ナタリー PowerPush - スーパーカー

今のナカコーが磨き上げたあの頃の楽曲「RE:SUPERCAR 1」

スーパーカーは学校みたいなもの

──じゃあ改めて、ナカコーさんにとってのスーパーカーとはどういうものでしたか?

今でも原点だし、それは変わらない事実だから。……今の自分を形成したものでもあるしね。だからなんていうんだろ、学校みたいな感じだったかな。

──学校だからいずれ卒業するものでもあると?

うん、まぁ学べる学校だったと思います。

──これを、昔のファンも興味深く当然聴くし、新しいファンも聴くだろうけど、そこから当然のように、もう一度やらないのかって声も出てくると思うんです。ナカコーさん個人としてはどうなんですか。

うーん……。まぁでもやんないと思いますけどね。ははは(笑)。

──また微妙なニュアンスのお答えを。

まぁやらないと思いますよ、本当に。そういうものに関しては僕は、状況と、やる意味、を考えるかな。可能性としてはいろんな可能性があるだろうし、例えば自分もフジロックでPIXIESを観て、観れなかったから観れてよかったな、ぐらいの感情はあるし、そういう人たちの気持ちはわかるし。でもそれは可能性の1つでしかないから、PIXIESが再結成しなくてもよかったっていう可能性もあるし。そのへんはあれじゃないかな、何か1つに断言はできないかな。

──でも単純に、いい曲がいっぱいあるわけだし、この曲たちが今ライブで聴けない状況にあるっていうのは残念だと思うんですけどね。

うん。でも、そんなバンドいっぱいいるから。

──いや、そりゃそうだけど。

はっはっは!(笑)

──でも曲は生き続けてほしいじゃん、やっぱり。

それは別にライブじゃなくてもいいかなって。生き続けるのはね。盤が残ったり、いつでも聴けるように再発したりデータ化すりゃあいいだろうし。いつでも聴ける、いつでも取り出せる、消えてしまわないことが一番うれしいし。

──まぁ一度出したんだから消えることはないけど。

今でも再発で、それまで陽の当たらなかったかわいそうな音源たちが発掘されたりしてるでしょう。それよりはいつでも売ってるもののほうが幸せな楽曲だなぁと。

──でもライブはライブでまた違う感動がありますよ。って別に今さら言われるまでもないだろうけど。

うん、まぁそれも全然わかるけど、どちらかというとライブ以上にその楽曲自体が……。

──なるほど。わかりました。

こういう音楽を10年以上前にやってたバンドです

──何かファンの人からの声とか聞かれました?

元が好きな人は好きだろうし、これが面白いっていう人は好きだろうだし。そのへんはどう判断してもいいし、これが素晴らしいっていう決めつけでもまったくないし。本当に企画として、面白いものとして、ただ存在してるだけだから。

──でもファンはうれしいと思いますよ。自分の好きなバンドについてあれこれ語るネタが新たにできたっていうのは、とても幸せなことだと思います。

うん、それであればそれですごいいいと思いますけどね。

──じゃあ、新たにこれで初めてスーパーカーに接する人たちに、どんなふうに思ってもらえれば幸せですか?

10年以上前のバンドですよっていうだけかな、やっぱり。こういう音楽を10年以上前にやってたバンドですっていうことだけです。

──そこはプライドを込めて?

うん、うん。まぁうん。

──でもありきたりな言い方ですけど、今聴いても十分通用するフレッシュな楽曲だと思いますよ。

それはずっとそうあってほしいと思いますけどね。

「RE:SUPERCAR 2 ~redesigned by nakamura koji~」 / 2011年4月20日発売 / Ki/oon Records

  • 初回限定盤[CD] / 3360円(税込) / KSCL-1755~1756 / Amazon.co.jpへ
  • 初回限定盤[CD] / 3059円(税込) / KSCL-1757 / Amazon.co.jpへ
DISC1 収録曲
  1. Walk Slowly
  2. Sun Rider
  3. I need the sun
  4. DRIVE
  5. Dive
  6. 333
  7. OOYeah!!
  8. Pink Rock
  9. Jump
  10. Lucky
  11. Wonderful World
  12. ONE
  13. Low-down (Live Scene)
  14. TRIP SKY
  15. cream soda
DISC2 収録曲(※初回限定盤のみ)
  1. Cream soda demo
  2. Wonderful World demo
  3. untitle #1
  4. untitle #2
  5. untitle #3
  6. CAT demo
  7. 333 demo
  8. ZEBIUS demo
  9. untitle #4
  10. untitle #5
  11. I wanna stay demo
  12. untitle #6
  13. Hello demo
  14. Drive demo
  15. untitle #7
  16. Fllicker demo
  17. untitle #8
  18. MIAMI BEACH demo
  19. In Hawaii demo
  20. Melancholic Bass demo
  21. Tulip demo
  22. Sun Rider demo
  23. untitle #9
  24. I need the sun demo
  25. Life gose on demo
  26. U demo
  27. Jet Bee Town demo
  28. untitle #10
  29. untitle #11
  30. Holly demo
  31. Skyphone speaker demo
  32. Spider demo
  33. untitle #12
  34. YES demo
  35. Sugar Head demo
  36. Sugar Song demo
  37. Rental Car demo
  38. Noman demo
  39. untitle #13
  40. Summer tune demo
スーパーカー

中村弘二(Vo, G)、いしわたり淳治(G)、フルカワミキ(B, Vo)、田沢公大(Dr)による4ピースバンド。1995年に青森で結成し、1997年9月にシングル「cream soda」でデビュー。初期の作品は繊細な歌詞とアタックの強いギターサウンドを特徴とし、ロックファンを中心に人気を集める。

その後2000年2月発表の8thシングル「FAIRWAY」ではディスコビートを取り入れ、同年10月リリースの10thシングル「WHITE SURF style 5.」では高速フリーフォームロックを聴かせるなど、徐々にその幅広い音楽性を提示。2001年11月発売の11thシングル「YUMEGIWA LAST BOY」では砂原良徳をプロデューサーに迎え、エレクトロニカに接近した側面を見せた。

また音楽とビジュアルの融合にも積極的で、2000年の全国ツアー「SUPERCAR TOUR 2000 "FLOOR EXTRA"」ではVJを宇川直宏が務め、ハイブリッドなステージを展開。2004年の全国ツアー「SUPERCAR TOUR 2004 "ANSWER"」では5thアルバム「ANSWER」のジャケットアートワークを担当した宇川直宏×田名網敬一によるサイケデリックな映像が、アルバムの世界観を再現するのに一役買った。

2005年1月20日に発売された「ROCKIN' ON JAPAN」誌上にて解散を発表。同年2月26日に新木場STUDIO COASTで行われたラストライブにて解散した。