの収録曲を自分がやりたいように歌い上げられたら、また1つ階段を登れるかなと思っています。
──1月から3月にかけて毎月ワンマンライブが控えています(インタビューは1月10日の初ワンマンライブ前に実施)。どういう気持ちでライブに臨みますか?
私のデビュー当時から応援してくださる方にも、アルバムで私のことを知ってくれて来てくださる方にも、ほんのちょっとかもしれませんけど、恩返しができるライブにしたいですね。
──初ワンマンから2回目、3回目までのスパンが短いですよね。
今ががんばりどきですから! ありがたいことにデビューしてからいろんなイベントに呼んでいただきましたけど、やっぱり自分だけを観に来る方々にちゃんと満足いくライブを観せたいんです。1回ごとにいろんな発見があると思うので、この3カ月でさらに成長できるかなって思っています。この勢いで2016年も充実した1年にしたいですね。
「ウタカツ!オーディション2」
応募締切:2016年2月14日
- 郵送の場合:当日消印有効
- WEB応募およびDAM★とも応募の場合:2月14日23:59
応募資格
- 年齢:12~25歳くらいまでの男女
- 応募曲:ボカロ曲、アニソン、声優アーティスト曲のみ
- 応募形態:シンガー / ユニット
- 特定のレコード会社、プロダクション、音楽出版社に専属契約のない方
1次審査 書類選考
2次審査スケジュール
- 2016年2月27日(土)福岡県
- 2016年2月28日(日)大阪府
- 2016年3月12日(土)北海道(札幌)
- 2016年3月13日(日)愛知県(名古屋)
- 2016年3月19日(土)宮城県(仙台)
- 2016年3月20日(日)東京都
- 2016年3月21日(月・祝)東京都
最終審査スケジュール
2016年4月上旬に東京都内にて実施
- CHiCO with HoneyWorks デビューアルバム「世界はiに満ちている」 / 2015年11月18日発売 / ミュージックレイン
- 初回限定盤 [CD+DVD+グッズ] 3780円 / SMCL-409~11
- 通常盤 [CD] 3024円 / SMCL-412
CD収録曲
- 恋のコード
- アイのシナリオ
- ハートの主張
- 世界は恋に落ちている
- ユキドケ
- identity
- 君ガ空コソカナシケレ
- 11月の雨
- color
- ロクベル
- Love Letter
- 雪のワルツ
- プライド革命
- ホーリーフラッグ
初回限定盤DVD収録内容
- 世界は恋に落ちている ミュージック・ビデオ
- アイのシナリオ ミュージック・ビデオ
- プライド革命 ミュージック・ビデオ
- 恋のコード ミュージック・ビデオ
CHiCO with HoneyWorksワンマンライブ
「世界はiに満ちている」-2nd.-
2016年2月13日(土)東京都 WWW
「世界はiに満ちている」-3rd.-
2016年3月27日(日)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
CHiCO with HoneyWorks 初のホールワンマンライブ
2016年6月4日(土)東京都 中野サンプラザホール
CHiCO with HoneyWorks(チコウィズハニーワークス)
2013年に行われた「ウタカツ!オーディション」のグランプリ受賞者・CHiCOと、クリエイター集団・HoneyWorksによるユニット。2014年8月にアニメ「アオハライド」のオープニングテーマである「世界は恋に落ちている」をシングルリリースし、メジャーデビューを果たす。その後2ndシングル「アイのシナリオ」ではアニメ「まじっく快斗1412」、3rdシングル「プライド革命」ではアニメ「銀魂゜」と連続でテーマ曲を担当し、その知名度を一気に広めた。2015年11月には初アルバム「世界はiに満ちている」を発表。2016年1月には初のワンマンライブを東京・WWWで開催した。さらに2月に東京・WWW、3月に東京・渋谷CLUB QUATTRO、6月に中野サンプラザホールにてワンマンライブを実施する。