ナタリー PowerPush - モテキ

恋が攻めてきたッ!! 映画公開記念スペシャル

森山未來インタビュー

バナナマンが答える前に自分で答えを全部言ってしまう

森山未來

──今回、森山さん演じる“藤本幸世”がナタリーの記者として働くことになって、実際取材に行ったり原稿を書いたりしてるシーンも多いですよね。印象に残っている場面はありますか?

バナナマンさんに取材するシーンがあるんです。映画では2、3秒なんですけど(笑)。

──確かに一瞬ありますね。

もともとドラマのときから藤本幸世はバナナマンが大好きすぎるという設定で、部屋にライブのポストカードが飾ってあったり、ケータイにバナナマンのストラップがついてたりとか、とにかくバナナマンが好きすぎなんですね。ナタリーの記者としてそのバナナマンの取材に行ったという設定のシーンで、幸世はバナナマンのことが好きだからいろんな質問をするんですけど、相手が答える前に自分で答えを全部言ってってしまうんです。だからバナナマンは「あ、まあそうっすね。そういうことっすね」って言うしかないという(笑)。最終的にイライラして説教されるっていうシーンなんですよ。

──それ観ていても全然わからなかったです(笑)。

そうなんですよ。全然伝わらないんですけど(笑)、DVDになったら特典になると思います。20分くらい長回しで撮っていたので。

──贅沢ですね(笑)。

実際に設楽さんと日村さんの後ろにいる人というのが本当にライブをやるときにいつも一緒にやってるバナナマンさんのスタッフだったり、僕が読んでる質問コメントはバナナマンさんの構成作家の人が本当に作ってくれてる原稿だったり、その構成作家は寝不足で後ろで寝てるっていう描写があったり、それも全く伝わってないんですけど(笑)。

藤本幸世から得たものは特にないです(笑)

──今回、幸世は恋愛だけじゃなく仕事もがんばってますよね。

人は恋愛だけじゃなく、自分の生活とか仕事とかで山場を乗り越えていくことで最終的に成長するっていうのが、一応この映画のひとつのテーマになってると思うんですけど…。そのわりに幸世は仕事できてないですけどね(笑)。

──藤本幸世というキャラクターを演じて、森山さん自身が幸世から得たものがあったら教えてください。

得たものは……特にないですね(笑)。でも、ヴィレッジヴァンガードとタワーレコードに行く回数は如実に多くなりましたね、普段の生活で。

──今回、B'zメドレー熱唱シーンが印象的でしたが、演じてみての感想はいかがですか?

僕はそこまでB'zをちゃんと聴いてこなかったし、カラオケで歌うこともなかったので、一応付け焼刃で練習はしたんですけど、改めてB'zというもののエネルギーに触れたというか(笑)。B'zって底の知れないエネルギーがありますよね。1曲歌いきるのは結構大変でした。麻生さんと一緒にやってるからまだ乗り切れたんですけど、麻生さん1人のときは本当にヘトヘトになってましたからね。B'zっていうのはすごいな、と改めて思いましたね。

──Perfumeとのミュージカルシーンは?

妄想という設定なので、ある程度全然違うテンションで演じたほうが面白いかなと思ってやりました。その日の現場はフワッフワしてましたけどね、スタッフが(笑)。生Perfumeに普通にフワフワしてて。そのときだけスタッフの人数が1.5倍くらいになってましたし。

2011年の音楽が入ることによって映画自体に勢いが出た

森山未來

──「モテキ」は音楽を大胆に、新しい形で使っている映画だと思うんですが、藤本幸世と森山未來の音楽的な共通項はありますか?

音楽は基本的に久保さんと大根さんの2人の音楽感が反映されてるんです。だから藤本幸世的にもアリなんだろうと思いますね。僕自身もこれはないな、という曲はなかったですね。

──世代的にもハマる感じですか?

そうですね。音楽的には80年代、90年代のアンセムや00年代のサブカル系が中心だったりしますけど、その中に女王蜂とN'夙川BOYSが入ってきたときに、2011年にこの映画をやる意味がすごく出た気がして。それで自分の中でモチベーションもグッと上がったんです。

──今、観るべき映画になった?

やっぱり過去の好きな楽曲を並べるだけじゃなくて、ナキミソや在日ファンクみたいな、これからのアーティストがガンガン入ってくることによって、映画自体に勢いが出てくるというか。この映画は、5月に撮って9月に公開するという超強行軍でやってるんですけど、そういう音楽によって作品の鮮度が上がるし、強行軍でやる意味もまたひとつ増えて、それがすごくいいなと思うんですよね。

「モテキ」 / 2011年9月23日(金・祝)全国東宝系ロードショー

「モテキ」場面写真

監督・脚本
大根仁
原作
久保ミツロウ
「モテキ」(講談社イブニングKC)
キャスト
森山未來、長澤まさみ、麻生久美子、仲里依紗、真木よう子、新井浩文、金子ノブアキ、リリー・フランキー
オープニングテーマ
フジファブリック「夜明けのBEAT」
メインテーマ
女王蜂「デスコ」

© 2011映画「モテキ」製作委員会

「モテキ的音楽のススメ 映画盤」 / 2011年8月31日発売 / 2500円(税込) / Sony Music Associated Records / AICL-2293

  • Amazon.co.jpへ
  • 収録曲はこちら

「モテキ的音楽のススメ MTK PARTY MIX盤」 / 2011年9月14日発売 / 2500円(税込) / Sony Music Associated Records / AICL-2294

  • Amazon.co.jpへ
  • 収録曲はこちら

「モテキ的音楽のススメ COVERS FOR MTK LOVERS盤」 / 2011年9月21日発売 / 2500円(税込) / Sony Music Associated Records / AICL-2295

  • Amazon.co.jpへ
  • 参加アーティストからのコメントはこちら

ナタリー - [Power Push] 女王蜂 in モテキ


2011年9月26日更新