ナタリー PowerPush - S.R.S
若さとピュアネスを詰め込んだ1stアルバム「ACROSS THE MINDSET」
カッコいいと思えるものは何でもやってみようって
──そして6曲目「SUNSHINE」ではベースの上松さんが作詞作曲+ボーカルも担当されていて。これにはちょっとビックリしました。
上松 もともとこの曲は僕が作ったデモテープにあったもので、合宿前にスタッフさんから「面白くなるかもしれないからやってみなよ」って言われて。歌詞もついてなかったんですが、だったら……と思って自分で書いてみようかと。最初はかなり心配だったんですが、まさにそういう不安な気持ちが歌詞のアイデアに繋がっているんですよね。
──あ、そう言われてみれば!
上松 いしわたりさんにも、ちょこちょこ修正を加えてもらいつつ、最後には「いい感じになったね」って言ってもらって。それが自信につながったので、これからも作詞作曲はやっていきたいなって思いました。
向尾 ボーカルも、全然違和感ない感じだったよね。
──あ、私もすごく素敵だと思いました。初めてのボーカル曲とは思えないくらい。
上松 本当ですか? うれしいです。やっぱりS.R.Sの曲だから山口が歌わなきゃみたいな気持ちもあったんですけど、「SUNSHINE」に関しては自分が歌って初めて完成するのかなと思って。みんなにも「面白いからいいんじゃない?」って背中を押してもらえたんで挑戦しました。
──先程の向尾さんの作詞の件もそうですが、ある意味、S.R.Sの楽曲制作に関しては決まりがないというか。
上松 カッコいいと思えるものは何でもやってみようって。
山口 僕も上松が歌うほうがカッコいいと思ったんで、全然いいよ、歌ってみてよ? っていうノリでしたからね。ホントそのとおりです。
ワンマンツアーで自分たちなりの法則ができたら面白い
──このアルバムを引っさげた初の全国ワンマンツアーも3月から始まります。
山口 ツアーはとにかく楽しみですね。ワンマンで回るのも初めてだから、いろいろとワクワクしてることがたくさんありますよ。
──例えばどんなことですか?
山口 この前、RED HOT CHILI PEPPERSのツアーDVDを見てたんです。そしたら、メンバーがライブ前にハーブティーを飲んでたり、薬用人参を食べたりしてたんですよ。あと、ストレッチして体をぐにゅぐにゅに曲げてたり。少し感化されすぎかもしれないんですけど(笑)、自分たちもそうやってツアーならではの決まり事みたいなものができていくのかなって。
──確かにそれはワンマンツアーならではかも。
山口 ですよね。僕らは今回5カ所だけど、自分たちなりの何か法則ができていったら面白いなって思いますね。
上松 ワンマンってことは、全員がS.R.Sを観にきてくれてるお客さん。そこが今までの対バンツアーとは違うし、お客さんとどんな風にコミュニケーションを取っていけるかなっていうのも楽しみです。
向尾 自分たちがまず楽しみたいし、お客さんも絶対に楽しませたいと思ってます!
ツアー2日前に学校を卒業、音楽一本の生活に
──ちなみに、この時期って学校はもう卒業してるんですか?
山口 ツアー初日の2日前が卒業式なんですよ。
──それはグッドタイミング! 学生生活が終わると皆さん音楽一本の生活になっていくんでしょうね。
畑中 はい、卒業後は音楽をずっとやっていくことになるんで、その一発目としてこのツアーで加速できたらと思います。
──ちなみに、ツアータイトル「Bowling Rag Sheep」の由来は?
向尾 今までのツアータイトルって全部「~ing」で統一してるんです。
山口 最初のツアーも「Traveling Rag Sheep」で。今回はボウリングみたいにコロコロ転がって、お客さんをノックアウトさせようぜ! みたいな。
──メンバーを球、観客をピンに見立ててストライク! って感じ?
向尾 そうです。勢いありますよね(笑)。
上松 あともうひとつ、地下を掘る時のボーリングにもかけてて。S.R.Sを掘り下げる……みたいな。
──おぉ! なんだかタイトルだけでツアーも楽しみになってきますね。
全員 期待しててください!
CD収録曲
- Across The Mindset
- ワンダーソング
- I'm waiting for you
- 風向き
- ジョーイ
- SUNSHINE
- クレイジーガール
- さよならボクサー
- 大切だから捨てましょう
- 鬼さんこちら
- You're My Rock'n Roll Girl
- She is coming home
- Sometiems -B.C.-
S.R.S(えすあーるえす)
山口卓也(Vo, G)、向尾荒野(G)、上松幸平(B)、畑中拓也(Dr)の4人により2005年に結成されたギターロックバンド。ソングライティングを担当している山口のルーツである、UKロックのテイストを感じさせる温かみのあるサウンドと美しいメロディを特徴とする。2009年5月にリリースしたメジャーデビューシングル「Sometimes」が同月全国公開の映画「重力ピエロ」の主題歌に抜擢され、注目を集める。また2009年8月にはスペースシャワーTV主催のフェスティバル「SWEET LOVE SHOWER 2009」にオープニングアクトとして出演。着実にステップアップを続けている。