ナタリー PowerPush - UNLIMITS
リスナーの“精神安定剤”を目指した 2年8カ月ぶりフルアルバム
新しいことをたくさんやったアルバム
──煮詰まったというアレンジは本当に幅が広がっていますよね。1曲の中でもいろんなことを試している感じがありますし。テンポ感がくるくる変わってトリッキーな世界を見せてくれている「暗闇ノイローゼ」なんか、めちゃくちゃ面白かったですよ。
郡島 おぉ!
清水 面白いですよね。いろいろ新しいことをたくさんやってるので、聴きどころ満載だと思います。「暗闇ノイローゼ」はいつもとは違った声を出して、白目を剥いてる感じのイメージで歌ってみたりとかもしてて(笑)。「雨音」って曲には語りが入ってたり、アコギとピアノとオルガンが入ってる「道しるべ」なんかはもうバンドとして大挑戦だったし。
大月 自分たちとしては新しい音を入れてみたり新しいアレンジをやってみたりっていうことがいろいろできたんですけど、それぞれが違和感なくやれたっていう部分もあるんですよね。いろんなことをやらなきゃっていうよりは、この機会にこれもやってみよう、あれもやってみようって楽しんでできたというか。
石島 ベースに関しては今回、なるべくシンプルなフレーズでグルーヴ感を出すっていうことにトライしました。そうすることによって歌とかギターとかがより際立ってくるし、アンサンブルとしてもうまくまとまった気がしますね。
──石島さんは今回「道しるべ」では作詞に、「ディスコード」では作曲にもトライしてますね。
石島 はい。歌詞は清水さんから依頼された形なんですけど。
清水 感動的なメロディだったんで、思いの強い歌詞を乗せてほしいなっていうリクエストをしました。
石島 僕の地元の先輩がやってたSHACHIっていうバンドが昨年いっぱいで解散してしまったんで、その思いを詞にしてみたらっていうことで。
郡島 あと一番ヒマそうだったんで、仕事を与えようかなと(笑)。
作詞はハダカを見られてる感じ
──郷愁感のあるステキな歌詞ですよね。石島さんの強い思いも伝わってきます。
石島 バッチバチに2人に監修されたんですけどね(笑)。
清水 ここもうちょっとこうしたほうがいいんじゃない? みたいな(笑)。
郡島 赤ペン入れまくって(笑)。
石島 ハイハイって言いながら。でも書けて良かったなって思いますね。
──作曲に関しては?
石島 ぼちぼちなペースで曲は書いてるんですよ。わりと高い確率でボツになるんですけど。まぁでも作り続けていると、たまにこうやって採用されることもあるっていう。
清水 ジマさん(石島)の作詞と作曲には期待してるんで、これからもどんどんやっていただきたいですね。他のメンバーの色が入ってくると面白くなるんで。
──大月さんはどうなんですか?
大月 作詞作曲ですか? 曲は「蒼-アオイ-」のときに1曲ちょろっと書いたんで、今後もできればやりたいなとは思ってます。ただ、詞はイヤなんですよ。なんかハダカを見られてる感じがするじゃないですか。それがイヤでしょうがないっていうか。
清水 こんなに私たちがハダカを見せてるのに?
石島 僕らもう丸ハダカですよ。
郡島 すっぽんぽん。
清水 なので、ぼちぼち脱ぎ始めていただいて。
──1回、書いてみたら病みつきになるかもですよ。
大月 いやいや。なんでそんなに書かせようとするんですか!(笑) まぁでももしかしたら次回はリードソングの詞を俺が書いてるかもしれないですからね。もしかしたらですけどね。
清水 まぁ次回作に期待ってことで(笑)。
UNLIMITS(あんりみっつ)
結成は2002年。メンバーチェンジを経て、2006年8月に現在の清水葉子(Vo,G)、郡島陽子(Dr,Vo)、石島直和(B,Cho)、大月義隆(G,Cho)の4人編成となる。2005年に初の音源となるミニアルバム「七色の記憶」をリリース。清水、郡島の女性ツインボーカルが織りなすハーモニーと日本語の響きを重視した歌詞、力強く情熱的なサウンドで人気を集め、2008年にはSUM 41の来日公演オープニングアクトを務めたことでも話題を呼んだ。2010年8月4日リリースのミニアルバム「蒼-アオイ-」から所属レーベルをSony Music Recordsに移籍。その後も精力的なライブ活動を続け、2011年2月16日にメジャー初のフルアルバム「トランキライザー」をリリースする。