音楽ナタリー PowerPush - 清 竜人25

夫が1人に妻6人 一夫多妻制アイドルそれぞれの思惑

清 竜人が6人の“妻”を引き連れ、一夫多妻制の7人組アイドルグループとして2014年秋に始動させたユニット、清 竜人25。夫人たちは皆「清」の姓を持ち、デビュー時にはウエディングドレスを思わせる純白の衣装で、左手薬指には婚約指輪をはめて登場した。

センセーショナルな“婚約”からおよそ半年、ライブ活動やメディアへの露出を重ねるうちに、謎多きユニットの全貌は少しずつ紐解かれている。ナタリーでは2ndシングル「A・B・Cじゃグッと来ない!!」の発売に合わせ、メンバー全員にインタビューを実施。前半は夫人6人のみ、後半は夫のみとあえて個別に話を聞き、グループの実情に迫った。

取材・文 / 臼杵成晃 撮影 / 笹森健一

第1~6夫人 インタビュー

6人の夫人、それぞれのキャラクター自己分析

──まずはお1人ずつ自己紹介として、自分が思うこのグループ内での立ち位置を教えてください。

清 咲乃

清 咲乃(第1夫人) 自分で考えていいんですか?

──自己申告で。結成時に思い描いていた自分のポジションと変わってきた部分などもあったら説明してください。

咲乃 えーと、私はテンションが1日ずっと変わらないですし、寝なくてもすごくテンションが高いので、テンション担当です。……ウソですこれは! 私はお人形さんに憧れているので、あえて笑わない方向で行こうと思います。

清 桃花(第2夫人) 私はいつも眠そうだねって言われます。眠気担当で(笑)。

清 亜美(第3夫人) 癒し系的な?

清 桃花

桃花 よく癒し系って言われるんですけど、私は別に……ただ眠いだけなので。

亜美 私は一番年上なので……今、夫人だけで番組をやらせてもらってるんですけど(ガールズコンテンツサービス「LoGiRL」で毎週月曜配信のレギュラー番組「清 竜人25の今夜もハーレムNIGHT」)、そういう場では司会をやったり、ライブではMCを任されたり、自然とMC担当みたいになってます。みんなの信頼を得て、ゆくゆくは裏のリーダー、ボス的な存在になろうと思っています(笑)。

──結成段階から「年上だからMCで」という扱いでしたか?

亜美 いや、いろいろ話していく中で……電波を発してるメンバーが多いので(笑)、消去法で私がそういう役割になったんだと思います。でもやりがいも出てきて楽しいので、これを自分の武器にしていきたいです。

清 美咲(第4夫人) 私なんだろう……何?

咲乃 お姉さんキャラ?

亜美 ライブパフォーマンスはカッコいいよね。あと大声。

美咲 あー。私、声がすごく大きくて、ライブ前のマイク調整のときってみんな「もうちょっと声大きくしてね」って言われるんですけど、私だけ「あーもう大丈夫」みたいな。ライブになると変わっちゃうんですよ声が。力強くなっちゃうというか。……そんな人でーす。

──よくある“元気印”“元気担当”みたいなものとは違うんですか?

左から清 咲乃、清 桃花、清 亜美、清 美咲、清 菜月、清 可恩。

清 菜月(第5夫人) ほっとけない問題児。

清 可恩(第6夫人) 破天荒。

美咲 バカヤロウ!(笑)

亜美 でもこのパワフルさはグループの中で大事だよね。

菜月 私は気分屋で飽き症なので、気分屋担当で。

咲乃 ギャルじゃないの?

菜月 ギャルじゃないよ! ギャルに憧れてる担当。で、アイドル担当です!

可恩 私は一番年下だからなのか、流れ的にどうしてもイジられキャラになっています。あと声に特徴があるので、見つけやすい担当。

亜美 わかりやすく萌え担当みたいな感じだよね。

──今の皆さんの自己分析、ちょいちょいツッコミは入ってましたけど、それぞれ納得できる内容でしたか?

亜美 はい。みんな素のままでいてこれなので、自然とキャラ分けができている気がします。無理してキャラ作りはしてないよね。

可恩 たまたまだけど、みんなすげえバラバラだよね。

咲乃 すげえ(笑)。

可恩 うん。すげえバラバラ(笑)。

仕事の話は家庭に持ち込まない

──6人がそうやってキャラクターを作らず自然体で出てきたのがすごく意外で。清 竜人25はそもそもの成り立ちとして、旦那と6人の夫人という明確に作り込んだコンセプトがありますよね。名字も全員「清」姓で。メンバーの個性や言動も完全にコントロールするような、ガチガチにコンセプチュアルなユニットになると思っていたら、実際は全然違っていて。

清 亜美

亜美 あー、それは初めから全然なかったですね。一応夫婦という設定はあるんですけど、もともとキャラもバラバラだし、自然と(グループ像が)作り上げられていってる感じがします。それがたぶんいいほうに作用しているというか。

──結成当初に思っていた印象と違うところはありますか?

