音楽ナタリー Power Push - KNOCK OUT MONKEY

“中盤戦”だからこそ鳴らせるバンドのリアル

KNOCK OUT MONKEYがニューシングル「Do it」をリリースした。

2016年1月にミニアルバム「RAISE A FIST」をリリースし、1月から4月にかけてレコ発ツアーを全国で行ったほか、9月からはあえて小さいライブハウスを回るツアー「AUTUMN TOUR 2016 “7 CITIES”」を行うなど、精力的な活動を続けているKNOCK OUT MONKEY。ラウドロック、ファンクなどの要素を織り交ぜた新曲「Do it」は、自らの弱さを認めながらそれでも上を目指して進もうとする意志が高らかに歌われており、バンドの新たなアンセムとして認知されることになりそうだ。音楽ナタリーではメンバー4人にインタビューを実施し、新たな制作スタイルを取り入れたというシングル「Do it」の話題を中心に、現在のバンドの状況や12月に地元・神戸で行われるワンマンライブへの意気込みなどを聞いた。

取材・文 / 森朋之

“酸欠ライブ”で楽器がダメになった

──まずは9月から10月にかけて行われたツアー「AUTUMN TOUR 2016 “7 CITIES”」について聞かせてください。このツアーの手応えはどうでしたか?

w-shun(Vo, G)

w-shun(Vo, G) すごかったですね。“酸欠ライブ”がコンセプトだったんですけど、まさにその通りのツアーになって。とにかく暑かったです(笑)。

ナオミチ(Dr) まず湿気がすごくて。シンバルがビショビショになって、全然鳴りませんでした(笑)。

dEnkA(G) ライブ終盤は湿気でギターも鳴らなくなっちゃって、音量が半分くらいになってましたね。

亜太(B) ベースもファイナル(兵庫・チキンジョージ公演)でダメになりました。

──楽器がダメになるツアーってすさまじいですね。今回はとにかく熱気のあるライブがやりたかったんですね。

w-shun うん、単純にそれだけでした。

ナオミチ 秋のライブはリリースツアーではなかったから、お客さんにとって聴きなじみのある曲が多かったんですよ。イントロが始まった瞬間に「オー!」って盛り上がるような。

w-shun セットリストを毎回変えていたから、しばらくやってなかった曲もあって。平日はスタジオで猛練習。

dEnkA 5年ぶりくらいにやった曲もあったよね。

ナオミチ うん。音源を聴き直して「当時の空気、どんな感じやったかな?」って思い出したり。

亜太 楽曲のアレンジは何も変えてないですけど、当時とは機材が違いますから、感覚を取り戻すのに時間と練習が必要でした。ただ、最近のお客さんにとっては聴いたことのない曲なわけですから、まあ、自分たちの自己満足ですよね(笑)。

dEnkA 素晴らしい(笑)。

亜太 とにかくお客さんと近い距離で熱気を感じられるライブをやりたかったし、そういう意味ではすごく楽しめたツアーになりました。もちろん欲はあるから、「次やるときは、こういうツアーにしたい」という気持ちもありますけど。

w-shun ロックバンドらしいツアーだったと思います。以前は新しい音源がなくてもツアーを回ってましたからね。懐かしかったです。

「やっぱこういう曲が一番得意なんやな」

──ニューシングルの表題曲「Do it」はライブ映えするナンバーですよね。臨場感のあるサウンド、独特のミクスチャー感覚、前向きな歌詞を含め、KNOCK OUT MONKEYの個性が前面に出た楽曲だなと思いました。

w-shun もともと違うタイプの曲を作ってたんですけど、スタッフからいきなり「次のシングルはイケイケの曲でいきましょう」と言われまして。最初は「え、時間なくない?」って思ったんですけど、取りかかってみてすぐにできたのがこの曲なんです。

──ライブ感のあるアッパーチューンは、常に作れる状態にあるのかもしれませんね。

w-shun そうみたいですね。ホンマに短期間でできたし、作ってみて「やっぱこういう曲が一番得意なんやな」と思ったので。自分からしてもホットな曲をシングルとして出せるのはいいことだと思うし。

──アレンジはいつも通り、全員で?

