ナタリー PowerPush - オレスカバンド
ついに見つけた自分たちのスカ!総天然色アルバム「COLOR」完成
この曲が悲しみを吸い上げてくれた
──最後の「始まりが続く世界」についても訊きたいんですけれども。この歌詞には別れや悲しさが表れていますよね。このモチーフはどういうところから出てきたんでしょうか?
tae この曲の特徴は、サビに歌詞がないことなんですよ。ずっと「♪オー」なんです。いかす(G,Vo)としゃべってたら、いかすが「ここには歌詞を乗せてほしくないねん」って言ってきて、それを聴いたときにメロディで気持ちを伝えようとしてんねんなと思って。世の中には感嘆詞でしか言えない気持ちってあるじゃないですか。伝えようとも思えへんけど、ポロッと出てきてしまうような感情。それを音楽にしようと思って。実は、この1年半の間に、身近な友達とも言っていい人が亡くなったんです。ホンマに衝撃で。10代の頃の悲しさっていうのとは、全然違う気持ちになって。それはもう、言葉にできひんなというところもあったし。
──大きい喪失感があったからこそ、それが曲になったという。これもこれまでのオレスカバンドだったら表現できなかった分野の感情ですね。
ハヤミ 単純に、すごく悲しかったんですよね。でも地球回ってるし、明日来てしまうし、みたいなことを考えて。そうなったときに、進むしかないんやってことに気付いたんです。で、うちのこの悲しみはどうなるんやろ?って思ったときに、いかすが「サビのところは世界中の悲しみが空に吸い上げられるイメージ」って言っていて、それがこの曲とすごく結びついた。うちの悲しみもこの曲がだいぶ吸い上げてくれましたね。
バンド活動は文化祭だと思う
──なるほど。このアルバムを作ったことで、オレスカバンドというバンドが、もう誤解されようのないものになった感じがありますね。
ハヤミ そうですね。こういう人がやってます!っていうのは伝えられたから、あとは、どういう面白いことをやっていくかというのを考えていくだけっていうか。ホンマ、文化祭ですよね。
──文化祭?
ハヤミ 最近ずっと言ってるんですけど、バンド活動って文化祭だと思うんですよ。最近、学園祭でライブをやることがあって、同世代にライブを見てもらったりして余計に実感したんですけど。あれだけの大人数で、いろんな個性を持ってる人たちがたくさん集まっていて、その人たちと、1日で終わってしまうような儚い夢に向かっていろんなものを作り上げていく。それって、バンド活動そのものやなって思うんですよね。
──なるほど。アルバムを引っさげてのツアーも楽しみですね。
ハヤミ 相手がどういう人間かわかったら、自分も心を開きやすいし、心を委ねられるじゃないですか。ライブもそういう感じにできるんちゃうかな?って思う。今までは「楽しい私たちですよ!」っていう自分たちしか見せられてなかった気がするんですけれど、今回はそういうアルバムじゃないから。ライブ自体もそういうものになるし、そうなったときに、みんながうちらの存在をもっと身近に感じて、より距離が縮まるんちゃうかなって思う。村おこししたい!!(笑)
CD収録曲
- my beat
- 遊ぼうよ
- 自転車
- Someday
- 街を出るよ
- アイマイユーミーマイン
- moRICOism
- ジェットウェーブ
- ダンスナンバー802
- ORESKA MUSIC
- 真夜中の欲張り屋
- ファンキー太陽
- FLYING V.
- 始まりが続く世界
オレスカバンド
女性6人組スカロックバンド。メンバーはいかす(G,Vo)、とみ(B,Vo)、tae(Dr)、サキ(Trumpet)、もりこ(Tenor Sax)、ハヤミ(Trombone)。2003年に、大阪・堺市内の中学校に通う同級生が集まりバンド結成。高校受験終了後から本格的なライブ活動を開始し、高校在学中の2006年にミニアルバム「俺」でメジャーデビュー。2007年春には米テキサス州で行われた「SXSW」で初の海外ライブを実施。同年5月に初のフルアルバム「WAO!!」を発表し、8月にはアルバム「ORESKABAND」を全米でリリース。2008年夏にはパンクロックフェス「WARPED TOUR 2008」に参加し、日本人としては初めて全米46都市全公演にフル出演。2010年11月2ndフルアルバム「COLOR」をリリース。
メンバー発信型「COLOR」特設ページ
全国18都市ツアー「ORESKABAND Live Tour『COLOR collection 2011』」決定