ナタリー PowerPush - PANDA 1/2

混迷の音楽シーンに白黒つける! パンダと人間の異色ユニット初登場

中国・上海からやってきたパンダの音楽プロデューサーJames Panda Jr.(ジェームズ・パンダ・ジュニア)と女性ボーカリストM!nam!(みなみ)によるユニット「PANDA 1/2」が、配信限定シングル「NEW MUSIC MACHINE」でついにデビュー! 同時に新曲「PANDA! PANDA! PANDA!」の着うた先行配信もスタートさせ、耳の早い音楽ファンの注目を集めている。

ナタリーでは2010年代音楽シーンの台風の目となる(?)1頭+1人に初のインタビューを決行。個性的なユニットの成り立ちと、渋谷系の魂を受け継ぐポップなサウンドの秘密に迫ってみた。

取材・文/大山卓也 撮影/中西求

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パンダが音楽やって何が悪い

インタビュー写真

──パンダのプロデューサーと人間女性のボーカリストというユニークな編成のユニットですが。結成のきっかけからお伺いしていいですか?

James Panda Jr.(以下James Jr.) 僕はもともと出身地の中国で音楽プロデューサーをやっていたんだけど、中国の流行音楽って90年代から実はいろいろな要因があって日本の音楽のカバー曲も多く、それでプロデューサーという職業柄どうしても日本のシーンを気にせずにはいられなくてずっと研究をしていたわけなのアルよね。ただ、実は中国という日本の外側から日本の音楽シーンを見ていたときに常々感じていたこととして、いわゆる芸能界的なものばかりが流行しすぎていて、本当に例えば10年後に残るべき音楽が埋もれているんじゃないかということがあったわけアル。それで、いろいろな思いがあって、今度はぜひ自分が日本人のボーカリストと音楽をやろうと思って今年の秋に日本に来たわけアル。お台場や六本木、虎ノ門、汐留、赤坂などの挨拶回りを済ませた後、新宿、渋谷、下北沢などのライブハウス、そして竹下通りやセンター街でスカウト活動をしたりもし、それで最後に銀座の博品館の2階でふと休憩をしていたときに、M!nam!の鼻歌が聴こえてきた。そこで「こ、これは!」と思って彼女を速攻スカウトしたわけアル。それが最初に僕ら2人が出会ったきっかけアルね。

──じゃあもともとJames Jr.さんは、日本のヒットチャートに不満を持っていたということでしょうか?

James Jr. そうアルね。不満というか、もちろん流行の音楽を否定するつもりはないアル。ただ、本当にアカデミックなものだったり、素敵なメロディのものだったり、つまりまあさっきも言ったけど10年後に残るべき音楽っていうのが多くの人に知られずに消えていってしまう現状は非常にもったいないと思うわけアル。例えばイギリスやスウェーデンのシーンなどでは、まれにちゃんとそういう良質な音楽がチャートのかなり上位に食い込んできたりして非常にドキドキすることがあるわけアル。しかし日本のシーンでは、久しくそういった状況って見てないよなぁ、と。

──そもそもJames Jr.さんは日本に来る前はどんな活動を?

James Jr. 音楽プロデューサーとして、具体的には、中国の女の子に楽曲提供をしたりとかっていうのは2~3年ぐらい前から。あとじつはドイツでも最近ちょいちょいやり始めてて、そっちはドイツのイケてるバンド「PUPPETMASTAZ」という連中なんだけど、彼らと一緒に音作りをしたり、ライブに参加したりしているアル。先日も韓国のソウルで競演してきたアルが、ちなみにこのPUPPETMASTAZ、本気でやばいアルよ(笑)。

──James Jr.さんはM!nam!さんのどこに魅力を感じたんでしょうか?

インタビュー写真

James Jr. ずばり彼女の歌声アルね。あとは息づかい。僕自身ものすごく息づかいにこだわるっていうか、息づかいがいいアーティストがすごく好きなのアル。例えば日本には昔フリッパーズ・ギターっていう才能あふれるグループがいたのアルけど、彼らの曲の一番の聴きどころって、いろいろ言われているアルけど僕にとっては実は息づかいなのアルよ。ボーカルの息づかい、呼吸っていうのが僕がグッとくるポイントでアル。

──それをM!nam!さんのボーカルに感じたと。

James Jr. うん、彼女のボーカルにはそれがあるアル。深さというか、エロさというか。息づかいにハッとさせられる、っていうのがすごくあるアル。あとは主張してないように聴こえて主張している声。まさにそこに彼女のすべての要素が入っていて、すごい才能だと感じたわけアルよ。

──でもM!nam!さんも、いきなりパンダのプロデューサーに声をかけられて一緒にやろうって言われて、抵抗はなかったんでしょうかね。

James Jr. ううん、全然。M!nam!自身もパンダへの思い入れがすごく強かったみたいで、すぐに決まったアル。出会って10秒後にはPANDA 1/2結成してたアルよ。実際僕自身、パンダが音楽やって何が悪いっていう気持ちはありますし。パンダの作る音楽をなめんなって(笑)。

ニューシングル「NEW MUSIC MACHINE」 / 2009年12月23日発売 / 新熊猫音盤

  • 着うたフル®:200円 / 着うた®:100円 / CRBT:70円 / PC配信:150円(税抜)
  • 「NEW MUSIC MACHINE」ジャケット

ニューシングル「PANDA! PANDA! PANDA!」 / 2009年12月23日発売 / 新熊猫音盤

  • 着うた®:100円 / CRBT:70円
  • 「PANDA! PANDA! PANDA!」ジャケット
PANDA 1/2(ぱんだにぶんのいち)

アーティスト写真

中国・上海からやってきたパンダの音楽プロデューサーJames Panda Jr.と女性ボーカリストM!nam!によるポップユニット。CORNELIUSの名曲をカバーした配信限定シングル「NEW MUSIC MACHINE」で2009年12月23日にデビュー。