ナタリー PowerPush - Tiara
今を生きる女性に贈るメッセージ 1stアルバムついに完成!
ティアラを頭につけたときのような特別な気持ち
──じゃあ、“you”というのは主に女の子に対して?
……とは限らないんですけど(笑)、やっぱり同じ女性に共感していただけるのはうれしいです。私も女性として、いろいろな恋愛を通して感じたことを表現しているので、そのあたりは特に聴いてもらいたいと思いますね。実はTiaraというアーティスト名を付けたのも、私の曲を聴いた女の子がティアラを頭につけたときみたいな気分になってほしいっていう願いを込めてて。
──と、言うのは?
ティアラって、普通はお姫様が頭につける特別なものですよね? でもそんなお姫様じゃなくても私たちは同じくらい存在価値があるし、ひとりひとりが大切な存在だと思っていて。悲しいことがあったら私の曲でいっぱい泣いてもらいたいし、次の日また笑顔になってもらえる曲を届けられる存在でありたいっていう。これはもう、私のアーティスト人生を通して一生伝えていきたいことですね。
──Tiaraさんご自身の人生でも、“ティアラを頭につけてもらった”音楽というのはあるんですか?
うーん、特にこの曲っていうのはないんですけど、私はそんなに強くないし、弱い部分もいっぱいある人間なので。泣きたいときやクヨクヨしたときに音楽に助けられたっていう経験はたくさんありますね。だから、今度は私がその逆の立場に立ちたいという気持ちがありまして。私の曲を聴いて、ティアラを頭につけたときのような特別な気持ち……私ってこんなに尊い存在なんだとか、そんなことに気付いてもらえたらうれしいです。
カフェでガールズトーク、7時間!
──岡本真夜さんからの提供曲「My best friend」は親友への思いがつづられた曲ですが、どんな経緯で制作されたんですか?
これは直接ご本人にお会いして、こういう曲を作っていただきたいっていうアイデアをお伝えして。親友が地元の浜松にいるんですが、彼女とはいつもどこかでつながっているっていう、そんな曲を作りたかったんですよ。完成した曲を聴いたときは、私が言いたかったことをそのまま表現していただいていたので、もう号泣でしたね。
──他にも今回は古内東子さんだったり、いろいろなアーティストからの提供曲が多いですよね。
はい。古内さんは、以前に私が「誰より好きなのに」をカバーさせていただいてからの関係なんですが、今回は書き下ろしをお願いして。ちょっと大人な三角関係の曲を書いていただいたんですが、詞の繊細な表現とか本当に素晴らしいなって思いました。
──本当に。女の目から見ても、ちょっとドキッとしちゃいましたもん(笑)。一方で、ご自身の作詞曲「Tell me」や「好きでいさせて」などは、より自らのリアルな恋愛観が表れてるんじゃないですか?
そうですねぇ(笑)。私は背伸びすることなく、ただ思ったことを書いてるだけなので。同世代の方はきっと同じことを思っているんじゃないかと思いますね。例えば「Tell me」は3年くらい前からあった曲で、これは周りの男性スタッフさんに共感してもらえない部分も多かったんですが、「いや、女の子はこう思ってるんです!」って反論したりしました(笑)。
──恋愛の曲は、基本ご自身の経験をもとに?
もちろん。全部が全部じゃないですけど、7~8割はそうですね。いろんな恋愛のパーツを組み合わせたり、その時々に感じた切ない気持ちを引っ張ってきて書いたりします。あと、カフェで隣にいるカップルの会話や、友達の話からアイデアが生まれることも。ガールズトークはものすごく参考になりますね(笑)。
──よくされるんですか?
最近は少なくなりましたけど、時々みんなで話さないとイライラしたり禁断症状が出たりして(笑)。この間も友達と7時間くらいカフェで過ごしましたよ。ランチして、気付いたらもうディナーだ、みたいな(笑)。
ポジティブな曲は自分に対して歌っているところも
──ちなみに、Tiaraさんの恋愛タイプはどんな感じなんですか?
けっこう追いかけたい派ですね。向こうからあまりに来られるとちょっと引いちゃう感じ。……と言いつつ、かまってくれないとスネるので難しいんですけどね(笑)。
──でもTiaraさんの歌詞って、なんとなく聴いてて切ない系が多い気がするんですよ。やっぱりそっちのほうが書きやすかったりするんですか?
そうですねぇ……多分、切ない経験が多いので(笑)。どちらかというと恋が叶わなかった経験のほうが多いので、どうしても切ない気持ちが書きやすいのはありますね。
──今後、こういう恋愛の曲を書きたいとか、何かイメージはあります?
まず3rdシングルの「キミがおしえてくれた事」でハッピーなラブソングを書いたことが、ちょっとした挑戦ではあったんです。でも今後も明るい恋愛の曲は増やしていきたいですし、あと、恋愛に限らず女性に向けた曲もどんどん増やしていきたいですね。
──今回で言うと、「虹を描けば」のようなポジティブな曲はどうですか?
もちろん書いていきたいです。私自身がどうしてもポジティブな性格ではないので、女性を応援したいっていう思いもありつつ、そういう曲は自分に対して歌っているようなところも。自分で自分を励ましてる感じですかね(笑)。恋愛の曲は相手を思って書くことが多くて、自分に向けてだったり、女性に向けて書く曲は、どっぷり自分に向き合う作業になりますね。
──6月4日にはアルバムのリリースパーティが開催されますね。こちらは本当に楽しみです。
初めてのアルバム、初めてのワンマンライブと“初めて”が続くので、私は今から割と緊張してます(笑)。でもいろいろなことを体験できるのは楽しみですね。
──ライブでのお客さんの反応って気になるタイプですか?
はい。心配性かつ不安症なので、もうドキドキですよ。ライブも毎回、心臓が破裂しそうなほど緊張しますし、まだ慣れないですね(笑)。でも今回は、リリースするアルバム自体がみなさんへのメッセージ満載の内容なので、何か一言でも感じてもらえるものがあったらいいなって。ひとりひとりがご自分の曲として受け止めて聴いてもらえれば、それが私にとってのベストですね。
ワンマンライブ情報
- Tiara LIVE 2010 ~Message for you~
- 2010年6月4日(金)東京都 SHIBUYA BOXX
OPEN 18:00 / START 18:30
チケット発売中
Tiara(てぃあら)
静岡県出身の女性シンガー。デビュー前からその歌声が評価され、ケツメイシやSpontania、エイジアエンジニアら多くの楽曲でバックコーラスを担当。2007年7月にインディーズで1stシングル「Magic☆」をリリースし、iTunes Storeで1位を獲得。2009年9月に「さよならをキミに... feat. Spontania」で待望のメジャーデビューを果たした。続いて、古内東子のカバー「誰より好きなのに」を配信限定リリース。SEAMO、KGをフィーチャーしたシングル2枚が話題を集め、5月に初のフルアルバム「Message for you」をリリース。