w-shun そうですね。まず僕がネタを作って。

ナオミチ 実は作り方を変えたんですよ。今までは全員でスタジオに入って、大きい音を出してセッションしてたんですけど、今回からはパソコンでそれぞれがアレンジするようになって。メンバーがフレーズを打ち込んだものを聴いて、「だったら自分はこう弾こう」「こういうふうに叩こう」というのが想像しやくすくなったし、自分がやりたいことも伝えやすくなりましたね。結果、4人の意見がしっかり詰まった曲になったと思います。

dEnkA アレンジの選択肢が広がって、プリプロまでにいろんなことを試せました。例えば「コード進行を全部変えてみようか」とか、いろんな可能性が増えた分、大変なところもあったんですけどね。

w-shun ここまで細かくいろんなアイデアを出し合ったのは初めてですね。前のミニアルバム(「RAISE A FIST」)のときからプロツール自体は導入してたんですけど、そのときはまだみんな使いこなせてなかったから。プロツールをうまく使うことでdEnkAがギターソロを放り込んでる間に、俺は家で歌詞を考える時間ができたり、メロディを精査したり。各自が自分の作業に集中できるようになって、ちょっとプロっぽくなりました(笑)。

亜太(B)

亜太 僕は全然使いこなせてはないですけどね。みんなに追いつこうと思ってパソコンは持ってるんですけど、中に大層なソフトは入ってませんから(笑)。ただ、みんながパソコンを使えることで、実質24時間作業できるようになったのは大きいですね。共用のサーバーに音源をアップして、各自がそれを聴いて、さらにフレーズを考えて。スタジオに集まるまでに作業を進められるし、リアルタイムで歩幅をそろえて作っていけるんです。効率がよくなった分、気は抜けないですけどね。いつ、誰が更新するわからないっていう。

──もちろん最後は4人で音を合わせて確認するわけですよね?

w-shun はい。最初に合わせたのは秋のツアーのリハですね。制作の段階から4人でライブしてる場面をしっかりイメージできてたから、実際にリハで合わせたときも「けっこうイケるな」という手応えでした。なのでツアーの初日から「Do it」をセットリストに入れたんです。できたての曲をライブでやれたのはよかったし、ツアーで何度もやった分シングルの発売前からすでに体になじんでるんですよ。リリース前にここまでしっかりライブでやったのは、ひさしぶりですね。まだ歌詞は完璧に覚えられてないですけど。

ナオミチ リリースされたら歌詞カードが出回ってしまうから、間違えられへんな(笑)。

ニューシングル「Do it」2016年11月16日発売 / Being
「Do it」
初回限定盤 [CD+DVD] 1944円 / JBCZ-4027
通常盤 [CD] 1080円 / JBCZ-4028
CD収録曲
  1. Do it
  2. Jump
  3. HOME
初回限定盤DVD収録内容

Live at 2016.04.15 Akasaka Blitz "RAISE A FIST" Tour -Selection-

  1. GOAL
  2. Flowers
  3. Only
  4. OH, NO
  5. For the future
  6. What's going on now
  7. Walk
KNOCK OUT MONKEY(ノックアウトモンキー)
KNOCK OUT MONKEY

w-shun(Vo, G)、dEnkA(G)、亜太(B)、ナオミチ(Dr)からなる、神戸で結成された4人組バンド。ラウドロック、レゲエ、ヒップホップ、メタル、エモといったさまざまなジャンルの要素を取り入れたキャッチーなサウンドと、感情むき出しに咆哮するボーカルが魅力。2012年にアンドリューW.K.の来日公演でサポートアクトを務めたほか、「SUMMER SONIC」をはじめ数々の大型フェスに出演し、その名を広く知らしめた。2013年10月に1stシングル「Paint it Out!!!!」でビーイングよりメジャーデビュー。2014年2月に1stフルアルバム「INPUT ∝ OUTPUT」を、同年7月以降「Wonderful Life」「Greed」「How long?」と3枚のシングルを発表するなど精力的なリリースを重ね、2015年1月に2ndフルアルバム「Mr. Foundation」を発表した。同年1~5月に全17公演のワンマンツアー「KNOCK OUT MONKEY TOUR 2015 "Mr. Foundation"」を開催し、ツアーファイナルを東京・新木場STUDIO COASTで迎えた。2016年には春に「KNOCK OUT MONKEY TOUR 2016 "RAISE A FIST"」、秋に「AUTUMN TOUR 2016 “7 CITIES”」を行い、同年11月に最新シングル「Do it」をリリースした。