中村千尋|カサネテクに潮時チェック 女の本音を袋とじ

誰でも書けるような曲は私じゃなくてもいいじゃん

──「カサネテク」も収録されたミニアルバム「女の袋とじ」にはユニークな視点の楽曲がそろいましたね。

アルバムのタイトルは最後に付けたんですけど、全6曲が完成した時点で「これは女の本音ソングが集まった1枚だなあ」と。私、今まではどちらかと言うときれいな曲ばかり作ってきたんです。「こういうこと書いたら嫌われるかな?」と思って、ちょっと汚い部分を表現するのは避けてきた。でも逆にリアルをどんどん歌にしていったほうが響くんじゃないかと思って、最初に振り切ったのが「ノーブラサンデー」という曲で。

──2015年に発表した、ブラジャーをテーマにした1曲ですね。

はい。「日曜くらいは肩の力を抜いて過ごそうよ」っていう。なんか、「誰でも書けるような曲は私じゃなくてもいいじゃん」って思ったんです。代わりが利かないアーティストに憧れてて、ずっとどうしたらいいか悩んでて、悩んだ結果、生まれた曲です。

──なるほど。アルバムの1曲「あたしにおっぱいがあったなら」もそうですが、赤裸々な歌詞が本当に刺さりましたよ。

中村千尋

ありがとうございます。この曲の場合はおっぱいなんですけど、みんなそれぞれ何かしらコンプレックスを持ってるじゃないですか? この曲には、自分のコンプレックスを当てはめながら聴いてもらえたらいいなって。

──「潮時チェッカー」は恋人との潮時を実際にチェックできるようなチェックボックスが歌詞の前に付いていて面白いですね。

これは「カサネテク」の企画と作詞を担当されたCMプランナーの関俊洋さんと共作で書かせてもらったんですが、どんな曲にしようか話している時点で楽しかったです。「冷めたときはこういうことするよね?」とか「こういうのもあるんじゃない?」って、いろいろ案を出しながらチェック項目の部分は作っていきました。

──思わずレ点を入れたくなる歌詞カードでした(笑)。

本当は入らないほうがいいんですけどね(笑)。

──「潮時チェッカー」のMVは、どんな仕上がりになっていますか?

特殊メイクで銅像に扮して撮影しました。MVも関さんが担当してくださったんですが、「シンガーソングライターで銅像になってる人って見たことないよね?」という話から発展して……とにかく今までに見たことない面白い仕上がりになると思うので、ぜひ観ていただけたらと思います。

「こんなに素晴らしい1年でした!」という思いを全部出し切るライブに

──12月28日には品川インターシティホールでのワンマンライブも予定されています。今年を締めくくる1日になりそうですね。

ホールでのワンマンは初めてなので「どんな感じになるのかな?」って、すごく楽しみです。「カサネテク」は間違いなく踊るでしょうし、基本はバンド形式でやりつつ、アコースティックコーナーを作っても面白いのかなとか、いろいろ考えている最中です。大きな変化があった2017年なので、「こんなに素晴らしい1年でした!」という思いを全部出し切るライブにしたいです。

──「カサネテク」で注目を浴びて以降、状況が本当にガラッと変わりましたもんね。

中村千尋

こうやって取材をたくさん受けることも今までなかったですし、毎日新しいことにいっぱい挑戦させてもらって。この前は初めてテレビの音楽番組で歌ったんですが、いろんな角度からカメラに撮られていて、ちょっと動揺してしまいました(笑)。テレビで歌うのはずっと夢だったんですが、目線の位置とかたくさん勉強しなきゃいけないことがあるなって。

──これからいろいろ吸収していければいいですよね。最後に、中村さんのアーティストとしての夢や目標を教えてもらえますか?

それは音楽を始めたときから変わってないんですけど、日本武道館のステージに立つこと。憧れているアーティストがみんな通ってきた道なので、「自分もいつかは……」って、自然と目指すようになりました。「カサネテク」のヒットから今回のアルバムで勢いに乗って、皆さんにライブにもたくさん足を運んでもらえたらうれしいです。本当にいいアルバムができた自信があるし、「今後これ以上のものを作れるかな?」っていうくらい出し切った感もあるので、多くの方に聴いてほしいですね。

中村千尋「女の袋とじ」
2017年11月8日発売 / ARIGATO MUSIC
中村千尋「女の袋とじ」

[CD]
1620円 / NCRO-0001

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収録曲
  1. 失恋の神さま
  2. 潮時チェッカー
  3. A子さんとBくん
  4. あたしにおっぱいがあったなら
  5. カサネテク(無敵の合コンテクニック!?/重ねドルチェCMソング)
  6. あたしなんて
中村千尋ワンマンライブ 行き当たりバッチリ!!
  • 2017年12月28日(木)
    東京都 品川インターシティホール
中村千尋(ナカムラチヒロ)
中村千尋
1988年6月15日生まれ、熊本県八代市出身。両親の影響で13歳の頃から作詞・作曲を始め、高校卒業後に上京する。2014年夏、全国17カ所で路上ライブツアーを実施。その活動がTwitterで話題となり、同年10月、1stアルバム「どーも中村です。」で全国デビューする。2015年7月に2ndアルバム「雨、上がれば」をリリースし、47都道府県ストリートライブを開催。2016年には初のフルアルバム「◯△□(まるさんかくしかく)」をリリースし、自身最大規模のワンマンライブを新宿BLAZEにて成功させた。2017年4月に公開された「重ねドルチェ」のWeb CM動画の「カサネテク」が900万回再生を突破し、話題となる。