音楽ナタリー Power Push - majiko

まじ娘改めmajikoが描く天と堕天の物語

majikoがメジャーデビューミニアルバム「CLOUD 7」をリリースした。

2010年より「まじ娘」名義でニコニコ動画の“歌ってみた”カテゴリに動画を投稿するなど、歌い手として活動してきた彼女。ホリエアツシ(ストレイテナー)のプロデュースのもと完成させた「CLOUD 7」は、majiko自身が作詞作曲したナンバーを中心にした作品に仕上げられている。音楽ナタリーでは、majikoに自身の活動スタンスや今作の制作背景などを聞いた。

取材・文 / 倉嶌孝彦 撮影 / 後藤壮太郎

亡き母と同じレーベルで

──majikoさんがニコニコ動画に最初の“歌ってみた”動画を投稿したのが2010年6月なので、約7年弱の活動を経てメジャーデビューを果たすことになりました。

majiko

7年前かあ。いろいろありすぎて、あっという間でしたね。

──7年の中でターニングポイントになった出来事はどんなことですか?

2年ほど前になるんですけど、母が亡くなったことは1つの節目だったと思います。いい意味でも悪い意味でも、その後の2年はぐっと大人になりました。あとはこの7年でいろんな方々に出会えたこと、それぞれがターニングポイントだった気もします。昔は雲の上の人だと思っていた方とも、今一緒に音楽をやっているわけですから。

──majikoさんのお母さんもポニーキャニオン所属のアーティストだったそうですね。

不思議な縁がありますよね(笑)。音楽を始めたきっかけの1つに母の影響もあったんですが、母がデビューしたポニーキャニオンで私もデビューできるなんて夢にも思っていなくて。同じレーベルで自分のCDが出せるっていうのは感慨深いものがあります。

──メジャーデビューに際して名義を「まじ娘」から「majiko」に変更しましたよね?(参照:まじ娘からmajikoへ、新曲の弾き語りも披露した飛躍のワンマン)なぜ名前を改めたんでしょうか?

「これからずっと音楽活動をするに当たって『娘』って付いているのは年齢的にどうなんだろう!?」って思いまして(笑)。ただ「まじ娘」という名前を捨てたいわけではないので、ローマ字の「majiko」にしました。

──名義をガラッと変える選択肢はなかったんですか?

もともと「まじ娘」で活動を始めるときに本名でやるか、「まじ娘」でやるかすごく悩んだんです。そのときに「まじ娘でやる」って決めてたから、そのまま引き続き「まじこ」って響きは大切にしたいなって気持ちがあったんです。

ミニアルバムを1枚のイラストで表現

──majikoさんがメジャーデビューを発表したワンマンライブのタイトルが「Cloud 7」で、メジャーデビューミニアルバムのタイトルも「CLOUD 7」になっています。この「CLOUD 7」という言葉にはどういう意味が?

majiko

「CLOUD 7」というのは「天国」を表す言葉として使われることがあるんです。実は最初は「Lucifer」っていう曲の仮タイトルが「CLOUD 7」だったんですよ。だけど曲名としてはしっくりこなかったから、「CLOUD 7」って言葉をワンマンライブとミニアルバムのタイトルにして。2つ並んだときにどっちも天国とか神様みたいな言葉だったから、それをモチーフにミニアルバムが1つのストーリーになるようにしてみたんです。レコーディング後に収録曲をイメージしながらイラストを描いてみたら、「SILK」で紡がれた蜘蛛の糸がつながっていって、最後に堕天使の曲である「Lucifer」ではその糸が燃えてしまうというストーリーが見えてきて。ミニアルバムで全体のストーリーがより鮮明になりましたね。

──ご自身で描いたイラストだとは思ってませんでした。

メッチャがんばって描きました! 実は歌と同じくらいイラストは好きで、よく描いているんです。今回描いたものはミニアルバムの購入特典として先着で配布されるんですけど、自分のイラストを見てもらえるのは歌を聴いてもらうのと同じくらいうれしいんです。

majiko(マジコ)
majiko

2010年に “歌ってみた”動画を初投稿し、「まじ娘」名義で歌い手としての活動をスタートさせる。2011年にニコニコ動画で公開した「カゲロウデイズ」の動画が59万再生を記録するなど、人気の投稿者として注目を集め、多数のライブイベントでその歌声を披露。2015年4月に1stアルバム「Contrast」をリリースした。同年6月には東京・東京キネマ倶楽部にて初のワンマンライブ「Contrast release party」を開催。2016年12月にmajikoへと名義を変更し、2017年2月にメジャーデビューミニアルバム「CLOUD 7」をポニーキャニオンより発表した。