ナタリー PowerPush - Perfume

またひとつ夢が実現「未来のミュージアム」

「ドラえもん」の曲だからできる広島時代みたいなダンス

──PVにはダンスシーンがありませんが、振り付けはどんな感じなんですか?

あ~ちゃん MIKIKO先生が考える3人のキャラクターの捉え方みたいなのが反映されてるんですよ。扉を開ける仕草があるんですけど、最初に扉に手をかける、勇敢に立ち向かうのはあ~ちゃんで、そのすぐ後ろにいるのがゆかちゃん、下にいるのがのっちという。「ドアを開けるのはあ~ちゃんなのよー!」みたいな(笑)、動作1つひとつにMIKIKO先生の思いもこもってます。

のっち あと「ドラえもん」の曲なので、ひみつ道具がダンスに盛り込まれてますね。どこでもドア、鈴、四次元ポケット……。

あ~ちゃん タケコプター。

のっち そうそう! そういうのを入れてくれたり。それと、演技ってわけじゃないですけどちょっとそれっぽい要素があって。

あ~ちゃん 劇調なんだよね。

のっち それ! 劇調! 広島時代のPerfumeは曲の中で劇っぽいことをけっこうやってたんです。今それをまた、子供たちに観てもらえる「ドラえもん」の曲だからこそできると思って。

かしゆか これがきっかけで、子供たちに聴いてもらえるようになるかもしれないですしね。子供たちは自分でCDを買うことがなかなかできないと思うので、「ドラえもん」を通してPerfumeを知ってもらえるんじゃないかと期待してます。

あ~ちゃん この曲のダンスは子供たちも一緒に踊ってほしいです♪ 最初から最後まで「ドラえもん」テイストが入ってるし。サビでは「ミュージアム」のところで「M」の字を書いて、「ファンタジー」では「F」の字を書いてるんですよ。だからとMとFの字を覚えてもらえて、アルファベットの勉強にもなるんじゃないかと。

のっち 「おかあさんといっしょ」みたいな子供向け番組で、歌のお姉さんが首を横に振りながら優しく語りかけるじゃないですか。あんな感じの振り付けがこの曲にも入ってるんですけど、振り方が激しくってバンバン首動いてるから、あんまりそういう印象にならないかもしれない。でもかわいい振り付けなんです(笑)。

レベル1で大ボスいっちゃうみたいな感じ

──「JPN」発売時のインタビューで「子供番組の歌をやってみたい」と言っていましたが、「ドラえもん」主題歌はまさにその願いが叶ったのかもしれませんね。

あ~ちゃん

あ~ちゃん そうですね。Perfumeとしてちっちゃい子たちと関わりたいっていうのは昔からの夢で。「みんなのうた」をやったり、子供番組に出たりしたいってずっと言ってたんですよ。でもそういうのを飛び越えて「ドラえもん」だなんて、恐れ多いというか光栄すぎるというか。知らない人が誰もいないような日本を代表するキャラクターじゃないですか。「出だしからそこか!」って、びっくりして(笑)。

のっち レベル1で大ボスいっちゃうみたいな感じ。

あ~ちゃん うんうんうん、だから本当にうれしいですね。最初に聞いたときは「え、嘘じゃろ?」って、信じられなさすぎてみんな笑っちゃったんですよ。でも、そんなうれしいお話に対して遠慮しないでやりきらせていただいたという感覚はあります。

──アニメのタイアップということで言えば、映画「カーズ2」で既発曲の「ポリリズム」が挿入歌になったのも大きな話題になりましたけど、今回は主題歌、しかも書き下ろしということでひと味違った感慨がありそうですね。

あ~ちゃん そうですね。「カーズ2」のときは出演したわけでもなくちょっと曲が流れたぐらいなのに、子供たちから「カーズのお姉さんだー!」って言ってもらって、本当にありがたすぎるお話だったんですけどちょっと申し訳なさもあって。でも今回は胸をはって「ドラえもんの歌のお姉さんだよおー!」って言えるなって思って(笑)。

2mぐらい飛んで移動しなくちゃいけない

──カップリング曲の「だいじょばない」は、最初にタイトルを聞いたときに曲調がぜんぜん想像できませんでした。

のっち うん、そしたら超カッコいいやつでしたね(笑)。もうまったく同じ感想でした。私はこういう若者言葉がちょっと苦手だったりするんで、「いや、そんな言葉使わないですし」って思って中田さんに聞いたら、中田さん本人も周りの人も使ってないって言ってて。「マジか!」って思って歌詞を見たら「だいじょばない」って言葉がいっぱい書いてあって。

