音楽ナタリー PowerPush - 清 竜人25

夫が1人に妻6人 一夫多妻制アイドルそれぞれの思惑

清 竜人25は大衆音楽をやるための場所

──6人の夫人と実際にグループとして活動していく中で、当初の印象から変わってきたことはありますか?

うーん、あるっちゃありますね。うまく言葉で言えないんですけど……曲作りの段階で、自分の中で「これはやっちゃだめ、これはOK」というボーダーラインがあるんですね。メロディも、厳密に言うとコード進行もそうなんですけど。曲によって「ここでかけ声を入れちゃいけない」とか細かいラインがあるんですけど、お客さんの反応によってもう少しできる範囲が広がってきたような気がして。ここはもうちょっと攻めても大丈夫だなとか、感覚的なことなんですけど、当初思っていたよりも可能性が広くなった気がします。

──夫人たちそれぞれに、個別に生かせるような個性も見えてきましたか?

もちろんそれぞれに個性があるのはよいことですけど、まだそういう時期じゃないなと思っていて。もっとメンバー個々に固定ファンがしっかり付いてくれば、ソロ曲をやる場面が出てきたりしてもいいと思ってるんですけど。そのほうが僕もライブで休憩できるし(笑)。まだその時期じゃないと思っているのと、25は僕と女の子6人が登場する割合を50:50にしたいというのがあるので、この割合はまだ変えたくないんです。

──きっとフルアルバムやワンマンライブのように、1つの物語として長い時間軸が用意されたときにそういう要素は出てくるのかなと予想しているのですが。

清 竜人

そうですねえ。ただ、さっき引き合いに「MUSIC」を挙げてもらいましたけど、「MUSIC」と今回では自分の中で全然違うんです。あのときは本当に自分の作りたいものを創作してましたけど、今回はアイドルユニットである以上、やっぱり大衆音楽が作りたいという思いが根底にあって。わかりやすく言うと、難しいことはあまりしたくない。

──続けていくうちにわかりにくいことがやりたくなる可能性は?

そうなったらソロをやります。

──あー、そうなんですね。清 竜人25はあくまで大衆音楽をやるための場だと。

たぶんポップスをやりたかったというのが一番大きくて。自分が今さら普通にJ-POPを歌うのは、恥ずかしくてできなかったんです。だから照れ隠しでこういう形態になっているというのはありますね(笑)。

幸せな夫婦生活の行く末

──ソロでの最後のライブは、MCも挟まずアンコールもやらず、1曲終わってはステージ上のPCモニタを凝視して次の曲を準備するという、大衆音楽とは真逆のパフォーマンスでしたよね。

ああ、そうですね。真逆ですね。

──これまでの清さんの活動を考えても、このグループで5年10年と続けるわけではないなとは思ってるんですよ。ただ、約半年間の活動の中で夫人たちの個性やバランスも明確になってきて、今は旦那不在での活動も出てきたりしていて。そんな妻の変化を夫はどう見ているのかなと。

僕がいなくても済むんだったら、本当にメンバーだけで何かをやらせたいと思っていて。何をやっても勉強になる時期だと思うし、僕がいなくて済むものは彼女たちで協力してクリアしていってほしいという思いはあります。歌やダンスだけがアイドルじゃないんで。コミュニケーション能力や普段のふるまい、いろんな要素があると思うんですけど、ちょっとずついろんなものをこなしながら気付いていくことだと思うので、何事にも挑戦してほしいと思っています。

──仮想の夫婦とはいえ、自分より若い子たちをある意味養っているとも言えるわけで、あながち完全な仮想でもないんじゃないのかなと。

いや、本当に。自分が紡ぐ歌詞やメロディによって、それがヒットするかしないかによって、この子たちの人生が変わるんだなと思うと……面白いですけどね(笑)。

──夫人たちもファンたちも、どこか「この幸せな夫婦生活は永遠ではない」と考えているような刹那的なムードをこのグループには感じてるんじゃないかと思うんですよ。物語としてはむしろラストシーンのイメージが想像しやすいというか。

うんうん。メンバーにはそれぞれ思いがあって、中には純粋にアイドルになりたくていろんなオーディションを受けていた子もいれば、僕と一緒に25として活動することに単純に興味を持って参加した子もいるんです。みんながみんな、25が終わってもアイドルやタレントとして活動を続けたいとは考えてないと思うんですよ。その野心のアンバランス感も面白いところで。というかまあ、もとをただせば僕がずっと音楽やっていこうとは思ってないですからね(笑)。

──あはははは(笑)。それは以前からずっと言ってますよね。夫人たちそれぞれの考えていることは先ほど聞いてみましたけど、どんな話をしていたか気になりますか?

