ナタリー PowerPush - UNLIMITS
女性ツインボーカルと激情骨太サウンド 快進撃を続ける4人組が放つ移籍第1弾
「茜-アカネ-」と「蒼-アオイ-」両方を聴いてほしい
──レーベル移籍のタイミングで届けられるミニアルバム「蒼-アオイ-」からも、そういう変化はしっかりと感じられました。
清水 「夢幻シンドローム」(2008年リリース)っていうフルアルバムでそれまでの集大成を詰め込むことができたので、その後の「茜-アカネ-」(2009年リリース)と今回の「蒼-アオイ-」では、ほんとにいろんな新しいことに挑戦した感じはありますね。そもそも「茜-アカネ-」の制作途中から「蒼-アオイ-」を作ることは決めていたんですよ。2枚でひとつのコンセプトアルバムっぽいものになったら面白いかなぁと思って。だからジャケットも2枚つなげると1枚の絵になるようにして。そういうこと自体、初めてなんですけど。
──なるほど。今作のオープニングを飾る「蒼」という曲には、“茜”というワードが使われてますしね。
郡島 そうなんです。歌詞の内容もリンクさせてます。なので、両方を聴いてもらうとより一層楽しめると思います。
──制作に関しては合宿が行われたそうですが。
清水 曲作り合宿、やりましたね。わりと合宿は好きなんですよ。カンヅメになって、ほんとに音楽としか向き合わない状況に自分を追い込んでいくことが曲作りには大事なような気がしていて。
大月 今回は3泊4日の合宿を2回やったのかな。時間をかけてプリプロができたので、1曲ずつをかなりブラッシュアップできた感じがします。
合宿では一触即発「やんのか、コイツと思って」
清水 あとは毎回のことなんですけど、今回もまただいぶ飲みました(笑)。
──アハハハ。合宿にはお酒も必須?
清水 曲作りはストイックにしてるんですけど、やっぱり楽しむことも忘れちゃいけないと思うので(笑)。夜はお酒飲みながらダラッとして、ちょっとセッションしてみたりとか。そういうのがあるからこそがんばれるし。
大月 僕が1人でミックスをしてロビーに戻ったら、ドラムとベースが飲みすぎてケンカみたいになってた瞬間もありましたけど(笑)。
清水 そうそう。で、私が、ほらもうやめなよ~とか言って(笑)。
──合宿としてはマズイ状況じゃないですか。
石島 いや、でも音楽的なことが原因だったんですよ。ベースをちょっと歪ませてみたらいいんじゃないかみたいなことを、少しキツイ言葉で言われたんで……こっちもヒートアップしちゃって。
郡島 ベースのことわかんねぇのに言ってんじゃねぇよ、とか言われて。やんのか、コイツと思って。一触即発みたいな(笑)。面白かったですけど。
──まぁ、そういうことがあって結束がより強まることもありますしね。
石島 そうなんですよね。その部分のほうが大きいと思ってます。
清水 合宿は話し合いがたくさんできるからいいですよね。思ってることをすぐに言えるし、それをすぐ形にもできるので、有意義です。
──今回のプリプロでは、新しいアイデアなども積極的に取り入れた感じですか?
大月 そうですね。「蒼-アオイ-」は「茜-アカネ-」の続きの物語だけど、「茜-アカネ-」のときにやってたことをそのままやっても面白くないなって思ったし、それじゃ進歩もない。なので、新しいところに踏み出したものにしたかったんです。
UNLIMITS(あんりみっつ)
結成は2002年。メンバーチェンジを経て、2006年8月に現在の清水葉子(Vo,G)、郡島陽子(Dr,Vo)、石島直和(B,Cho)、大月義隆(G,Cho)の4人編成となる。2005年の「七色の記憶」を皮切りに、これまでに4枚のミニアルバムと1枚のフルアルバムをリリース。清水、郡島の女性ツインボーカルが織りなすハーモニーと日本語の響きを重視した歌詞、力強く情熱的なサウンドで人気を集め、2008年にはSUM 41の来日公演オープニングアクトを務めたことでも話題を呼んだ。2010年8月4日リリースのミニアルバム「蒼-アオイ-」から所属レーベルをSony Music Recordsに移籍。