音楽ナタリー PowerPush - LAGOON

ママ、救命士、学生、カフェ店員、女優が語る「私と音楽」「私とLAGOON」

ソニー・ミュージックレコーズが企画する「女性の夢を叶える応援プロジェクト」から生まれたガールズバンド・LAGOON(ラグーン)がこのたびメジャーデビュー。11月26日にアニメ「まじっく快斗1412」のオープニングテーマとなる1stシングル「君の待つ世界」をリリースする。

LAGOONはオーディションによって集まった“一児のママ”であるRINO(G)、“救急救命士”のNANA.(B)、“学生”のyuri(Dr)、“カフェ店員”のYUKINO(Key)という陣容の4人に、女優の瀧本美織がMIORI(Vo)として加わったガールズバンド。5人は今後、それぞれのフィールドでの活動を続けながら音楽活動を展開していくという。

今回ナタリーでは彼女たちのデビューを記念してメンバーの個別インタビューを実施。5人の横顔と音楽歴、本業とバンドという“二足のわらじ”を履くことになった経緯を聞いた。

取材・文 / 成松哲

MIORI(Vo)インタビュー

私もビックリしたLAGOON加入

──今回のインタビューではデビュー曲「君の待つ世界」の制作秘話や聴きどころを伺おうと思っているんですけど、LAGOONには、それ以前に聞くべきことがいっぱいあって。

そうですよね(笑)。

──はい(笑)。聞くべきことの筆頭は当然バンド結成の経緯と皆さんの参加の経緯。「女優の瀧本美織さんが音楽活動を始めました」っていうだけなら別段珍しい話でもないんですよ。

はい。いろんな役者さんが音楽活動をなさってますよね。私自身は、10代の頃ダンスボーカルユニットで活動していました。

──でも「役者さんがロックバンドを結成しました。学生さんや救急救命士さんと一緒に」となると、とたんに珍しくなるという(笑)。

私もビックリしました(笑)。

──あっ、ご本人もですか。

ユニットのメンバーとして活動したり、「美男ですね」っていうドラマの中で、A.N.JELLっていうバンドのメンバーを演じたことはあったんですけど、きちんとバンドを組んだことはなかったので、お話をいただいたとき「えっ、バンドですか!?」って普通に聞き返しちゃってました。

──ではなぜオファーを受けようと?

「美男ですね」で歌わさせていただいてから、ずっと「また歌を歌いたいな」っていう思いがあったからですね。だからお話があったときもビックリはしたんですけど「ぜひ」ってお返事しました。

──「また歌いたいな」と思っていた理由は?

歌っているときの解放感が好きなんだと思います。LAGOONにしても、一緒に音を合わせてみたとき、背中にみんなの力強い音を感じながら声を出してみたら「あっ、バンドってこんなに気持ちいいんだ!」ってビックリしました。

ロックを知らない私にロックさせる「君の待つ世界」

──今の口ぶりだと、集まって間もないメンバーであるものの、バンドの雰囲気はよさそうですね。

はい! PVで演奏しているときはすごいカッコいいから「この子たちってどんな子たちなんだろう?」って想像をかきたてられると思うんですけど、実はみんな普段は意外とロックじゃなくて(笑)。私も含めてふわんとした性格の子ばっかりなので、みんなが集まったときの空気感や居心地がすごくいいんです。

──キャリアも年齢もバラバラなのに居心地がいいって、すごくいい集団ですね。

誰がそうしているわけでもなくて、集まると自然にそういう空気になってるのがまたよくて(笑)。でもさっきお話したように演奏になるとすごく力強い音を出してくれるから、歌ってるときは、みんながいてくれることがすごく心強いですね。

──そしてMIORIさんのボーカルもタフですよね。ド直球のロックナンバーである「君の待つ世界」をロックボーカリスト然とした態度で歌い切っている。

ありがとうございます(笑)。それはたぶんみんなの演奏と「君の待つ世界」という曲のおかげなんだと思います。私は演奏と曲のイメージに引っ張られただけというか。レコーディング中「あっ、私、ロックっぽい歌い方してる」って気付いて私自身ビックリしました。「ロックのことそんなに知らないのになぜ!?」って(笑)。

──実は普段から熱心にロックを聴くタイプではない?