あんま気にならないですねえ(笑)。それぞれがちゃんと仕事をこなしていれば、変な言い方をするとどうだっていい。個々の考え方や性格の違いも、それが魅力的に見えればなんだっていいかなと思うので。よくないことをやっていれば注意しますけど、ルールを守っているぶんには好きにすればいいかなと思っています。

──「私は気に入られてないんじゃないか」と気にしているメンバーも3人ほどいましたけど。

清 竜人25

多いですね(笑)。それは被害妄想が強いかどうかですよ。

──心当たりは?

ないですよ。

──逆にこの子がお気に入りなんだろうなあという予想も出てました。

そんなことないんだけどな。なんか無意識に出てるのかなあ。はははは(笑)。それはよくないですね。博愛がモットーなので。でも歌のパートや個々の仕事なんかも平等にするようには考えてますよ。第1から第6まで番号が付いてますけど順序は関係ないですし、僕がメインでいる上でのメンバーなので、そこに序列はいらないかなと。

──アイドルユニットの中心人物として、異性のみならず同性からもキャーキャー言われるのはどういう気分ですか? チェキ会などの様子を見る限り男性ファンもかなり多いようですけど。

なんなんでしょうね。それはそれでいいんですけど。アイドルだから当然男のファンが増えて、今はステージ上から見るとちょうど50:50ぐらいでちょうどいい感じなので、このままうまく広がっていけばいいなと。もともと僕のファンで今もファンという人は相当打たれ強い子だと思うんですけど(笑)、25で初めて握手会をしたときに、ソロのときからのファンと初めて話をしたんですよ。今までは直接触れ合う機会なんてなかったから。

──あー! 確かに。昔からのファンにとっては考えてもなかったチャンスですよね。

はい。Twitterとかブログもまったくやってないですし、MCもほとんどしゃべらないですし。「このアルバムからのファンです」っていう声を直接聞くのは新鮮でしたね。25になっても聴いてくれている人もいるし、25になってから新しくファンになった人も男女問わずいて、今はいいバランスになってますね。

第1~6夫人 インタビュー
清 竜人 インタビュー
2ndシングル「A・B・Cじゃグッと来ない!!」 / 2015年2月18日発売 / 完全生産限定盤 / [CD+DVD] 1620円 / TOY'S FACTORY / TFCC-89532
2ndシングル「A・B・Cじゃグッと来ない!!」
CD収録曲
  1. A・B・Cじゃグッと来ない!!
  2. 鬼の目にもナ♡ミ♡ダ♡
  3. A・B・Cじゃグッと来ない!!(Instrumental)
  4. 鬼の目にもナ♡ミ♡ダ♡(Instrumental)
DVD収録内容
  • 「A・B・Cじゃグッと来ない!!」Music Video
  • 「A・B・Cじゃグッと来ない!!」Music Video dance shot ver.
  • 「A・B・Cじゃグッと来ない!!」Music Video メイキング映像
  • 「A・B・Cじゃグッと来ない!!」ライブ映像(清 竜人ハーレム♡フェスタ2014 Vol.2)
  • ハーレムクッキング大会

ナタリーストア 清 竜人25「夫婦の協同作業」企画グッズ

清 竜人25(キヨシリュウジントゥウェンティファイブ)

清 竜人25

ソロアーティストとして活動していた清 竜人が、2014年9月に立ち上げたアイドルユニット。プロデューサー兼メンバーの清 竜人に、その妻である清 咲乃、清 桃花、清 亜美、清 美咲、清 菜月、清 可恩を加えた7人からなる。2014年11月にデビューシングル「Will♡You♡Marry♡Me?」、2015年2月に2ndシングル「A・B・Cじゃグッと来ない!!」をリリース。2014年9月より自主企画ライブイベント「清 竜人ハーレム♡フェスタ2015」を継続的に行いながら、アイドルイベントを中心にさまざまなライブイベント、音楽フェスなどに参加している。