美咲 一夫多妻制のアイドルって、たぶん賛否両論あると思うんですけど、絶対に否のほうが多いと思ってたんですよ。やっぱりアイドルだからファンの方は純粋に恋愛対象として推したいのかなって。なのに旦那がいるし(笑)。

──旦那が一番目立つド真ん中にいますからね。

美咲 それが心配だったんですけど、何回かライブを重ねていくと、そんなこと全然なくて。むしろ(清)竜人くんとの絡みのダンスに「ウオーイ」って盛り上がってくれるお客さんが多くて予想外でした。

亜美 そうだね。初めに「妻として活動してください」って言われたときは不安もあったんですけど、実際に活動してみると、お客さんが層を問わず楽しんでくれていて。男女も問わず、男の人も竜人くんに興奮するし(笑)。いろんな層からいろんな受け入れられ方をしていて、思っていたよりも可能性があるんだなって。

咲乃 デビュー曲(2014年11月発売のシングル「Will♡You♡Marry♡Me?」)のPVが出たときに意識がすごく変わりました。こんなにいろんな意見をもらって、こんなに注目されるグループになるとは思っていなくて。期待値の高さを感じて、歌やパフォーマンスをもっとちゃんとしなきゃ!って。初ライブ(参照:清 竜人25、平安神宮で“ハーレム状態”ライブ)のときは切羽詰まってたし、何をどうしたらいいのかよくわからなくて。

──PVがYouTubeなどに上がるとWEB上でのリアクションも飛躍的に増えますからね。

亜美 責任感が出たよね。

咲乃 うん。パフォーマンス、見せ方をちゃんと考えなくちゃって。

桃花 “アイドル”という枠に収まらないアーティストっぽいところもあったり、曲もパフォーマンスもほかのアイドルさんたちとはちょっと違ったミュージカル的な要素が詰まっていて。それが25の強みかなと思っています。

──確かに男性ボーカルが中心に据えられているというのも、女性アイドルユニットの枠に収まる人たちの中では極めて特殊ですよね。アイドルシーンにおける清 竜人25の音楽を皆さん自身はどう捉えていますか?

菜月 私は普通のアイドルソングよりも好きです。

亜美 曲ごとにジャンルが違っていて、「A・B・C」はアップテンポだけどカップリングの「鬼の目にもナ♡ミ♡ダ♡」はちょっとバラードみたいだし、今のところ全曲カブった要素がないんですよ。幅広くいろんな聴き方ができるというか。

──夫人の皆さんから竜人さんに「こういう曲がいい」と音楽的なリクエストをすることもあるんですか?

清 美咲

美咲 いえ、仕事の話は家庭に持ち込まないので(笑)。

亜美 大事大事! 夫婦が長続きするには(笑)。

可恩 竜人くんは夫人たちの前では仕事の話はしないです。

──フラリと現れて「曲ができたから」と一方的に。

美咲 そうです。でも困ることもあって。歌を録るギリギリまで曲も歌詞も知らないという……。2日前とか、ヘタしたら当日まで曲がわからないこともあるかもしれない。

第1~6夫人 インタビュー
清 竜人 インタビュー
2ndシングル「A・B・Cじゃグッと来ない!!」 / 2015年2月18日発売 / 完全生産限定盤 / [CD+DVD] 1620円 / TOY'S FACTORY / TFCC-89532
2ndシングル「A・B・Cじゃグッと来ない!!」
CD収録曲
  1. A・B・Cじゃグッと来ない!!
  2. 鬼の目にもナ♡ミ♡ダ♡
  3. A・B・Cじゃグッと来ない!!(Instrumental)
  4. 鬼の目にもナ♡ミ♡ダ♡(Instrumental)
DVD収録内容
  • 「A・B・Cじゃグッと来ない!!」Music Video
  • 「A・B・Cじゃグッと来ない!!」Music Video dance shot ver.
  • 「A・B・Cじゃグッと来ない!!」Music Video メイキング映像
  • 「A・B・Cじゃグッと来ない!!」ライブ映像(清 竜人ハーレム♡フェスタ2014 Vol.2)
  • ハーレムクッキング大会

ナタリーストア 清 竜人25「夫婦の協同作業」企画グッズ

清 竜人25(キヨシリュウジントゥウェンティファイブ)

清 竜人25

ソロアーティストとして活動していた清 竜人が、2014年9月に立ち上げたアイドルユニット。プロデューサー兼メンバーの清 竜人に、その妻である清 咲乃、清 桃花、清 亜美、清 美咲、清 菜月、清 可恩を加えた7人からなる。2014年11月にデビューシングル「Will♡You♡Marry♡Me?」、2015年2月に2ndシングル「A・B・Cじゃグッと来ない!!」をリリース。2014年9月より自主企画ライブイベント「清 竜人ハーレム♡フェスタ2015」を継続的に行いながら、アイドルイベントを中心にさまざまなライブイベント、音楽フェスなどに参加している。