もちろんロックをまったく聴かないわけではないんですけど、もともと歌とダンスをやってきたこともあってダンスミュージックを聴くことが多かったので。そういう曲が好きな私ですらロックな歌い方をしたくなっちゃう曲。「君の待つ世界」はそういう曲なんだと思いました。

LAGOONの本当の名付けの親は?

──レコーディングっていかがでした?

ユニットの頃からそうなんですけど、レコーディングはいつもあっという間な感じです。たぶん私が長距離走があんまり好きじゃなくて、短距離走が好きだからだと思うんですけど……。

──そんなノンキな理由なんですか!? 今、MIORIさんが歌がうまいことと同時に、LAGOONの一員であること、ふわんとした人であることも証明された気がします(笑)。

でもホントに持続力よりも瞬発力っていうタイプなので、やるとなったら一気にやるほうが性格的に向いているし、大事なのかなって(笑)。あとカップリングの2曲「Dear friend」と「Are You Ready?」は共作ではあるんですけど作詞をさせていただいているので歌いやすかったっていうのもあるんだと思います。

──その「Dear friend」と「Are You Ready?」の詞のテーマってだいぶ違いますよね。

どっちも曲を聴いたイメージで書いたものです。「Dear friend」はメロディ自体優しい感じだったので、友情のことと、あと恋心みたいなものを書いてみようかなって。「Dear friend」=親愛なる友達へっていうタイトルなんです。これから大切な人になるかもしれない、今はまだ友達のあなたへ、っていう意味で。「Are You Ready?」は曲を聴いたときにメンバーのみんなと「ライブの1曲目でやりたいね」って話していたので、グイグイみんなを引っ張るような強い言葉を選んでみました。

──そしてLAGOONの名付けの親もMIORIさんなんですよね。なぜ「潟」「入り江」という意味の単語をバンド名に?

実家にベネチアの港にたくさんの人が集まっている様子を描いた絵があってそれが大好きだったからではあるんですけど、実は母が……。

──お母さま?

その絵に「Venetian Lagoon」って書いてあるんですけど、名前を決めるとき母に相談したら、その絵を見ながら「みーちゃん、LAGOONはどう?」って言い出して(笑)。

MIORI(Vo)

──あはははは(笑)。資料には「ボーカルのMIORIが命名」って書いてあるけど、実は真の名付けの親はMIORI母?

ホントにそうですね。母が命名して、私がメンバーのみんなとスタッフさんに提案してみました(笑)。でも母から「LAGOONは?」って言われたときバシッときたんですよ。言いやすいし、入り江や港のようにみんなが集まる場所になりたいなって。提案した本人が言うのはちょっと恥ずかしいんですけど、すごく素敵な名前だなって思ってます。

デビューシングル「君の待つ世界」 / 2014年11月26日発売 / Sony Music Records
初回限定盤
初回限定盤 [CD+DVD] / 1700円 / SRCL-8651~2
通常盤 [CD] / 1300円 / SRCL-8653
期間生産限定アニメ盤
期間生産限定アニメ盤 [CD+DVD] /1700円 / SRCL-8654~5
CD収録曲(※初回限定盤、通常盤)
  1. 君の待つ世界
  2. Dear friend
  3. Are You Ready?
  4. 君の待つ世界(Instrumental)
CD収録曲(※期間生産限定アニメ盤)
  1. 君の待つ世界
  2. Dear friend
  3. Are You Ready?
  4. 君の待つ世界(TVサイズ)
初回限定盤、期間生産限定アニメ盤DVD収録内容
  • 君の待つ世界 Music Video
  • 君の待つ世界 Music Video メイキング
  • 君の待つ世界 トレーラー映像
LAGOON(ラグーン)

LAGOON

女優のMIORI(Vo)、一児のママのRINO(G)、救急救命士のNANA.(B)、学生のyuri(Dr)、カフェ店員のYUKINO(Key)からなるロックバンド。ソニー・ミュージックレコーズ主催の「女性の夢を叶える応援プロジェクト」をきっかけに誕生し、以来、各メンバーとも “二足のわらじ”を履きながら音楽活動を展開する。11月26日、アニメ「まじっく快斗1412」のオープニングテーマ「君の待つ世界」でメジャーデビュー。