あ~ちゃん 驚いたよね。

のっち (歌詞カードを見ながら)ほら、文字になるとすごいんですよ。

かしゆか 同じこと何回も言ってる(笑)。

のっち これは「(※繰り返し×5)」とかでいいんじゃない?と思いました(笑)。

──しかもこの曲、Aメロが最初の1回しか出てこなくて、そこ以外はほとんどサビみたいな構成なんですよね。

かしゆか そうなんです。

のっち 本当だ。

かしゆか だから「歌」っていう感じの曲ではないですよね。でも私はこの曲で、恋してる女の子が強がってるシチュエーションを感じました。

あ~ちゃん 頭の中はこんな感じなのかなあって。「大丈夫、大丈夫、大丈夫……、ああ! ぜんぜん大丈夫じゃない! でも大丈夫! 大丈夫! 大丈夫じゃないけど大丈夫!」みたいな(笑)。言葉のセンスはすごいですよね。カッコいいメロディに乗せるからこそ、あえてこういうゆるい言葉にする。聴いた人は疑問に思うから耳に残るし、そういうところが人の心をつかむんだと思うんですよね。

のっち なんか濁音が気持ちいですよね。だいじょばない。

──この曲は踊りがいがありそうなので、ライブでどうなるのか楽しみです。

かしゆか うん。振りは楽しみですね。こんなに同じフレーズを繰り返す曲で、先生が振り付けにどう変化をつけてくるのかなって。

のっち 速そう。全部音を取りそう(笑)。

かしゆか ない音を作っちゃいそうだよね。

のっち あははは(笑)。作っちゃいそう。

あ~ちゃん 最近先生が振り付けのときに、ない音を作る傾向にあって(笑)。

──ダンスの難易度が上がってるんですね。

あ~ちゃん Perfumeのダンスが注目されてるっていうのがわかってきて、「がんばんなきゃ!」みたいな気合いを普通以上に入れてくれていて。普通でもカッコいい振りなのに、気合い入れてるからすっごいことになってて(笑)。カウントの中でも音がないところで「タッタンッ!」みたいなリズムを取ったり。どう考えても2歩しか歩けない一瞬のうちに2mぐらい飛んで移動しなくちゃいけなかったり(笑)。今回も気合いの入った振り付けでカッコよくしてくれそうだなと思ってます。

ニューシングル「未来のミュージアム」 / 2013年2月27日発売 / UNIVERSAL J
「初回限定盤」[CD+DVD] / 1500円 / UPCP-9003
「通常盤」[CD] / 1000円 / UPCP-5003
CD収録曲
  1. 未来のミュージアム
  2. だいじょばない
  3. 未来のミュージアム -Original Instrumental-
  4. だいじょばない -Original Instrumental-
初回限定盤DVD収録内容
  • 未来のミュージアム -Video Clip-
Perfume(ぱふゅーむ)

プロフィール画像

かしゆか(樫野有香) 、のっち(大本彩乃)、あ~ちゃん(西脇綾香)により2000年に広島で結成。2003年に活動拠点を東京に移してからは、プロデューサーにcapsuleの中田ヤスタカを迎え、インディーズレーベルで精力的に活動を開始。2005年にシングル「リニアモーターガール」でメジャーデビューを果たし、近未来的な世界観のサウンドとダンスで耳の肥えた音楽ファンの間でも高い評価を獲得する。2007年に「NHK環境・リサイクルキャンペーン」テレビCMに出演し、CMソング「ポリリズム」が大ヒット。テクノポップブームの火付け役となり、2008年には日本武道館、2010年には東京ドームでのワンマンライブを成功させる。2011年にはピクサー映画「カーズ2」の挿入歌&日本語吹き替え版エンディングテーマに、アメリカのスタッフによる指名で「ポリリズム」が抜擢。2012年にユニバーサルJに移籍してアルバム「JPN」のiTunes Store世界配信を実施し、同年4月に「キリンチューハイ 氷結」のCMソング「Spring of Life」のCDシングルをリリースする。10月にアジア4カ国で行われた初の海外ツアーは大成功のうち終了。2013年2月には「映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)」の主題歌「未来のミュージアム」をCDシングルとしてリリースする。